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2011年7月

2011年7月29日 (金)

【戦略ノート260】大規模プロジェクトのマネジメントには概念化スキルが不可欠

◆マネジャーの3つのスキル

ハーバード大学教授のロバート・カッツは、マネジャーの能力を

(1)テクニカル・スキル、
(2)ヒューマン・スキル
(3)コンセプチュアル・スキル

の3つに体系化した。

テクニカルスキルは業務スキルで、プロジェクトマネジャーであれば、PMBOKのようなものだ。ヒューマンスキルは、コミュニケーションスキル、交渉スキル、モチベーションスキルなど、人間力に相当するものだ。コンセプチュアルスキルは概念化スキルとも呼ばれ、物事を概念化して捉えたり、抽象的に物事を考えたりする能力のことである。

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2011年7月25日 (月)

PMO2.0のためのパフォーマンスコンサルティング入門(6)~パフォーマンスコンサルティングの問題解決プロセス(後)

◆はじめに

前回は、パフォーマンスコンサルティングの問題解決プロセスのSTEP1として

・ビジネス成果のあるべき姿
・パフォーマンスのあるべき姿

について述べた。次のステップは、現状を分析し、ビジネス成果とパフォーマンスのギャップを明確にすることである。

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2011年7月24日 (日)

【補助線】アナログ放送の終了日にプロジェクトXについて考えた

◆テレビの紆余曲折

今日でアナログ放送は終了。歴史的な日だ。

テレビで、いろいろと回顧特集をやっていた。その中で、たかじんの「そこまで言って委員会」で、田原総一郎さんや、池田信夫さんがでてきて、レギュラーメンバーと面白い議論をしていた。口火を切ったのは、田原氏。田原氏が社会に出た時代のテレビというのは、新聞社を落ち、出版社を落ち、でもマスコミにという人がテレビに行った。格も低く、テレビだから(仕方ない)という理由で何でも許された。イロモノだ。そういう時代だったそうだ。

池田信夫さんの時代は、テレビは根付き、よい人材が入ってくるようになってきた。そして、テレビは全盛期を迎える。特に、NHKはアカデミックな人たちも含めて、出演がステータスになったそうだ。

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2011年7月20日 (水)

【補助線】PM1.0とPM2.0との違い

プロジェクトの区分はさまざまな方法があるが、プロジェクトマネジメントを考慮したときに、

・ゴール(目標)
・ソリューション(目標達成方法)

に注目して整理すると分かり易い。


つまり、プロジェクトの目標(ゴール)が明確かどうか、および、目標の達成方法(ソリューション)が明確かの2軸でプロジェクトを区分するわけだ。

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2011年7月19日 (火)

サプリ275:物語なき数字は意味がない

数字なき物語も、物語なき数字も意味はない(御手洗富士夫、キヤノン会長)

【成分】

◆注目されるストーリー
◆計画に意図はあるか
◆計画とストーリー
◆ワークパッケージレベルでストーリーを語れ

 

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【戦略ノート259】アクティブ・ノンアクションと概念化スキル

◆アクティブ・ノンアクションとは

アクティブ・ノンアクションという概念がある。2年くらい前に、プロジェクトの補助線ブログにこんな記事を書いたことがある。

アクティブ・ノンアクションという問題

簡単にいえば、「忙しいけど、忙しさに見合う成果がでない」現象をいう。スマントラ・ゴシャール先生が著書『意志力革命』で言及し、目的を伴う意識的行動をとっていないことがその原因だと指摘している

確かに、このような現象の原因に目的意識の欠如があるというのはその通りだと思うが、では、目的意識の欠如を引き起こす原因はなんだろうか。



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2011年7月15日 (金)

【戦略ノート258】失敗を重ねるプロマネに欠落する「概念的思考力」

◆エンジニアの一流と超一流の違い

エンジニアは「ものごとを具体的にモノで考えてナンボ」という商売である

と思われている。機械のエンジニア、プラントのエンジニア、ケミカルのエンジニア、ITのエンジニアなど、一流のエンジニアはすべてものごとを具体的に考える能力にたけている。

しかし、具体的に考えるだけでは、「超一流」のエンジニアにはなれない。あなたの周囲にもし、超一流のエンジニアだと思われる人がいれば、観察してみてほしい。必ず、ものごとを概念的に考えている。概念的に考えた上で、具体的な設計に落としている。なぜ、概念的に考えるのか?それは、新しいことを考えるには、理論や智慧に立ち返る必要があるからである。理論のレベルで考えて、問題を解決し、それを具現化し、具体的なものにしていく。つまり、理論という人類の共通の智慧を活用できない限り、超一流のエンジニアにはなれない。

そもそも、エンジニアの主業務である設計とは概念的な仕事である。にもかかわらず、具体的な思考だけでも優れた設計ができるには、訳がある。知識と呼ぶものである。知識にもいろいろあるが、一番簡単なものは、事例である。設計であれば事例を参考にして設計するので、具体的な思考だけでも設計できる(そこに、特徴をみた事例の選定とか、カスタマイズのところなどに、概念的思考のスパイスを振り掛ければ十分だ)。

ただ、これでは歯が立たないことがある。まったく新しいものの設計だ。いままで、企業では、この部分は超一流のエンジニアが担当していた。そして事例ができれば、一流のエンジニアでもそれを知識として使って設計ができるようになる。

僕がエンジニアだったころにそんなことを考えていた。もちろん、自分ひとりでその境地に達したわけではなく、会社で先輩からいろいろと聞かされたり、本を読んだり、大学の先生との付き合いの中でそんなことを聞いたりした。中でも、人工知能の開発の仕事に従事したときに、頭の整理ができたように思う。

しかし、このような構図はもう通用しなくなった。新しいものがどんどん求められるようになってきた。イノベーションだ。すると、新しいものを設計しなくては一流のエンジニアの地位は危うい。

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2011年7月13日 (水)

サプリ274:コントロールを手放し、新しい関係を作る

コントロールをしない関係では、信頼がその代わりを果たす。信頼で結ばれた関係を育てることができたなら、あなたがコントロールを手渡せば、渡された相手は責任ある行動をとるようになる。(シャーリーン・リー、コンサルタント)

【成分】

◆リーダーは何をどの程度コントロールできているのか?
◆コントロールするには基準と手段が必要である。
◆なぜ、戦略実行はコントロールできないのか
◆プロジェクトをコントロールする手段とは
◆コントロールできないという前提で何をすべきか
◆どのように信頼関係を築いていけばよいか
◆徹底的な情報共有に「責任」を持たせる

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2011年7月 5日 (火)

【お知らせ】ストーリーで学ぶプロジェクトマネジメント

PMstyleのfacebookページで、「ストーリーで学ぶプロジェクトマネジメント」という連載を始めました。よろしければ、お読みください!

現在3話まで進んでいます。

第1話:プロジェクトに一体感を生み出す
第2話:目線を一つ上にして考える
第3話:プロジェクトはポジティブな逸脱をするためにある!

2011年7月 4日 (月)

PMO2.0のためのパフォーマンスコンサルティング入門(5)~パフォーマンスコンサルティングの問題解決プロセス(前)

◆これまでの振り返り

第3回にパフォーマンスコンサルティングにおける問題解決(改善)の視点として、

(1)ビジネスニーズ
(2)パフォーマンスニーズ
(3)能力ニーズ
(4)環境ニーズ

の4つがあるという話をした。また、第4回では、問題解決の視座として、

・プロセスレベル
・戦術レベル
・戦略レベル

の3つがありうるという話をした。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。