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2008年6月

2008年6月28日 (土)

PMサプリ129:素直に見る、ちゃんと聞く、思いきって言う

素直に見る、ちゃんと聞く、思いきって言う。そこに品質が育つ。(酒見和行、品質コンサルタント)

【効用】
・PM体質改善
  アカウンタビリティ向上、リスク管理能力アップ、問題解決能力向上
・PM力向上
  プロ意識の向上、実行力向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
 弱気克服、プロジェクトにおける辛さの克服

【成分】

◆「みざる、いわざる、きかざる」ではダメ!
◆プロジェクト品質向上のための「見る」
◆プロジェクト品質向上のための「聞く」
◆プロジェクト品質向上のための「言う」

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2008年6月23日 (月)

【補助線】ステークホルダ4つのタイプ

極論かもしれないが、プロジェクト(マネジメント)への権限委譲は、プロジェクトマネジャーの職位(職制)を基準にして議論される現実がある以上、びっくりするようなプロジェクトへの権限委譲が行われることは極めて珍しい。プロジェクトマネジャーが係長級であれば係長の権限+α、部長であれば、部長の権限+αしか権限は与えられないことが圧倒的に多い。

というよりも、組織側もバカではないので、そのプロジェクトを実施するには、だいたいどういう組織上の権限が必要かを見極め、プロジェクトマネジャーを決めているのが現実だろう。したがって、仮に課長級のプロジェクトマネジャーを想定したルールがあったとしても、部長級のひとがプロジェクトマネジャーになった場合には、部長としての権限も巧みに使いながらプロジェクトを動かしていくのが普通である。

そのように考えてみると、特に職位の低いプロジェクトマネジャーの場合には、ステークホルダへの対応がプロジェクトの成否の分かれ目になることが多い。平たくいえば、職位の高いステークホルダを如何にうまく使うか、これがステークホルダマネジメントの本質だといえよう。

さて、そのステークホルダへの対処だが、タイプによってよく考えていく必要がある。ステークホルダの分類は、プロジェクトへの影響で分類することが多いが、ここでは少し、違った視点からの分類を試みてみたい。

プロジェクトへの関心とプロジェクトへの支援行動に注目して、ステークホルダの分類をする。すると、ステークホルダは4つのタイプに分けることができる。

最初は関心が高くて支援も十分に行ってくれるステークホルダ。これは「ステークホルダの鏡」である。このタイプに対しては、「味方になる」という前提で付き合うのがよい。

そのためには正攻法で行くのに限る。必要に応じてコミュニケーションをとり、できるだけ正直に状況を報告し、相談をする。また、プロジェクトマネジメント活動の中で、スポンサーとしての活動は任せてしまうのがよい。

上司がこのタイプであれば理想なのだが、現実にはそううまくいかないので、このようなステークホルダを探し出す努力も必要だろう。

二番目は関心は高いが、支援行動が少ないステークホルダ。いわゆる、「口だけ出す」というタイプである。このタイプのステークホルダは2つの意味で要注意である。ひとつは評論家的にいろいろなことを言う。職位が上であれば全く無視するのは難しい。二つ目は調子のいいことを言ってもやらない。このタイプはヒューマンスキルに自身のないプロジェクトマネジャーは避けて通った方がよいだろう。ヒューマンスキルに覚えのあるプロジェクトマネジャーであれば毒を食らわば皿までといった使い方もある。組織の中で口だけだすタイプの人間の共通的な特徴はプライドが高いことだ。というより、プライドが高いので失敗したくないので、やらないといった方がよいだろう。この点を徹底的についていくとよい。

ただし、言っていることの10%でも実際にやってくれれば儲けものというくらいの感覚でないとプロジェクトにとっては大きなリスク源になってしまうので、注意!

