≪サプリ385≫リーダーは例外事項の意思決定をするために存在する
リーダーは「ルールでは判断できない、論理だけでは整理できない例外事項について意思決定する」ために存在している (山口周、ヘイグループ・プリンシパル)
【成分】
◆プロセス、ルール、組織
◆例外事項のない企業はない。
◆WBSはプロセスか
◆プロジェクトのルールは3つだけ
◆プロジェクト内のルールとエスカレーション
◆ルールがない場合には、原理や論理で考える
【効用】
・PM体質改善
PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
モチベーション向上
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【解説】
プロジェクトが始まるときに「困ったらすぐにエスカレーションしなさい」と指示するマネジャーは少なくありません。部下に自身の手に負えない問題をあまり抱え込まれると、気がついたときには手遅れになると考えるからです。
もちろん、マネジャー自身、部下から相談を受けた問題が手に負えないと思ったらすぐに上位者にエスカレーションするわけです。
ここでいう「手に負えない」という意味は、決まっているルールやプロセスの例外事項であり、自分では判断できない問題という意味です。これは組織の基本中の基本です。
ところがプロジェクトになってくると少し事情は変わってきます。プロジェクトにはルールやプロセスはありません。その組織のルールやプロセスではできないと思われる仕事をプロジェクトとして行うからです。つまり、プロジェクトでは組織のルールやプロセスに関係なく、そのプロジェクトとしてのルールやプロセスを作り、それに則り仕事を進めていくわけです。プロジェクト憲章を承認するというのはプロジェクトのルールを承認するということですし、プロジェクト計画(マネジメント計画)を承認するというのは基本プロセス(厳密にはマネジメントプロセス)を承認するということです。
つまり、プロジェクトでは問題が起こったときに自己解決する責任があるということです。
ところが現実にはプロジェクトのルールやプロセスを決めることを避け、組織のルールやプロセスに最大限に従うようにしている組織が多いようです。これは、例外事項が出てきたら、意思決定を組織に委ねることを意味しており、プロジェクトのパフォーマンスが悪い一因になっています。
これで本当にいいのでしょうか?いいとすればプロジェクトマネジャーは何のために存在しているのでしょうか?
今回のサプリはこの問題について考えてみました。
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