【プロジェクトリーダーのためのコンセプチュアルスキルノート(2)】コンセプチュアルなプロジェクトリーダーは常にWHYを考える
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◆プロジェクトはWHATから始まる
今回は、WHYについてである。
プロジェクトマネジメントの基本で習うように、プロジェクトはWHATから始まる。これは事業や業務のオペレーションとして、何をすべきか明確であり、それをスコープとしてプロジェクトとして行うという位置づけによる。そして、最初に決めたWHATでロジェクトを定義し、4W2Hを明確にし、プロジェクトを計画する。
たとえば、製品開発であればビジネスケースが決まったところでプロジェクトが定義され、立ち上がる。
◆WHYから始めるアジャイル
しかし、最近のプロジェクトはこの順序が通用しないものが増えてきた。たとえば、アジャイルのプロジェクトである。アジャイルのプロジェクトではプロジェクトを進めながらWHATを決めていく。
その場合、明確にしなくてはならないのは、WHATではなく、WHYである。なぜ、そのプロジェクトをやるのか、なぜその成果物(システム)が必要なのかを明確にしておかないと、プロジェクトが進んでいるうちにぶれてしまう。
ただし、アジャイル開発で行うようなケースは、そうはいいながらある程度、ビジネスケースが決まっているケースが多い。プロジェクトマネジメントでいうところのローリングウェブとそんなに大差ないと言ってもいいだろう。しかし、もっと極端なケースもある。たとえば、イノベーションプロジェクトである。
◆WHATを考える必要がないプロジェクト
イノベーションのプロジェクトでは、WHATは結果であり、問題になるのはWHYである。なぜ、その活動(プロジェクト)をやるのかを明確にするが、WHATにはこだわらない。何が生まれるか、どんなカテゴリーの製品やサービスが生まれるかわからなくても問題ない。むしろ、そこには大きな可能性があった方がよい。
日本企業でイノベーションがなかなかうまく行かないのは、最初にWHATを決め、ビジネスケースを決めようとするからだ。そうではなく、まず、WHYから決める。そして、WHYを満たすWHATを探していく。
このような考えで成功したプロジェクトは米国ではたくさんある。たとえば、iPhoneがそうだ。何を作るかは定かでない。携帯電話かというとそうとも言い切れない。
「生活を変える」というWHYだけがはっきりしていた。そして、WHYを達成できたところがゴールだったわけだ。あるいは、facebookやGoogle Mapなどもそうだった。
◆コンセプチュアルなプロジェクトマネジャーは常にWHYを考える
WHYの2つの位置づけを述べてきたが、いずれにしても、コンセプチュアルなプロジェクトマネジャーは常にWHYを考え、WHYに基づいてプロジェクトを操ることを求められる。もちろん、スコープに関してだけではない。
たとえば、スケジュールを立てるときに、なぜ、そのスケジュールなのかを明確に説明でき、スケジュールを自由に操れる。コストを見積もるときに、なぜそのコストなのかを明確にでき、コストを自由に操れる。要員を調達するときに、なぜ、その要員が必要なのかを明確にできなくてはならない。すべて過去の実績に基づくというのが通用しない世界でである。
このように常に、WHYを追求していくことと、前回述べた本質を見極めてマネジメントしていくことは深い関係がある。スコープ、スケジュール、コスト、要員などに対して、すべてのWHYが交差するところにプロジェクトの本質が見えてくる。本質を見極め、本質に外れたことはやらない。
プロジェクトの本質を常に考えながら、プロジェクトをマネジメントできるプロジェクトマネジャーになろう。
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【カリキュラム】
1.本質を洞察し、応用する
2.本質を見極めるスキル
3.コンセプチュアルに考える5つの思考
4.洞察力を高める
5.応用力を高める
6.思考をコンセプチュアルにするツール
7.コンセプチュアルが行動を変える
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