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2012年3月

2012年3月 6日 (火)

【PM2.0事始め】第18回 プロジェクトマネジメントに必要な意志決定

◆分析と決定は違う

Fa前回は、プロジェクトライフサイクルの中でどのような意志決定が必要になってくるかを整理した。前回の記事に対して、「決定ではなく、分析ではないかという質問を戴いた。今回はこの点について述べておきたい。

このような誤解が生じやすい典型例はリスクである。どのようなリスクがあるか分析して出てくるものであって、決定するものではないと思う人が多いと思う。あるいは、分析結果=決定だと思っている人が多い。

これは半分正しく、半分正しくない。正しい部分は、リスクの候補(「不安事」)は情報収集や分析によって発見されることが多いということだ。分析の方法は、過去の事例であったり、プロジェクトのSWOT分析やステークホルダ分析(現在)であったりする。そのプロジェクトのシナリオ分析(未来)であったりする。そして、発見されたものの一部がリスクとして識別される。そして、それらについては分析され、対応が決定される。

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【戦略ノート281】続・未来志向のプロジェクトマネジメント

◆アージリスのダブルループ学習

Miraiクリス・アージリスという学者がいる。教育学者であり、かつ、ハーバードビジネススクールで教鞭をとっていた。人の学習や、それを可能にする組織にあり方についてさまざまな成果を残している。

ほとんどの人が、アージリスの名前を最初に知るのは、ダブルループ学習ではないかと思う。ダブルループ学習は、学習するには、方法する仕方も学ばなければならないという指摘をしたものだ。アージリスの指摘は組織学習に関するものだが、金井壽宏先生はアージリスのダブルループ学習は個人にもあてはまると指摘されている。

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2012年3月 5日 (月)

【10周年】一流のプロジェクトマネジャーは持論を持つ

Jiron2仕事柄、プロジェクトマネジャーの評価をすることがあります。評価をするときに、もっとも注目するのは、スキルでも、コンピテンシーでも、経験でもありません。プロジェクトマネジャーとしての「持論」を持っているかどうかです。

なぜでしょうか?

スキルやコンピテンシーは開発する必要がありますが、学習できるかどうかの決め手になるのが持論を持っているかどうかです。プロジェクトマネジャーに必要なスキルは極めて多く、要求されるコンピテンシーも広範です。それらを完全に身につけることは不可能です。

つまり、自分のスタイルを決めて、必要なスキルやコンピテンシーを見極め、それらを磨いていくという方法をとらないと、スキルやコンピテンシーは開発できません。そのスタイルを決めるのが「持論」です。

経験については、時間がたてば経験を積むことができますが、プロジェクトマネジャーを担当するだけでは経験にはなりません。経験を経験として活かすには、自分のやり方を持ち、経験によってやり方を改善していく必要があります。自分のやり方=「持論」と言うわけで、ここでもやはり、持論がポイントになります。

このような考えで、PM養成マガジンはできるだけ、読者の方が持論を持てるように働きかけていますが、10周年記念ということで、「持論を作る」アクティビティを行うことにしました。

持論を持ち、自分を成長させていきたいと思うプロジェクトマネジャーの方の参加をお待ちしています!

参加費は無料ですが、簡単な参加要件があります。参加方法など、詳しくはこちらをご覧ください。

第2弾:アクティビティ「持論を持とう!」

また、長いプログラムですので、スケジュールの確認もお願いします。

2012年3月 2日 (金)

【戦略ノート280】アカウンタビリティを逆転させる

Pyramid◆アカウンタビリティとレスポンシビリティ

われわれが(プロジェクト)マネジメントの仕組みづくりコンサルティングを行う際に、徹底的にこだわっていることがある。それは、マネジャーや経営スタッフのプロジェクトチームやプロジェクトリーダー、プロジェクトメンバーに対するアカウンタビリティである。

アカウンタビリティ。説明責任という訳が一般的だが、業績責任の方がしっくりくるので、日本語で表記するときには業績責任という言葉を使っている。これだけの説明では漠然としているので、ちょっとだけ説明しておくと、プロジェクトに必要な責任には、レスポンシビリティとアカウンタビリティがある。レスポンシビリティは、チームメンバーの実行責任の意味で、RAM(Responsibility Assignment Matrix)で定義される。これに対して、アカウンタビリティはプロジェクトに設定した目標、あるいは、プロジェクトに課せられた目的を達成する責任である。詳しくは、戦略ノート131を読んで欲しい。

戦略ノート131

レスポンシビリティとアカウンタビリティ

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。