« 【実践!コンセプチュアル・マネジメント】第4回 本質に着目したダイバーシティー・マネジメントのイメージ | メイン | 【お知らせ】コラム「コンセプチュアルスタイル考/マネジメント編」開始のお知らせ »

2018年10月26日 (金)

【コンセプチュアルスキル入門】第4回 本質の探し方(1)~WHYによる掘り下げ

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/conceptual_skill/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Why

◆本質を探す方法

WHYによる掘り下げにはさまざまな方法が提案されています。例えば、ラダリング、なぜなぜ分析、トヨタの5WHYなどです。その意味で本質の捉え方としては最も馴染みのある方法だといえます。

前回、何を本質だと思うかは主観であるといいましたが、厳密にいえば、ステークホルダーが納得する主観、いわゆる「間主観」です。その意味で、機械的にWHYによる掘り下げをしていたのでは、本質にはたどり着きません。掘り下げる方向性を注意しないと、本質とはかけ離れたところに行ってしまします。それぞれの方法は独自の工夫をして本質にたどり着こうとしています。


◆WHYの掘り下げによる違和感

例えば、新製品開発プロジェクトの進捗報告会で部長が課長にこれ以上プロジェクトが遅れない手を打つように指示しました。問題の再発防止のためには、本質的な問題を見つけ、その問題を解決しなくてはなりません。

そこでWHYで掘り下げていって、本質的な問題がどこにあるかを考えていきます。このとき、よくやるのは、例えば以下のような展開です。

・要員が足らない (だから) 計画通りに仕事が進まない
・予定外の突発的な対応が続発したからだ (だから) 計画通りに仕事が進まない

これにはいずれも納得できない人がいます。たとえば、要員がいれば計画通りに進んだのかと考える人が出てきます。このような展開では、ステークホルダーが納得する本質的な原因にはたどり着けないことになります。


◆「だから」と「なぜならば」の両方を考える

このような展開にならないようにするには、

・「根拠 だから 結論」 は納得できるか

と同時に、

・「結論 なぜならば 根拠」 は納得できるか

を考えてみることが効果的です。上の例ですと、

・仕事が計画通りに進まない (なぜならば) 要員が足らない

となり、違和感があります。これを他の要因が考えられなくなるまで繰り返し、考えていくと、筋の良いWHYを見つけることができます。たとえば、上の例ですと、

・開発作業の着手が遅れた (だから) 計画通りに仕事が進まない
・計画通りに仕事が進まない (なぜならば) 開発作業の着手が遅れた

といるロジックは両方とも納得できます。そこでさらに掘り下げ、

・要求ドキュメント作成に時間がかかった(なぜならば)開発作業の着手が遅れた

ということで、ドキュメント作成に時間がかかったことを本質的な問題だとすると違和感はありません(もうすこし、掘り下げたいという人もいるかもしれません)。

本質的な問題を突き止めることができれば、問題解決策を考え、実行していけばよいことになります。


◆注意すべきこと

ここで注意してほしいのは、よく問題の答えは一つではないのでということを言いますが、これはなんでも答えになるということではありません。実施してみて効果的な答えというのは当然あり、それに行き着くには本質的な問題を見極めていることが大前提になります。

もう一つ注意しておいてほしいのは、何がWHYとして納得できるかは、状況(課題)によって変わるということです。

例えば、上の例で状況がプロジェクトでの再発防止ではなく、部での再発防止だったとします。すると、

・予定外の突発的な対応が続発したからだ (だから) 計画通りに仕事が進まない

というロジックの逆

・予定外の突発的な対応が続発した (なぜならば)計画通りに仕事が進まない

は納得できます。

(続く)


◆関連するセミナーのご案内

本質的な問題の見極めを行い、問題解決をする方法を学ぶ講座です。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆本質に注目したコンセプチュアルな問題解決         ◆(7PDU's)
  日時:2018年 11月 07日(水)10:00-18:00(9:40受付開始)
  場所:国際ファッションセンター(東京都墨田区))
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_solve.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  【カリキュラム】                     
  1.なぜ、コンセプチュアルであるべきか
  2.コンセプチュアルな問題解決の流れ
  3.本質的問題の発見
   【エクスサイズ】問題の本質を見極める
  4.本質に注目した創造的問題解決の方法
   【エクスサイズ】本質に注目した問題解決
  5.問題解決をコンセプチュアルにするポイント
   【エクスサイズ】各ポイントのエクスサイズ
  6.うまく行かないときの対応
  7.コンセプチュアルな問題解決エクスサイズ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

コメント

コメントを投稿

PMstyle 2024年5月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Googleメニュー

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google

最近のトラックバック

Powered by Six Apart

プロフィール

フォトアルバム

好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。