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2006年10月28日 (土)

【補助線】おとなのマネジメント

PMBOK流のプロジェクトマネジメントは統制のツールであり、言ってしまえば、曖昧性を許容しないマネジメント論である。いわば、「子供のマネジメント」である。いくらリスクという形で不確実性を扱う概念を持ち込んでも、限界だなと思うことが時々ある。

マネジメントの世界でも内部統制が注目されるようになってきたので、そろそろ、このような領域に突入する可能性が高い。

話は変わるが株式市場では、村上ファンドの出現、西武事件、ライブドア事件など、この10年くらいで多くの出来事が重なり、経営者同士が親しいとか、資本ガバナンスとはかけ離れたわけの分からない株式の持合がだんだん崩れてきて、世界標準ルールに徐々に近づいてきた。これはよいことだと思う。

しかし、マネジメントプラットホームは本当にそうなのか?

内部統制で何をするかを考える前に、この命題を考えてみる必要がある。内部統制を強化しないとエンロンのような不祥事が生じるという単純な理屈だけで米国流に押し切きられてしまうと、根底から競争優位性を失うことになる。ちょうど、外交の世界をみているような感じになると思う。

いくらグローバル化するために共通のプラットホームが必要だからといって、米国流の統制が唯一のプラットホームであるはずはない。米国は人種の坩堝なので、米国流マネジメントはダイバーシティに強いというのは米国の経営学者が言っていることに過ぎない。

米国流が創り上げたグローバリズムに異議を唱える国があってもよいと思う。そのときに担保すべきなのは、公正さであり、ガバナンスや透明性ではないだろう。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。