【戦略ノート295】変わる!ステークホルダーマネジメント

この10年間くらいの間に、プロジェクトの成功の定義が変わってきた。改めていうまでもないが、プロジェクトは上位組織から与えられたQCDの制約の中で、求められる成果物を実現する活動であり、これがきればプロジェクトは成功したと言える。このため、プロジェクトマネジメントはQCDの制約をクリアしながら、定めたスコープを実現すべく、プロジェクトを進めていく活動として位置付けられる。
ところが、最近ではQCDの制約をクリアできればプロジェクトは成功したとは考えられなくなってきた。成果物が生み出す価値が問題にされるようになってきた。
この背景にはプロジェクトを取り巻く環境はプロジェクト期間中は変わらないという前提がある。たとえば、ある商品を開発するのに、競合の動向や、技術動向、ビジネスの動向などは基本的にその期間は変わらない。つまり、プロジェクトを開始する時点と、製品の開発が終了した時点で変わらない。したがって、計画を立ててしまえば、その計画通りにプロジェクトを進めれば価値は保証されるという前提が成り立たなくなっていることがある(実際にその商品が売れるかどうかは別の問題である。価値とはその商品が持つポテンシャルである)。
ところが、現実にはそうはいかなくなってきた。開発リードタイムの間に市場に状況がガラッと変わってしまうようなケースは珍しくなくなった。
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