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2016年12月27日 (火)

【イノベーション戦略ノート:107】ITイノベーションの起こし方

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Iti

◆コンセプトなくしてITイノベーションなし

日本企業でイノベーションが起こりにくいという中で、特に気になるのはITイノベーションが起こらないことだ。ITイノベーションが起こせない原因は明確であり、「コンセプト」が作れないことだ。

コンセプトが作れないという問題は古くから言われている問題である。一方で、日本企業はモノ作りの能力にたけているので、コンセプトはなくてもよい製品やサービスが提供できるといわれてきた。しかし、ここにきて、コンセプトとイノベーションが密接に関係してくる局面を迎え、コンセプトなしにイノベーションができない状況になっている。

この傾向はこれからますます強くなるだろう。



◆コンセプトとは

まず、コンセプトとは何かを明確にしておこう。ということで、まずはコンセプトとは何かを明確にしておこう。コンセプトについての説明というのは人によって違うし、さまざまであるが、一般的に定義すると

「自分が実現したいことの包括的イメージ」

だということだ。

このようにコンセプトを定義したときに、コンセプトとして何を満たさないとならないかについて考えてみると以下のような要素があることが分かる。

・既成概念を壊す
・新しい視点で価値観を作る
・全体を貫く骨格となる考え方とする
・活動のすべての指針とする

要するに、新しいアイデアで、アイデアで成しうることの全体を表すのがコンセプトである。


◆ITイノベーションにコンセプトが必要な理由

では、なぜITイノベーションにはコンセプトが必要なのだろうか。それは、ITイノベーションを実現するのがシステムだからである。ここでいうシステムは必ずしも情報システムとは限らない。もう少し広い意味のシステムである。

システムを作るには要素の組み合わせが必要になる。組み合せは情報システムやハードウエアだけではできない。いわゆる仕組みやビジネスモデルと言われる目に見えない組み合せが必要である。ITイノベーションをうまくできないのはこの組み合わせを考えることができないからだ。

この目に見えない組み合わせを考える(定義する)のがコンセプトである。


◆コンセプトの作り方

こういった難しさを打ち破り、コンセプトは作らなくてはならない。コンセプトを作る方法もさまざまな方法がある。PMstyleでは以下のようなコンセプトの作成手順を決めている。

(1)現状認識
(2)価値創造
(3)言語化
(4)共感を得る

詳しくは、PMスタイル考にコンセプトの作成手順を説明した記事があるのでそちらを参照してほしい。

【PMスタイル考】第119話:コンセプトを作る

コンセプトを作ることができると、見えない組み合わせをできるようになってITイノベーションもうまくできるようになるだろう。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。