三番目は関心は高くないが、支援行動をするタイプ。このタイプはあまり見かけないが、たとえば、事業部の重点プロジェクトなどではこのタイプのステークホルダが現れることがままある。要するに、プロジェクトはどうでもいいのだが、自身の上司への体面を保つために支援をしているのだ。このタイプのステークホルダはプロジェクトが支援を必要としているかどうかよりは、自分のできることをやるタイプが多い。「ヒラメ」タイプである。

このタイプのステークホルダをどう使えるかが、ステークホルダマネジメントのポイントになるのではないかと思う。悪く言えば、自分のことしか考えないし、上だけを見ているのだが、逆にいえば、プロジェクトを支援することが自分のためだと思えば労を惜しまないひとが多いし、組織上層部に対する覚えもめでたいし、ある意味組織を動かす方法も知っている。このタイプを使わない手はない。彼にとって、このプロジェクトの成功がいかにメリットのあることかを常にインプットしていこう。

最後は関心も持たず、また、目立った支援行動もしないタイプ。頼まれて仕方ないときにだけ、支援をする。いわゆる「丸投げ」タイプである。このタイプとつきあうときに重要なことは期待しないことだ。受動的な性格のひとが多いので、持っていき方を間違えなければ、戦力になる。このタイプも意外とプライドの高いひとが多いので、プライドをくすぐるような持って行き方をするのがよいだろう。

2008年6月21日 (土)

PMサプリ128:応急処置を避けよ!

応急処置を避けよ!「その場でとことん」をクセにせよ(若松義人、コンサルタント)

【効用】
・PM体質改善
  リスク管理能力アップ、実行力向上、問題解決能力向上、アカウンタビリティ向上
・PM力向上
  リスク対応力向上、プロ意識の向上、実行力向上
・トラブル緩和
  プロジェクトにおける辛さの克服

【成分】

◆カンバンを探しもせずに、勝手に増発するな
◆応急処理がもたらすもの
◆プロジェクトにおける応急処置の結末
◆なぜ、応急処理がまずいのか?

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2008年6月19日 (木)

【補助線】あなたは大野耐一になれるか?

◆あなたは大野耐一になれるか?

トヨタウェイのエバンジェリスト若松義人氏が書いた「大野耐一から学んだトヨタ鬼十訓」という本の中に、こんな話が出てくる。

新車の生産性向上のプロジェクトの一環で、社員のD氏がカンバン方式の指導で部品メーカに行った。この部品メーカはカンバン方式を取り入れて間もないところで、カンバンの紛失が相次ぎ、機能していない状況だった。

このままでルールを守っていれば受注を受けても生産ができず、部品メーカはもちろん、トヨタ自身が困ると考え、カンバンを増発した。これを知った大野氏は「カンバンを探しもせずに、勝手に増発するとはどういうつもりだ」と叱ったという。

プロジェクトマネジャーの上司、あるいはプロジェクトスポンサーであるあなたは大野耐一になれるだろうか?

◆大野耐一の不在に泣くプロジェクト

ミドルマネジャー研修やシニアマネジャー研修のような場でこの話を聞くと大方の人は、大野氏のようにするという。しかし、現場を見ていると、D氏がとった行動を示唆したり、あるいはひどい場合には指示しているケースが多い。黙認しているケースも含まれると、大野氏支持派より、D氏支持派の方がマジョリティのように思える。

プロジェクトマネジャーと対話をしていると、プロジェクトで重大な問題が発生したときにプロジェクトを止めて考えることはできないという人が圧倒的に多い。走りながら考えるしかないという。つまり、D氏になっている。

なぜだろうか?大野耐一がいないからだ。

プロジェクトを預かっているとしても、組織に影響があるリスクは取りにくい。そのため、もっと有効な策があるとしても、応急処置で終わってしまうことが多い。スケジュールが遅れてきたら外注を投入する、コストがオーバーしそうになったら外注の質を下げ、コストも下げる。

プロジェクトマネジャーがリスクを取らずにできることはここまでだ(といっても、このような応急処置こそ、リスク源なのだが、、、)

◆上位マネジャーは忙しい

そのようなリスクを取りたければ、相談に来いという上位マネジャーも少なくない。これはナンセンスである。自らがそういう大局的な判断を自発的にできるだけの時間が取れないマネジャーに相談したところで、(能力はあるかもしれないが)埒があかない可能性の方が高い。まず、判断に至ったロジックを説明するだけでも一苦労。さらに、リスクを取るという場合には、判断に加えて、決断が入る。決断した理由など相手が納得できるように説明できるものではないし、そもそも、説明するものでもないだろう。

