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2017年6月

2017年6月26日 (月)

【コンセプチュアル思考によるイノベーション】第3回 大局と分析の行き来でエクセレントな現場を創る

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Toyota

◆トヨタ生産方式とは

今回は、日本のイノベーションの中で国際的な影響を与えたという点では、ベスト3に入るのではないかと考えられるトヨタ生産方式について分析してみたいと思います。

トヨタ生産方式は、「豊田式汽力織機」の「自働化」と、トヨタ自動車の「ジャスト・イン・タイム」を柱とするマネジメント方式です。生産管理の考え方というより、経営思想だといってもよいでしょう。

「自働化」は1950年代に考案されたもので、ニンベンのついた自働化とも呼ばれます。機械自身に異常の有無を把握する機能を組み込むことにより、機械異常が発生した場合には機械及びラインを停止し、後工程への不良品の供給を回避する考え方です。

「ジャスト・イン・タイム」は、1960年代に考案されました。生産工程の各段階に、必要なものを、必要な時に、必要な量だけ運ぶことにより、造りすぎのムダをはじめとするさまざまなムダを排除し、リードタイムの短縮化とともに生産効率の改善を実現しようとする考え方です。

トヨタ生産方式は、これらを動かす「人」を育成することにより初めて実現するものであり、これまでの常識にとらわれない意識改革が重要と考えられています。

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2017年6月 8日 (木)

【コンセプチュアル思考によるイノベーション】第2回 抽象と具象の行き来でイノベーティブなコンセプトを作る

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Kuroneko

◆宅急便の例

前回、お話ししましたように、本連載では、コンセプチュアル思考によってイノベーションを生み出していく方法を考えていきます。

まず最初は、抽象と具象の行き来を中心に考えてみたいと思います。この軸の使い方の一例として、前回はiPhoneを考えてみましたが、そこで述べました通り、組み合わせや工夫を抽象的なレベルで行うところにポイントがあるように思います。

これは言い換えると新しいコンセプトを作るということに他なりません。私がこの50年くらいで最高のサービスイノベーションだと考えているヤマト運輸の他急便を例にとって考えてみましょう。

ヤマト運輸の小倉昌男社長は小荷物配送に挑戦するかどうかを考えていました。悩みは、小荷物配送は大口運送に比べて効率が悪く、損益分岐点を超える荷物をいかに確保するかでした。

たまたま出張していたマンハッタンのある四つ辻の道路に米国の貨物運送会社ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の4台の集配車が止まっているのを目にしました。これを見て小倉氏は区割りを小さくすれば小荷物配送の効率を上げることができることに気づいたのです。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。