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2012年7月13日 (金)

≪サプリ323≫「51:49」でもウェート付けをする

どっちも大事というのとウェートをつけるというのは似ていてるけど非常に大きな違いがある
(柳川範之、東京大学大学院経済学研究科教授)
Supple

【成分】
◆51:49でもウェート付けは必要
◆プロジェクトにおけるウェート付け
◆顧客満足のためにウェートづけができない?!
◆複数の目標があると、目標を決めないという思考特性から脱却しよう

 

【効用】
・PM体質改善
リーダーシップ発揮、バランス感覚の洗練
・PM力向上
ステークホルダをコントロールする力の向上、チームをまとめる力の向上
・トラブル緩和
不要なトラブルの回避

このサプリの購入はこちらから!1か月分、500円です。

【解説】

IT企業のプロジェクトマネジメントのコンサルの中で、何度となく繰り返した問答が、

・プロジェクトに優先順位はつけれない。どの顧客も同じように大切だ。
・成果物の機能に優先順位はない。契約している以上、すべて重要だ。

とい問答です。

また、QCDSの優先順位を巡っては、品質が絶対という意見によく遭遇します。

この2つの現象の共通点は、複数の目標があった場合には、目標を設定するのをやめてしまうことです。最初の例は、目標の放棄だというのはよく分かると思います。

二番目は、一見、品質絶対という目標を設定しているように見えるかもしれませんが、プロジェクトの目標は品質だけではなく、スコープ、コスト、スケジュールといろいろとあるわけで、これらについては考えないでおこうということです。QCDSにはトレードオフがありますので、品質絶対という目標は、CDSの優先順位を決めない限り、意味のない目標になり、結果として品質も含めてプロジェクト目標を達成できない結果に終わることになります。たとえば、品質が出ないときに、納期を延ばすのか、スコープを削減するのかの適切な判断ができないわけです。

優先順位がつけれない背景にあるのは、情報を集めれば、真実がはっきりしていくという思い込みにあります。優先順位をつけるには、情報が足らない。だったら、無理に優先順位をつけないで、すべての目標を同じように扱おうというわけです。

この発想のどこが変かというと、情報を集めれば真実がはっきりするというところです。どんなことでもそうですが、これはほとんど誤解です。情報を集めるのは真実をはっきりするためではなく、もっともらしいものはどれかを決めるためです。言い換えると、真実をはっきりさせるために情報を集めているのなら、永久に情報を集めるだけで終わってしまうでしょう。

優先順位というのは、一種のキメです。複数の目標がある時に優先順位を決めないことは一種の不作為であり、責任の放棄です。

そんな問題意識で書いたサプリです。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。