では、なぜ、ひとつひとつのプロジェクトに対応できないのか?答えは単純だ。多くのプロジェクトを抱えていること、そして、プロジェクト以外にもやるべきことが多いからだ。
そこで、ここだけは押さえておこうということで、自分なりに工夫して、プロジェクトの報告を受けたりしている。

◆上位マネジャーとプロジェクトマネジャーの意識のずれをスポンサーシップで解消する

ところがそのポイントが、プロジェクト側が見ておいてほしいポイントとずれているのだ。これが最大の問題である。ただし、この場合、組織の中の力関係として上位マネジャーの方が強いので、プロジェクトマネジメントがゆがめられることになる。さすがに最近では減ってきたが、計画を細かく作っている暇があったら作業をしろという上位マネジャーは絶滅しているわけではない。

米国では、上位マネジャーがどのように振る舞えばプロジェクトマネジメントが機能し、プロジェクトの成功に結び付くかというところに体系的なノウハウがある。それは「プロジェクトスポンサーシップ」という形で整理されている。何回か、このプロジェクトプロジェクトスポンサーシップについて書いてみたい。

大野耐一を目指して!

2008年6月16日 (月)

【補助線】橋下知事に学ぶリカバリーマネジメント

◆「取りあえず、出血を止める」というすごさ

先日、「大阪維新プログラム」が発表された。橋下大阪府知事になって100日あまり、情報公開手法もあり、常に顛末が注目された改革案が「大阪維新プログラム」だ。

大阪府はいわば、トラブルプロジェクトである。今回の維新を改革だとみる向きもあるが、もはや、改革という状況は過ぎている。橋下知事自身が公言しているように、民間企業であれば倒産しているような状況である。トラブルプロジェクトとして見たときに、橋下手法はなかなか、参考になることが多い。

まず、

「取りあえず、出血を止めるためのものだ」

という強烈なメッセージだ。

このメッセージはすごい。これで、この後の痛みを伴うシナリオを暗示するととにも、止血というメタファによって自らの施策の正当性を暗に主張している。血を止めなくては死んでしまうぞと暗に言っているわけだ。反対するステークホルダも多いようだが、彼らにとどめを刺すような言葉である。

リカバリーの際には、この出血というメタファはキーワードである。何もしないと、状況はどんどん悪くなっていく。大阪府の例でいえば、5兆円の借金があれば、年利1%で借りていても1年間で500億円借金は増えていくのだ。緊迫感が出てくる。求心力にもなる。

プロジェクトでもまったく同じだ。プロジェクトの場合にはお金より、時間だろう。何もしなければ、時間だけが過ぎていく。すると、遅延率はタクシーメーターのように上がる。これは数字上の問題ではない。事実、生き延びることは難しくなるのだ。

◆一生懸命やっていても神風は吹かない

どうも、一生懸命やっていると神風が吹くと思っている人も少なくない。戦後60年以上を過ぎてもまだ、この感覚は変わらないようだ。そういう人たちは、一攫千金を狙う。

たとえば、大阪府の例であれば、税収(法人税)を増やすことを考える。赤字を抱えて有効な産業施策など打ち出せない中では、妄想にすぎない。この傾向はプロジェクトでもよくある。プロジェクトの場合は焦りかもしれないが、止血などしている時間はないという発想になってしまう。血を流している状況で何をどうやってもベースラインを少しでも回復できるはずはないのだ。やり方を変えてやろうとすることは、ほとんど、初期計画の際に棄却したアイディアのはずだ。

しかし、今は当初とは状況が違うといって、安い人件費を大量に投入する誘惑から逃れることができない。大方のトラブルの際には状況は確かに変わっている。ただし、初期計画当初より、スキルフルな人材が大量に必要という方向にだ。

◆学ぶべき点その1~安定化

我々は止血を「安定化」といっているが、トラブルの際には、まず、止血だ。

かつ、止血に成功しても、そのあとが大変である。今度は、まさに、血のにじむような努力をしないと回復できない。「取りあえず、出血を止めるためのものだ」という言葉にはそのようなニュアンスまで含まれている。すごい言葉である。

