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2011年4月22日 (金)

projection 2011年4月1日~15日

2011年4月1日~15日のprojectionです。

■「自粛」の議論を聞いていて不思議に思うのは、GDPが増えると国民は幸せになるという前提に対する議論がほとんどないことだ。この問題を「萎縮」とか、「支援のための消費」といった言葉で片付けるべきではない。サスティナビリティが問われている問題であり、震災前にすでに露見していた問題だ。(4月4日)

■日本人は危機管理が苦手なのではなく管理自体が苦手なのであって、危機的状態になるとそれが「バレる」だけなのである(岡本薫) その通りだと思う。マネジメントがうまくできない人にリスクマネジメントはできない。(4月5日)

■傍観者には論理的に見えても、当事者には論理的ではないこともある。プロジェクトの失敗要因として時々見かける落とし穴だ。この落とし穴に落ちるのを避けようと思ったら、ステークホルダ分析をきちんとすることだ。(4月5日)

■今回もそうだが、阪神大震災直後、避難生活の中で自発的にコミュニティを形成し、支援物資分配や負傷者救護をしていることが世界中から絶賛された。混乱したニューオリンズのハリケーン災害後と比較し、比較教育研究者は「日本の小学校の掃除当番・給食当番・班別活動の成果」と評価しているそうだ。この話を読んだときにはピンとこなかったが、では、なぜ、そんなことができるのかと考えると、確かにほかに要因を思いつかない。そう思って考えてみると、日本企業の社員の組織行動を支える要因にも「小学校の掃除当番・給食当番・班別活動の成果」と言えるものがたくさんあるような気がしてきた。(4月6日)

■組織の上下関係において、行動は強制できるかが、認識は強制できない。そして、認識の違いが、実行の阻害要因になっている。情報を共有しただけでは認識は共有されない。コミュニケーションとは認識を共有するために行うものである。(4月6日)

■難局に陥ったプロジェクトは、「無計画」にステークホルダを巻き込み、会議を増やし、統制がとれなくなり、弱体化し、さらに状況を難しくする傾向がある。(4月7日)

■復興のために大連立すべきだという世論は、いくつかの意味で日本的モラリズムだと思う。復旧は効率よくできても、新しい価値を作る復興はうまくできないような気もする。逆に、与党と野党の機能が健全で復旧~復興ができれば、これからの日本人の組織感は変わるようにも思う。期待したい。 (4月8日)

■知りたいのは何が起こっているかではない。このあとどうなり、それに対してどう対処し、対処によって未来がどのように変わるかだ。(4月14日)

■失敗のすすめ:ジェームズ・ダイソン http://bit.ly/hzBzE2 (#wiredvision) 「失敗」という言葉の意味を再定義することが必要だ。発明への途上では、失敗とは、今後解決されるべき問題にすぎない。(4月15日)

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。