PMサプリ202:何が目的か、何を実現しようとしているか、なぜ行うかを問う
知識労働の生産性の向上を図るうえで問うべきは、何が目的か、何を実現しようとしているか、なぜ行うかである(ピーター・ドラッカー)
◆仕分けの視座
◆「無駄はない」という主張
◆プロジェクト仕分け!?
◆視座が違えば、合理性が無駄になる
◆知識労働の無駄排除には仕分けが有効!
知識労働の生産性の向上を図るうえで問うべきは、何が目的か、何を実現しようとしているか、なぜ行うかである(ピーター・ドラッカー)
◆仕分けの視座
◆「無駄はない」という主張
◆プロジェクト仕分け!?
◆視座が違えば、合理性が無駄になる
◆知識労働の無駄排除には仕分けが有効!
◆何故世界一じゃなければダメなんですか?
昨年、あるプロフェッショナルエンジニアの電子コミュニティに事業仕分けについてのストレートな意見を書いたら、ぼろくそに言われた。ブログに書くと収拾がつかなくなるかもしれないという不安で控えていたが、そろそろ、ほとぼりが冷めてきたので、この話題を解禁することにした。
何故世界一じゃなければダメなんですか?2位ではダメなんですか?
次世代スーパーコンピューターの開発を巡る事業仕分けでの、仕分け人の発言だ。
仕分け人は、「有識者」から、袋叩きにあった。「歴史という法廷に立つ覚悟があるのか」とまで言われた。結局、予算案では、40億円減の228億円で決着。
仕分けに対して否定的な意見を聞いていると事業仕分けがやろうとしていることに誤解があるのではないかと思う。事業仕分けでやろうとしていることは、専門的な議論ではない。マネジメントである。
◆プロジェクトをとりまく環境の変化
プロジェクトマネジャーの重要な資質の一つはリーダーシップである。プロジェクトマネジャーの個性による違い、組織の特性によって求められるもの違いによって、スタイルの違いはあれ、プロジェクトマネジャーはリーダーであることを求められる。
この前提になっているのは、プロジェクトの成功はプロジェクトマネジャーに依存することである。この前提は、現在も将来も正しいと思う。同時に、プロジェクトを取り巻く環境が変わっていることも理解しておく必要がある。
プロジェクトの成功がプロジェクトマネジャーに依存するという前提と書いたが、もっと正確に書くと、「リーダーとしての」プロジェクトマネジャーに依存している。もちろん、組織は「リーダーの育成」という責任を持つという前提の上での前提である。
可能性を求める姿勢によって、心構えが永遠に変わるし、それが成果や結果をも左右する (ケン・ブランチャード、ケン・ブランチャード社CSO)
【成分】
◆あなたならどういう態度をとりますか?
◆管理職 vs マネジャー リーダー
◆相互の見方
◆可能性を求めるか、評価をするかで結果が変わる
◆現実指向のポジティブ思考でいこう!
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管理のメカニズムを、本質や哲学と混乱してはいけない(フレデリック・テイラー)
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◆テイラーの科学的管理法
PMサプリもおかげさまで、今回で200話になる。200話ということで、少し、重みのある言葉を探して、見つけたのがこれだ。フレデリック・テイラーが1911年に著した「科学的管理法」からのフレーズである。
現代では、科学的管理法の評判は決してよいものではない。もっとも批判されているところは、人間を機械として扱っているという点だ。テイラーは科学的管理法の父と呼ばれるが、マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーは著書「マネジメント」の中でテイラーを以下のように称している。
テイラーは、労働の生産性を押し上げ、それによって労働者たちにまずまずの暮らしをさせたいと願ったわけだ
管理のメカニズムの本質とは労働の生産性の向上であり、労働によって得られる対価
を引き上げることであった。日単位の出来高払いの仕事の中で、労働者はテイラーの
科学的管理法の指導を受けて作業方法を変えることによって、生産性を向上すること
ができ、それによって従来よりははるかに多い報酬を手にすることができた。
模範的フォロワーは独自のクリティカルシンキングを持ち、リーダーやグループを見きわめ、自主的に行動する (ロバート・ケリー、リーダーシップ研究者)
◆リーダーシップ vs フォロワーシップ
◆優れたリーダーと優れたフォロワー
◆日本的なプロジェクトマネジメントとフォロワーシップ
◆日本型のマネジメントの特徴
◆意をくんで動く
◆日本型マネジメントのメリット・デメリット
◆「コントロール」 vs 「現場の巻き込み」
◆フォロワーシップがあってはじめてよい仕事ができる
【効用】
・PM体質改善
PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
モチベーション向上
このサプリを服用したい方はこちら。
量をたくさんこなしていることで経験知がついて、ちょっとした差異に対する感覚が拓かれてくる(齋藤孝、明治大学教授)
◆違和感のチカラ
◆経験に対する認識の変化
◆経験自体に無条件の価値はない
◆持論は経験の魚礁
◆経験を概念化することによって、経験の意味が生まれる
【効用】
・PM体質改善
計画力アップ、リスク管理力アップ、問題解決能力向上
・PM力向上
リスク対応力向上、プロ意識の向上
・トラブル緩和
弱気克服、モチベーション向上
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◆フォロワーシップという考え方
「フォロワーシップ」という概念がある。くどくど説明するより、リーダーシップの逆の概念だと思ってもらうのがいいだろう。この概念は、1980年代に、リーダーシップの研究者だったロバート・ケリーが提唱し、1992年に「The Power of Followership」という本にまとめた。この本がバイブル的な位置づけになっている。
2~3年前から、日本でも着目する人が増えてきた。
ただ、リーダーシップが普及の初期において、「上司力」だと限定的に考えられていたように、現在のところ、「部下力」であると限定的に考えている人が多い。ロバート・ケリーが指摘しているように、リーダーシップがリーダーが目標とするものであるのに対して、フォロワーシップは「不快感」を与えるものである。従って、部下力と限定されているのではないかと思える。
◇プロジェクトの3つの見方
プロジェクト活動を企業にとって有意義なものにするためには、デザインにおいてプロジェクトに対して3つの見方をしてみる必要がある。その3つとは
(1)視座
(2)視野
(3)視点
である。
最初の視座とは、誰がどのような目的を達成するために実施するプロジェクトかという見方だ。二番目の視野とは、そのプロジェクトをどのような範囲、どのような時間で捉えるかという見方だ。三番目の視点はよく使われるとおり、そのプロジェクトにどのようにアプローチしていくか、言い換えると目標をどのように設定するかという見方だ。
現場のプロジェクトマネジメントでは、視点が重視されている。しかし、視座や視野も持ち込まないと、経営的な成果は上がらない。
すべてのトランジションは何かの「終わり」から始まる。私たちは新しいものを手に入れる前に、古いものから離れなければならない(ウィリアム・ブリッジズ、コンサルタント)
◆トランジション=人生の転機
◆新しいものをうまく見つけられるかどうかがポイント
◆プロジェクトマネジャーになることは大きなトランジション
◆人を使ってやる
◆自分で決める
◆終わらないと始まらない
【効用】
・PM体質改善
PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
モチベーション向上
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好川哲人
技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。
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