◆学ぶべき点その2~情報を隠さない

橋下大阪府知事のやり方に学ぶべき点の第2点目はこの情報公開の手法である。

トラブルが起こったプロジェクトでは何かと隠したくなることも多いし、船頭が多くなることを恐れて、対応策を密室で議論することが多い。ところが橋下知事はこれをオープンにした。当然、住民、府職員、府下の自治体などのステークホルダからは喧々諤々の意見が出てくる。十分かどうかは別に、そこで議論させ、その結果を見ながら決断をした。これが、「大阪維新プログラム」である。当然、施策の影響のあったステークホルダは面白いはずはない。ただし、経緯を知っている。ここが大切だ。

この点もトラブル時は大いに参考にしたい。トラブルが起ると隠したくなるのは心情的に分かる。ここで隠すといっているのは子供のように報告をしないとかいう次元の話ではない。報告を多少カモフラージュするだけだ。ベースラインとのバリアンスは事実であるので隠しようがないが、そのあとどうなるかなど、所詮、あてものである。隠すつもりであれば、いくらでも作文できる。上の話と同じで、隠しているうちに神風が吹いて、つじつまが合うと信じている人も少なくない。

特に計画をきちんとしていないと、このあたりの冷静、客観的な評価は結構難しい。

しかし、隠してもいいことなど一つもないことを認識すべきだ。むしろ、隠すことによってものごとを一直線にできなくなるというデメリットがどれだけ大きいか。そう思えば、トラブルの際には情報はすべて公開し、常に本音で見通しを報告すべきである。

◆学ぶべき点その3~ステークホルダを味方にし、動かす

三番目は、ステークホルダへの働きかけである。マスコミを見ていると、聖域を作っていると批判的な評価が多いようだが、国側の法律でがんじがらめになっていて手を出せないところも多いようだ。それについては問題指摘をして、国政や国の行政に投げている。一方で、産業振興施策では既存の枠組みを無視して、地域で民間企業のボードを作って、施策を検討している。このように自分の力の及ばないところについては、自分で何かするのではなく、ステークホルダを最大限に活用して何とかしようとする姿勢は、特に、リカバリー時にはみならうべきであろう。

以上の3つの点において、プロジェクトリカバリーの活動で、橋下手法はたいへん、参考になるし、合理的なアプローチだといえよう。

◆セミナーのご案内

PMstyleでこんなセミナーをやっています。

〓【開催概要】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
 ◆ケーススタディで学ぶプロジェクトリカバリーの手法とスキル◆
  日時:2008年08月22日 10:00-18:00 7PDU取得可能
  場所:ヴィラフォンテーヌコンファレンスセンター(東京・港区)
  講師:好川哲人(プロジェクトマネジメントオフィス)
  詳細・お申込はこちら
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【カリキュラム】
1.プロジェクトリカバリーの進め方とマネジメントのポイント
2.プロジェクトのアセスメントとリカバリーの決定
3.プロジェクトリカバリープランの策定と調整
4.リカバリーの実施と安定化
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2008年6月14日 (土)

PMサプリ127:ものではなく、意味をつくる

「もの」を売るのではなく、「意味」を売るのだ(高橋宣行、プリープランナー)

【効用】
・PM体質改善
  創造力アップ、バランス感覚の洗練、顧客感度アップ、問題解決能力向上、
・PM力向上
  チームをまとめる力の向上、ピープルマネジメント力向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆意味があるから創造性は刺激される
◆意味を作る
◆モノづくりしかできない理由
◆要求の中に意味がある。要求を明確にせよ。

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2008年6月 9日 (月)

【補助線】目的と目標を区別する

目的と目標という言葉を分けて使っていない人は多いと思う。あるクライアントから、そこにこだわる意味が分からないという指摘を受けた。

両者には明確な違いがある。プロジェクトの目的とはプロジェクトによって達成したいことである。目標とはその目的を達成するために、達成しなくてはならないことであり、一般的には一つの目的に対して、複数の目標が設定される。

