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2012年8月24日 (金)

【インターパーソナルスキル・エンジン】第6回 コンフリクトの解消と合意形成(2)~競争と譲歩

Kyousou2◆戦略の選定

前回、コンフリクトの解消方法には

・競争する
・協調する
・回避する
・譲歩する

の4つがあると述べた。この4つは、交渉を「結果重視」で行うのか、「関係重視」で行うのかについてマトリクスを考えてみると出てくる。つまり、

・結果重視 競争
・関係重視 妥協
・関係重視×結果重視 協調
・どちらも重視しない 回避

これを、二重考慮モデルという。以下、それぞれの戦略について簡単に説明していく。

◆競争型交渉の特徴

まず、競争であるが、固定的な量の資源の分割することが前提になる。そして、相手の犠牲において自己の目標を達成することを追求する。交渉の動機は、自己の利益の最大化である。

競争型の競争を進める場合には、自分のニーズは明確である。しかし、自分のニーズは隠したままで進める。場合によっては、自分のニーズに関する嘘の情報を提示する場合もある。

交渉に臨む態度としては、攻撃的であり、脅迫、脅しを使っても優位に立とうとする。問題解決行動は基本的には必要ないが、あくまでも立場に固執しているように見せることが重要である。

成功のポイントは、相手が持つ悪いイメージが高めることによって、敵対心が強まり、見方の忠誠心を高めることにある。


◆競争型交渉のポイント

競争型の交渉が行われるのは、たとえば、価格交渉である。価格交渉でポイントになるのは、

・目標点:買い手が交渉をまとめたい目標金額
・抵抗点:これ以上だと変えない(買い手)、これ以下だと売れない(売り手)
・言い値:売り手が最初に示した金額

の3つの金額である。交渉の余地があるのは、買い手の抵抗点が、売り手の抵抗点より、高い場合だ。その場合に、買い手は以下のような戦略を取る。

【戦略1】
売り手の抵抗点のできるだけ近くに交渉点を押していき、交渉幅ぎりぎりまでの妥協を獲得する

【戦略2】
売り手に商品の価値について納得させ、抵抗点を変更させ、交渉幅を広げる

【戦略3】
顧客に追加開発にかかる費用が現実に可能で、最善のものだと納得させる

また、買い手の抵抗点が、売り手の抵抗点より低い場合には、以下のような戦略を取る。

【戦略4】
・売り手を説得して抵抗点を変更する
・自身の抵抗点を引き下げ、交渉幅を作る


◆譲歩について

譲歩は、交渉の中心的な戦略になることがある。関係を重視したい場合だ。譲歩を戦略とする場合には、以下のような点を考慮する必要がある(ドナルド・ヘンドンによる、譲歩のガイドライン)。

・譲歩を行う余裕をあらかじめ作っておく
・まず初めに相手のニーズ、目的を相手から洩らさせるように努める
・小さなことではこちらが最初に譲歩し、大きなことでは最初に譲歩しない
・大したことではないことで譲歩し、それを実際より価値あるように見せかける
・こちらの譲歩の一つ一つに相手に汗をかかせる
・こちらの譲歩の一つ一つにトレードオフして見返りを得る
・一般的に譲歩はゆっくり、一つ一つの譲歩はちびちび行う
・相手にこちらの交渉期限を洩らさない
・たとえ予備的な交渉であっても譲歩を撤回するときは注意を払う
・交渉中に受けた譲歩は記録にとって相手のパターンを読む
・譲歩は何度も、すぐに、たくさんしすぎてはならない


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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。