【コンセプチュアル講座コラム】問題解決をブルシットにしない!
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◆ブルシットとは
ブルシット(bullshit)という言葉はスラングで、
名詞:「嘘、たわごと、デタラメ」
動詞:「~を嘘をついて騙す」
といった意味です。ラップで相手をディするときによく使われる言葉で、日本語ラップでは、「お前は本物ではない」という言葉が相当するそうです。
2018年に、社会学者のデヴィッド・グレーバーは、「Bullshit Jobs」という本を書き、世界的に話題になりました。日本でも昨年、翻訳が出版されました。
デヴィッド・グレーバー(酒井 隆史、芳賀 達彦、森田 和樹訳)「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」、岩波書店(2020)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08Q368DRP/opc-22/ref=nosim
ブルシイット・ジョブとは、「なんのためにあるのかわからない、なくなっても誰も困らない仕事」というニュアンスの言葉です。訳書では、「クソどうでもいい仕事」と訳されています。
◆ブルシットな問題解決
さて、問題解決においても、ブルシットはあります。日本語だとうわべの問題解決と表現することもありますが、「問題を解決しているようで、実は解決していない問題解決」、「なんのためにやっているのか分からない問題解決」です。
例えば、この1年間、社会を不安に陥れているコロナ対策です。昨年の夏、感染が再発したときに、経済へのダメージを減らすために感染防止策を最小限にしようとしましたが、結果としてリバウンドし、より大きな感染を引き起こし、経済に大きなダメージを与えました。今では、もう少し徹底的に感染者を減らしていれば、経済的なダメージが小さくなっていただろうというのが定説になっています。
このように見かけの問題にとらわれ、問題解決策を打ち、逆に問題を悪化させるというのは珍しいことではありません。いわゆるリバウンドです。
◆本質的問題を突き詰めて、ブルシットにしない
リバウンドさせないためには本質的問題を突き止めて、その問題に対して手を打っていく必要があります。
ここで、しばしば問題になるのは、トヨタ的な継続的改善の存在です。継続的改善は、目についている問題をかたっぱしから潰していくことによって、本質的な問題を解決していこうとする活動です。
このような方法では、見えている問題を解決していることによって、いずれは本質的な問題を解決できます。ただし、問題解決策がブルシットでない場合です。
多くの企業では、継続的改善を実践しても解決策が本質からずれたものになって、次々と問題が出てくることは珍しくありません。ブルシットな問題解決をしているわけです。
これがトヨタと他の企業の差だとも言えますが、トヨタは一人一人が本質を意識して継続的改善に当たっています。このため、問題が目についても本質と関係の薄い問題であれば放っておくと言います。
このように本質に注目した問題解決は、日常的な業務はもちろんですが、VUCAな世界ではより重要になってきます。
◆ブルシットにならない問題解決を学ぶ講座
そのような問題解決法を学ぶ公開講座です。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆本質に注目したコンセプチュアルな問題解決 ◆(7PDU's)
日時:
形態:ZOOMによるオンライン開催です。
講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_solve.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
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【カリキュラム】
1.なぜ、コンセプチュアルであるべきか
2.コンセプチュアルな問題解決の流れ
3.本質的問題の発見
【エクスサイズ】問題の本質を見極める
4.本質に注目した創造的問題解決の方法
【エクスサイズ】本質に注目した問題解決
5.問題解決をコンセプチュアルにするポイント
【エクスサイズ】各ポイントのエクスサイズ
6.うまく行かないときの対応
7.コンセプチュアルな問題解決エクスサイズ
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