ややこしいのは、ひとつのプロジェクトにおいて目的というのは一通りではない。組織としての目的もあれば、顧客としての目的もある。もちろん、プロジェクトマネジャーの目的もあるし、チームの目的もあるだろう。そして、異なる目的に対して、同じ目標が設定されることもある。P2Mに目的―目標連鎖というツールがあるが、これは目的と目標のネットワークをマネジメントしながら、プロジェクトを進めていくためのツールとして用いられている。

抽象的かもしれないので、例をあげてみよう。新技術を使った商品Aの開発プロジェクトがある。このプロジェクトの全社的な目的は
(G0)新しい層の顧客に受け入れられる商品を獲得すること
だった。そして、事業としての目的は
(G1)商品群としてのシェアで競合しているX社を抜くこと
だったとしよう。また、開発現場(プロジェクト)としての目的は、
(G2)新技術に対する可能性を広げる
ことだった。さらに、営業的には
(G3)商品ラインナップに厚みを持たせることにより、顧客を囲い込むこと
といった目的があった。

まず、G0から設定された目標は
(O0-1)○○と△△の機能を持った商品とすること
(O0-2)1年以内に開発し、原価は3000円。開発費用は2億円で、原価に変動のない範囲で許す
(O0-3)商品リピート率を40%にすること
の2つだった。次に目的G1達成のために
(O1-1)商品Aを年間50万個販売すること
(01-2)商品Aの相乗効果で、他の商品の販売数を平均1%増やすこと
(O1-3)商品群のシェアを25%にすること
の2つを策定した。さらに、G2からは
(O-1)3つ以上、20億円のポテンシャルを持つ技術Bの適用市場を探すこと
が設定された。最後のG3からは、
(O3-1)商品群のシェアを25%にすること
(O3-2)商品リピート率を40%にすること
を設定した。この(O3-1)は(O0-3)と同じものである。こんな感じだ。

さて、では、なぜ、目的と目標は混同されるのだろうか?これには明確な理由がある。商品を作ることそのものが目的になっているようなプロジェクトが多いからだ。たとえば、IT業界で特定の分野でよく行われている製造請負といった仕事がある。これをプロジェクトとして使っていこうとすると、一定の制約条件(QCD)のもとでものを作ることそのものが目的であり、それは同時に目標にもある。このようなプロジェクトはあまり付加価値の高くないというより、プロジェクトとして実施することにあまり意味があるとはいえない。

IT業界に関していえば、システムの請負でやる場合にも同じような目的の立て方をする会社やプロジェクトマネジャーがいる。付加価値が期待できるところをモノを作ることだけを目的にしているのは組織としてみれば大変な「ロス」である。

会社がそのようにやるというのは、評価の問題との関係が出てくるので、そんなに単純な話ではないが、極力、付加価値を大きくするような目的の策定をして、プロジェクトを立ち上げたいものである。

2008年6月 7日 (土)

PMサプリ126:重要なのは最高のリーダーになりたいと願う情熱

最高のリーダーになるために特に重要なのは最高のリーダーになりたいと願う情熱である(ジョゼフ・ホワイト、イリノイ大学学長)

【効用】
・PM体質改善
 実行力向上、リーダーシップ発揮
・PM力向上
  プロ意識の向上、チームをまとめる力の向上
・トラブル緩和
 チームの士気高揚

【成分】

◆リーダーは指名されてなるものではない
◆リーダーになることを嫌う日本人
◆推進力は情熱
◆最高のリーダーになるための三カ条
◆プロジェクトマネジャーはリーダーであれ

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2008年6月 1日 (日)

スペシャルサプリ~プロジェクトマネジャーズ憲章を作る

【PMサプリ(スペシャル):自分の根っこにある価値観を整理する】

リーダーとしての、自身の根っこにある価値観や意志を整理してみる
                     (柴田陽子、柴田陽子事務所代表)

【効用】
・PM体質改善
  自信をつける、リーダーシップ発揮、自己統制力アップ、問題解決能力向上
・PM力向上
  プロ意識の向上、ピープルマネジメント力向上、
    ステークホルダをコントロールする力の向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上

