« 【メルマガセミナー】コンセプチュアルな人になろう! | メイン | 【イノベーション戦略ノート:017】「借りる」をやめる »

2013年8月27日 (火)

【イノベーション戦略ノート:016】戦略とイノベーションは同義である

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆戦略とイノベーションの本来の位置づけSenryaku2
これまでも何度か、戦略実行とイノベーションは同じことを言っていると書いてきた。今回は、これについてもう少し、詳しく論じる。

まず、戦略とイノベーションの本来の位置づけは、戦略実行において必要なイノベーションを実行するというものである。たとえば、向こう3年間で30%の売り上げを伸ばすという経営計画を立てたとしよう。この30%を実現する戦略を作るわけだが、たとえば、生産台数を増やす、派生製品数を増やす(製品強化)、営業マンの人数を増やす(営業力強化)、チャネル数を増やす(チャネル強化)といった戦略を作る。

このような既存の方法で量を増やす戦略だけで十分でなければ、いよいよ、イノベーションの登場となる。新しい技術を開発し新技術を売りにした製品を開発する、これまでとはコンセプトもターゲットも異なる製品を開発する、既存の製品のターゲットを変える、製品を組み合わせて新しい製品として販売していくなどさまざまな方法がある。



◆ビジネスのスピードが速くなり、ライフサイクルが短くなると、、、

さて、ここで問題になるのはビジネスのスピードであ る。ひとつの商品のライフサイクルは明らかに短くなっている。経産省の「ものづくり白書(2007年版)」はライフサイクルの短縮化の問題に言及してい る。例えば家電でいえば2002年から2007年までの5年間でライフサイクルは70%以下になっている。ライフサイクルの長さは製品によって異なるので 一概に期間を言えないが、派生製品も含めて3年間(36か月)収益力を持っていたとすると、2年1ヶ月に短縮されているわけだ。

この1年 弱の違いは大きい。仮に1年間は新規性で売れるとすれば、残り2年は派生製品を投入したり、さまざまな改善、営業力の強化などで量を求めていく。これが基 本的な戦略になる。投資の回収も終わり収益につながるところで、この期間が半分になると、収益も半減するので、戦略としてあまり筋によいものにはならな い。


◆ライフサイクルの短縮化に対応するには連続的なイノベーションが必要

この問題を解決するには、回収の短期化と同時に、連続的にイノベーションを行っていくことが不可欠である。つまり、戦略はイノベーションから構成される形になる。問題はホームランは続かないということだ。

ここで、第6回で説明したイノベーションのタイプの話を思い出してほしい。

【イノベーション戦略ノート:006】イノベーションを分類する(2)
https://mat.lekumo.biz/ppf/2013/06/006-9b98.html

イノベーションには

・インクリメンタル
・セミラディカル
・ラディカル

の3つがある。

戦略=イノベーションとするには、この3つのイノベーションをうまく組み合わせていくことが必要である。


◆ラディカルイノベーションとインクリメンタルイノベーションを組合せる

もっ とも正統な方法は、インクリメンタルイノベーションが繰り返しているうちに、ラディカルイノベーションを起こすというパターンだろう。このパターンは自社 でインクリメンタルイノベーションとしてビジネスモデルに改善を加えていき、業界で新しい動きが起こったときに、新しい製品やサービスをまったく新しい方 法で提供するというパターンである。

もっとも、そう都合よくインクリメンタルイノベーションとラディカルイノベーションを組み合わせることは難しい。そこで、自らラディカルイノベーションを仕掛け、業界に変革を起こしていく役割も担うことが必要となる。

そのためには、イノベーションを仕掛ける分野をよく考える必要がある。技術的に自社が優位性を持っている、つまり、自分たちが動けば競合も動かざるを得ない分野でイノベーションを仕掛けることが不可欠になるだろう。

コメント

コメントを投稿

PMstyle 2024年11月~2025年3月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Googleメニュー

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google

最近のトラックバック

Powered by Six Apart

プロフィール

フォトアルバム

好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。