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2019年8月21日 (水)

【新連載!】本質カフェ~第3回 常識に縛られる原因の本質(テーマ2)

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◆課題2
課題2は、ビジネスっぽいテーマにします。テーマは、
「なぜ、常識に縛られるのか」
です。日本の多くの企業にある停滞感の原因の一つは、常識に縛られていることだと考えられます。では、この問題の本質はなんだろうというのが課題です。
 
◆組織の中での問題
この議論は結構、いろいろな意見があります。まず、組織の中での問題から考えてみます。ずっと昔から指摘されているのは、
・上位者に逆らうと後が怖い
・組織の中で異論を唱えられる雰囲気ではない
・議論する習慣がない
・自分の意見を持たないし、持ちたくない
・ものの見方が固定されている
・常識として不文律がある
・常識に縛られて一人前だと認められる
・常識から外れると相手にされない
・新しいことを考えなくない
・新しいことをやりたくない
・自分たちの世界ではという考えがすべてを正当化している
・仕事だからという束縛に縛られている
・・・
といったことがあります。
組織の中で常識にとられれている背景にあるのは、組織の階層や慣行が多いようです。では、なぜ、階層や慣行が常識に縛りつけるのでしょう。そこには、まず、同じ利害を持つ人が集まっている、つまり、みんなで協力して利益を上げるのが組織だという思いがあります。この是非についてはまた別途、議論したいのですが、とりあえずそうだとして、だから同じようにものごとをみて、同じように考え、同じように行動すべきだという思い込みがあります。これは高度成長期の発想で、いま、このような考えでは通用しません。
ということには組織の中で、かなりの割合の人が気づいていますが、それでも常識を優先しようとする人がほとんどです。その理由は
「責任を取りたくない」
という問題があるように思います。これがこの問題の本質で、常識に縛られず、自由に発想し、成果を上げるようにするにはこの問題を解決することです。ただし、それは無責任でいいとか、責任を上位者がとるということではありません。一言でいえば、パーパスを明確にし、チームや個人の活動の意味付けをすることでしょう。

◆一般的な問題
さて、もう少し、組織を超えて広い範囲で考えても常識に縛られることはよくあります。例えば、
・相手が同じように考えていると思い込んでいる
・みんなが同じように考えなくてはならないと思っている
・ルールには無条件に従わなくてはならないと信じている
・批判的に考えない
・創造的に考えない
・仕事だからということがすべての正当化になっている
・社会人だからという束縛に縛られている
・目に見える範囲でしかものごとを考えていない
といったことがよく指摘されます。
このような問題が起こる理由はいろいろとありますが、根底にある問題は
「一人一人が考え、みんなで考えない」
ことではないでしょうか。一人で考えると自由に考えられるような気がするかもしれませんが、実は常識が大きな束縛になります。考えることに対して慎重になるためです。
組織の中で自由に議論するのは難しいと感じている人も多いとは思いますが、組織の中で上に示したような制約があったとしても、やはり、みんなで考える方が意見の多様性が生まれ、常識に縛られない意思決定ができる可能性が高まります。

◆解決すべき本質的問題
結局のところ、組織であっても、一般的な議論としても、解決すべき本質的な問題は、一人で考えることだと考えられます。この問題は非常に厄介な問題で、真にみんなで考えるためには、単にワークショップ的なものを導入したり、ファシリテーターを準備するだけでは不十分です。
この10年くらい、組織の問題を踏まえ、問題を回避するような議論の仕方がどんどん登場しています。結局、最後には常識に縛られることも少なくありませんが、どんな場でもみんなで考えることが習慣になれば、常識に縛られることは減ってくることが期待されます。

◆課題3
科学技術・IT担当大臣に竹本直一氏が就任しました。竹本大臣は
「一方に印鑑という日本古来の文化があり、他方にデジタルガバメント、究極の目標であるデジタルの社会がある。知恵を絞って考えたい」
と抱負を述べ、有識者の中にはデジタル化が遅れるのではないかと心配している人もいます。この問題を勘変えるには、はんこ文化の本質は何かがカギになります。
そこで課題3は
「はんこ文化」の本質はなにか
とします。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。