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2012年10月23日 (火)

【インターパーソナルスキル・エンジン】第7回 チームマネジメントとチームビルディング(2)~チームビルディングへのアプローチ

◆チームビルディングへのアプローチ

Term前回は最近増えているバーチャルチームのマネジメントについて述べた。今回は、バーチャルチーム、コロケーションチームの両方に共通のチームビルディングのアプローチについて述べる。

チームの形態に関係なく、チームビルディングには以下のような方法が有効である。

(1)ロール&レスポンシビリティを明確にする
(2)ビジョンの実現とその優先順位を理解する
(3)成功のステージを設定する
(4)共創的なリーダーシップを確立する
(5)チームをベースにした報奨と承認の仕組みを導入する
(6)意志決定にチームを巻き込む
(7)ストレスマネジメントを行う
(8)人の問題を監査する


◆ロール&レスポンシビリティがチームの前提になる

まずは、ロール&レスポンシビリティを明確にすること。メンバーの一人一人の役割とレスポンシビリティ(実行責任)を明確にすること。一般的な手法としては、RAM(Responsibility Assignment Matrix)を使って行われることが多いが、意外とできていないプロジェクトが多い。役割と責任を明確にすることは、役割や責任を超えて、メンバーを助け、真のチームとして機能するための前提条件になる。

次は、組織のビジョンを理解し、自分たちのプロジェクトの優先順位を理解することだ。プロジェクトチームが機能するには、自分たちのチームの理解を共有し、その上で、相互に協力することが不可欠である。


◆モチベーションを維持する方策

三番目はモチベーションの問題である。プロジェクトは長丁場である。その中で、成功だといえるゴールだけ決まっていても、なかなかそこにはたどり着かず、欲求不満がたまることが多い。そこで重要になるのが、これがクリアできればここまでは成功というステージを作っていくことだ。大きなところではマイルストーンがそうであるが、マイルストーンが長い場合には、もう少し小さな中間成果物に注目し、成功のステージを定義することが望ましい。

四番目はメンバーのリーダーシップの問題である。プロジェクトチームでは、すべてのメンバーがリーダーシップを発揮してほしい。その中で、お互いに協力しながら、仕事を進めていくようなリーダーシップであることが望まれる。

5つ目は報奨や承認の問題である。プロジェクトに参加するメンバーは、誰もが他人から認められること(承認されること)を望んでいる。逆にいえば、個々人が認められることは快く思わない。あくまでもチームとして認め、報奨することが重要である。その際、個々人のパフォーマンスは問題にならない。

この前提になるのは、チームの多様性である。5人のチームで、仕事を五等分し、5人とも同じことをやっていると個人のパフォーマンスの差が出るし、全体として効率がよくない。5人いれば、5人が異なる作業を担当するようなロール&レスポンシビリティを与えることが重要である。


◆意思決定に巻き込む

六つ目は、意思決定の方法に関するものだ。チームビルティングをうまく進めるには、メンバーの一人一人が意思決定に参加し、自己決定感を持つことが重要である。

七番目はチームをばらばらにする阻害要因を排除することで、特にストレスマネジメントが重要だ。チームが別段問題がなくても、個々人が持つストレスでチームが崩壊しているケースは多い。

この問題は極めて重要である。チームビルディングに一生懸命取り組んでも、ストレスがすべてを無にしてしまうようなケースがあるからだ。

最後は、人の問題を客観的な視点から見ることである。人の問題は、人によってとらえ方が違う。チームがうまく行かない根源的な問題だといってもよい。そこに対して、第三者が介入し、問題を解決していくことは問題をこじらさないためにも重要であるし、ストレスマネジメントの観点からも重要である。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。