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2013年12月 8日 (日)

【コンセプチュアル仕事術】第7話~ロジックを磨く

Migaku_2◆ロジカルシンキングとクリティカルシンキング

クリティカルシンキングという思考法があります。さまざまな定義がある言葉ですが、著者はロバート・エニスの

何を信じ、何を行うかの決定に焦点を当てた、合理的で内省的な思考

という定義がしっくりくるのでこの定義を使っています。クリティカルシンキングとロジカルシンキングはどう違うのか分からないという人がおり、実際にクリティカル・シンキングの書籍やセミナーをみても、ロジカルシンキングとどう違うのかと思う人も多いと思われます。

なぜそのようになるかといいますと、ロジカルというのは前回述べたように必ずしも合理的なものではなく(ましてや論理的だから正しいとは限らない)、合理性が問題なり、それを考えるのがクリティカルシンキングだからです。つまり、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは表裏一体なのです。



◆論理の合理性を検証する2つの方法

さて、ではクリティカルシンキングではどのようにロジックの合理性を検証するのでしょうか。これには2種類あって一つは論理そのものの合理性です。そして、もう一つは著者は思考の態度と呼んでいますが、論理的に考える方法です。

前 回の例でいえば、前者は風が吹けば桶屋が儲かるという論理の構成要素で、本当にネコが減ればネズミが増えるのかといったことです。後者は少し難しいが、前 回、論理というのは単純化をすることにより速く答えを出すことを目的にしていると説明しましたが、実はどのように単純化するかは主観的なもので、思考する 人の姿勢が問題になります。

まず、前者から考えてみたいと思います。論理の合理性の検証の視点は、

(1)常識・前提
(2)構造
(3)因果関係
(4)問題設定

の4つを上げることができます。


◆前提を検証する

まず、(1)の前提から考えてみましょう。前提は考える人が設定する場合、与えられる場合、常識としておかれる場合など、いろいろな性質のものがありますが、論理の合理性にもっとも大きな影響を与えるものです。

ひとつ例で考えてみましょう。非常に見通しのよい直線で雨の日に自動車事故が起こり、何か対策をするとします。そこで、

スピードを出しすぎ→事故が起こる

という論理を考えたとします。ここには、「車のスピードが出すぎると運転者が車をコントロールできなくなる」といった前提があるわけです。

このように論理には必ず前提があります。そこで、前提を疑うにはまず、前提を探し、前提をいろいろな視点から検証してみる必要があります。たとえば、上の例でこの前提が妥当なものかどうかをいろいろな視点から検討してみます。

視点には、

・抜け道はないか
・見落としはないか
・思い違いはないか

と いったものがあります。たとえば、抜け道という視点からいえば、身体機能が高い人にはこの前提が当てはまらないだろうと考えられます。見落としという視点 でいえば、運転手自体の問題だけではなく、高速の自動車の性能の問題があるのではないかということが考えられます。また、思い違いとしてはそもそも事故を 起こしたようなスピードが(違反ではあっても)そのような運転者がコントロールできなくなるようなスピードではなかったということもあるかもしれません。

このように前提について考えてみて、この前提が妥当かどうかを判断するわけです。


◆前提の不適切さが問題を引き起こす

重 要なことはこの前提が妥当でなければ、この問題に対する対処が不適切なものになってしまうということです。たとえば、本当の原因は雨の日の路面の状態が悪 かったことにあるとします。この場合、上に述べたような前提を置くと、真の原因に行きつけなくなります。これが論理の弱点でもあるわけです。

実 務の中でも不適切な前提で考えていることはよくあります。たとえば、「仕事やプロジェクトに要員を追加すると捗る」という前提があります。確かに単純な仕 事であればこの前提は正しいのですが、少し複雑な仕事であれば妥当な前提ではありません。これに気づかないで、スケジュールの遅れを要員投入で解決しよう として失敗したようなケースはよく見受けます。

逆にいえば、前提の設定がよければ、問題解決の可能性を広げることになります。もう、お分 かりだと思いますが、5WHYとか、なぜなぜ分析というのは問題解決をしてみるように見えますが、論理の前提を探していることにほかなりません。つまり、 前提を探すには、これらの手法を使うことができるわけです。

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。