【戦略ノート257】プロジェクトの上位管理者考(3)~経営へコミットするとは
◆ゲゼルシャフトのゲマインシャフト化
サントリーで情報システム部長、事業部企画部長、工場長、商品開発研究所長、SCM本部長、取締役、サントリー食品工場社長などを歴任され、現在は多摩大学大学院で教鞭をとられている橋本忠夫先生の「変革型ミドルのための経営実学」(芙蓉書房出版、2010)という本を読んでいたら、
評論家の堺屋太一氏が「組織の盛衰」で指摘する「ゲゼルシャフト(機能体)のゲマインシャフト(共同体)化」の軋轢を避けるには、専門家(技術者)が経営にコミットするのが一番自然で分かりやすい
という指摘があった。
もう少し、橋本先生の指摘を補足しながらもう少し詳しく説明しよう。技術の進歩の激しい分野で、専門家が40歳になったときには、新しい世代が専門用語も異なる世界を引っ提げて迫ってくる。たとえば、ITがそうだ。ITの現役世代で専門性を考えると、50代はエンドユーザコンピューティング、40代はオープンネットワーク、30代はインターネット、20代はクラウドである。10年ごとに新しい概念が出ている。ベテランの技術者は本質は変わっていないというが、実はここがくせ者なのは後で述べる。
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