【成分】

今回は第5木曜で休みだが、おまけということで、いつもと趣向を変えてお届けする。実際に手を動かして、読んでみてほしい。

◆明確なビジョンを示さずに働かせるのは無責任

まず、サプリであるが、今回は飲食店のコンサルティングを展開されている柴田陽子さんの著書「部下を暗闇の中で働かせていませんか?」からのものである。柴田陽子さんはリーダーが明確なビジョンを示さずに部下を働かせることは無責任だと言い、明確なビジョンを示すためには、自分の根っこにある価値観や意志を整理して、自分が大切にしてきたものや、これからも大切にしていきたいものを考えてみればよいと言っている。

◆ビジョンにより成果物の品質が変わる

ここでいうビジョンとは、プロジェクトでいえば、

・誰も作っていない商品を作りたい
・顧客に貢献したい
・競合に負けないヒット商品を作りたい

といったようなものだ。

このようなビジョンを持つことと、プロジェクトの目標(成果物)を達成することはある意味で、まったく別の次元の話である。ある意味でというのは、ビジョンがなくても成果物ができないわけではないという意味。

しかし、ビジョンによって目標達成の品質が変わってくることは十分に考えられる。たとえば、顧客に貢献するというビジョンを掲げていれば、単に顧客の言いなりにものやサービスを提供するだけではなく、顧客のニーズを真剣に考え、顧客の提示する以上に顧客が求めるものを提供することが可能になる。つまり、ビジョンを持つことにより、プロジェクトのすべてのメンバーや関係者に対して、方向性を示し、ベクトルをそろえてプロジェクトを遂行することが可能になり、結果として品質の高い成果物を作り上げることが可能になる。

◆プロジェクトマネジャーズ憲章を作ってみよう

さて、柴田陽子さんがいっている価値観や意志の整理の方法として、著者はプロジェクトマネジャーズ憲章を作ることを推進している。

プロジェクトマネージャーズ憲章とは、

自分がプロジェクトマネージャーとして、プロジェクトマネジメントを行う際の原則、法則、方針を表現したもの

である。たとえば、

・自分とプロジェクトメンバーの間の関係を理解し、深め、プロジェクトの推進力にしていく

・常に目的に立ち返り、プロジェクトのメンバーを正しい方向に導いていく

といったものだ。このようなものを作ろうとすると、今までの経験の整理と将来、そして現在を合わせて考える必要がある。そのため、以下のようなステップでプロジェクトマネジャーズ憲章を作成することを推奨している。

◆ワーク

実際に、書き出しながら考えてみてほしい

【プロジェクトマネジャーズ憲章の作成手順】

ステップ1:過去の経験から学んだことを思い出す
あなたがプロジェクトマネージャーとして経験から学んだことを5つ上げる。また、最高に満足したことを5つ上げる。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)

ステップ2:将来において達成したいことを考える
5年後に成功像をイメージし、あなたがプロジェクトマネージャーとしてやり遂げたことをリストにする
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)

ステップ3:重要なことを洗い出す
現在、プロジェクトマネージャーとして価値を感じることを10個、あげる
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)

ステップ4:プロジェクトマネージャーズ憲章を書く
ここでは、過去(ステップ1)・現在(ステップ3)・未来(ステップ2)のバランスを考えながら、チャーターを作る。
まず、過去、現在、未来と一貫して挙げているものを探す。これがあなたのもっとも重要な価値観である。次に、過去にあげたもので、現在に挙げていないものについて、もう一度、重要性を考えてみる。それがあまり価値がなくなったものであればOKだが、もし、初心を忘れているのだとすれば、重視する。次に、現在と未来で重なっているものを探す。これも中心的な価値観になる。最後に、未来にのみ、登場したものについて再度、憲章に入れるべきかどうかを検討する。
以上の手順で憲章を書く。

書き終えたら、1日~1週間、寝かせておき、見直す。

どうだろうか?あなたの根っこにある価値観や意志は整理できただろうか?もし、こ
れだと思えなければ納得がいくまでステップ4を繰り返せばよい。それでもできない
場合は、ステップ1~3に戻る。この際には先輩や同僚に相談してみるのもいいだろ
う。

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 バックナンバーの購入はこちらからできます。

 http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/09/P0000985.html

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。