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2013年6月 2日 (日)

≪サプリ363≫顧客の声を抽象レベルで聞く

顧客の声の聞き方には具体的なレベルと抽象的なレベルの二通りがある。具体的なレベルでしか考えられないとすれば、顧客の語る言葉のみに目が行ってしまう(細谷功、ビジネスコンサルタント)

Supple【成分】
◆顧客の声がガラパゴス化を引き起こす
◆顧客の気持ちは移ろいやすい?!
◆顧客の声を概念化し、顧客の言葉の意図を汲む
◆顧客の声からイノベーションは生まれる
◆急がばまわれ

【効用】
・PM体質改善
  顧客感度アップ、顧客説得力アップ、バランス感覚の洗練
・PM力向上
  プロ意識の向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上

このサプリの購入はこちらから!1か月分、500円です。

【解説】
現場ではとにかく具体的にものを考えろといわれます。僕はこの言い方に非常に違和感があります。具体的に考えるというのは方程式を解くようなもので、考えるというのとは少し違うように感じるからです。

よくマネジメントには答えがないといいます。この意味も勘違いされていることが多いようですが、マネジメントの問題を具体的な問題として考えるのであればたいてい答えはあります。ところが具体的にだけ考えたのではうまくいかないことが多いので、抽象的なレベルで問題解決をして、具体的なアクションプランに落として、試行錯誤をするのがマネジメントです。

だから方程式を解くような答えはなく、考え抜かなくてはならないのです。ここが具体的な問題だけを扱うエンジニアリングとは本質的に異なるところです。

この問題解決のレベルの違いで混乱しているのが要求に関するものです。市場にしろ、ユーザにしろ、特定の顧客にしろ、要求を引き出すには「顧客の声」を聞くのが基本中の基本ですが、顧客の声を具体レベルで聞いてしまうと、具体レベルの問題解決にしかならず、顧客のニーズとは異なる可能性があります。要求をうまく定義できていないプロジェクトではこのパターンに陥っているケースが多々あります。

このような問題意識で書いたサプリです。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。