【補助線】合わせる文化【ストーリー編】
田中家は、父親の剛志、母親の淳子、長女・春子、次女・夏子、三女・秋子、四女・冬子の4人兄弟の6人の家族だ。京都に住んでいる。
ある日、母親の淳子の友人であり、米国人と結婚して米国に住んでいる近藤さんが家族5人で日本旅行をするということで、何日か田中家に泊まることになった。淳子とは25年ぶりの再会になるらしい。淳子は関空まで迎えに行くので、姉妹でご馳走をつくり、迎えることになった。
剛志「かあさんの大切な友人やから、君ら4人で協力して近藤さんたちにご馳走を振舞ってあげて。とうさんは今日はどうしても抜けれない仕事があるから会社に行ってくるし。近藤さんたちがいらっしゃるまでには帰れると思うし、あとはよろしくな。困ったことがあれば、とうさんか、かあさんの携帯に電話して相談してや。とうさんも携帯くらいは出れると思うし」
といって淳子の空港に向かう車に便乗して出て行った。現在、13時、近藤さんたちが田中家に到着するのは18時くらいの予定だ。
残された4人は30分ほど相談して本日のお品書きを決めた。メインをすき焼きとちらし寿司にすることになった。次は、材料の買出しだ。
秋子「クルマあんの、春子姉さんと夏子姉さんやから、二人で適当に買ってきて。その間、私と冬子は家に食材があるもんを使ってオードブルとかの準備をしておくし」
春子「わかったわ。私、いい店を知っているし、ワインと日本酒を買うてくる。途中に○○屋もあるから、肉も買ってくるわ。夏子は市場行って肉以外のすき焼きの材料とチラシの具を買ってきて、すき焼きとチラシに何入れるかは夏子に任せるし」
夏子「わかった」
春子と夏子を見送って、秋子と冬子は相談を始めた。
冬子「おつまみ、どないしよう?」
秋子「冷蔵庫を見て、材料をみてから考えよ、でももう少し、時間ある。お母さんにきけば、近藤さんところの息子さんイケメンいうし、私、美容院に行ってきたいんやけど。1時間半ほどで帰ってくるから」
冬子「わかった」
<近藤一家到着3時間前>
春子がワインと日本酒を買って帰ってきた。
春子「夏子はまだ帰ってへんな。あれ、秋子は」
冬子「美容院行った。もうすぐ、帰ってくると思うけど」
春子「しょうがないなあ、じゃあ、冬ちゃん、オードブルを作ろうか」
冬子「うん、生ハムはきればいいし、あと、根菜のサラダとか、酢の物が作れると思うけど」
春子「ご主人、アメリカ人でしょ。少し、変わったものも付け合せよう。お漬物のスティックとかどうかしら。秋子に電話して、美容院の帰りにしきでお漬物を適当に買ってきてって伝えといて」
冬子「それから、夏子姉さんから電話があって、思いっきり9号線が思いっきり渋滞しているそうや。思ったより時間かかるかもしれへん、言うてた」
春子「そうか、ほな、秋子も遅うなるかもしれへんな。できるだけのことしとこ」
といって、寿司飯の準備とか、すき焼きの割り下の準備とかを始めた。
<近藤一家到着1時間前>
夏子が戻ってきた。春子が早速、何を買ってきたかを訊ねる。
夏子「すき焼きは、焼き豆腐、葱、春菊、椎茸、しらたき。チラシは海鮮チラシやな。鯛のいいのがあったんで、これがメイン、イカ、甘エビ、いくら、たこ、かにくらいやな。あとは、タマゴときゅうり、がり」
春子「わかった。ええな。じゃあ、夏子、チラシつくってくれるか。もう、ご飯は炊けるし。私はすき焼きの準備する。冬子は手が足らないところの加勢と、配膳準備な。」
<近藤一家到着30分間前>
最後に、秋子が一番帰宅が遅くなったが、やっと全員が揃った。とりあえず、春子と冬子は酢の物を作って待っていた。春子が秋子に何を買ってきたか訊いた。
秋子「きゅうり、なす、すぐき、しば漬、千枚漬、ゆず大根、たくあん、それから旬のもんで若筍といったところや。それから、おふのいいのがあったんで、買うてきた。すき焼きいれよ」
春子「わかった。それを一口にきって、串に刺して、桶に氷をひいてそこにたてよ。これが一番急ぐ出し」
夏子「まだ、あかん。おけ、寿司飯を作るのに使うし」
春子「ああ、そうか。じゃあ、秋子、別のもん探して」
夏子「秋子、若筍は醤油漬けやろ。少し、多めにあったら、チラシの具にするし、こっちにまわして」
秋子「わかったわ」
こうして、何とか18時には、淳子と一緒にきた近藤一家を無事、迎えることができたのだった。
【質問】
このショートストーリーで描いている仕事の仕方をどう思いますか?
コメント