【戦略ノート304】プロジェクトデザインはリーダー、計画はマネジャーが行う
◆リスクと不確実性の違い
リスクと不確実性はしばしば同じ意味で使われているが、大きな違いがある。その違いとは、リスクはあくまでに確率事象であり、母集団における分布が過去の経験で分かっている。これに対して、不確実性の場合には母集団すらわからないことだ。
たとえば、こういうことだ。ある作業が遅れるかもしれないとする。その作業の方法がはっきりわかっている。遅れる理由は担当者のスキル不足で、十分なスキルを持つメンバーを担当させられない可能性がある。この場合の母集団はその作業に必要なスキルを持つメンバーであり、その中でスキル不足な人の割合がリスクになる。たとえば、過去の実績で判断すると、10人の内の3人だと今の計画では予定通り作業が終わらないとすれば、遅れが発生するリスクは30%ということになる。
ところが、別の作業はどのようにしてよいか分からないとしよう。この場合、どの範囲で遅れる確率を考えればよいか分からない。つまり、母集団が分からないのだ。これはリスクではなく、不確実性である。
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