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2011年4月11日 (月)

サプリ236:顧客の合理性を理解する

顧客の合理性がメーカの合理性と同じであると考えたり、同じでなくてはならないと考えるのは危険である(ピーター・ドラッカー)

【成分】
◆合理性の対立がパフォーマンス低下をもたらす
◆顧客の立場に立つとは、顧客の合理性を重んじること
◆顧客とプロジェクトビジョンを共有する
◆顧客の合理性とベンダーの合理性の両立を目指す

 【解説】
顧客とWin-Winの関係を構築し、顧客満足を高めようとする意識が年々高まってきています。一方で本質的に変わらないという違和感をもつ人も少なくありません。なぜでしょうか?

その一つの原因になっているのが、表面的なWin-Winになっていることだと思います。
表面的であるかないかの判断はなかなか難しいものがありますが、一つの基準は「ロジック」ではないかと思います。ある事実の見方は常に一つではありません。例えば、
ITプロジェクトのスケジュールが計画より遅れているとします。計画より遅れているのは事実なのですが、原因が顧客側の意思決定の遅れにあったとすると、顧客はスケジュールが遅れているという認識はあまり強くもたない傾向があります。

つまり、顧客のロジックとして

・スケジュールのコントロールはベンダーが行う
・自分たちの対応の遅れはベンダーがカバーする

というロジックをもつ顧客が少なくないのです。実際にあった話ですが、ベンダーと合意したスケジュールをベンダーが守れないのは問題だが、自分たちが守れないのは
仕方ないと開き直りとも取れる態度を取る顧客すらいます。

ただ、では、ベンダーは「顧客の責任であって、自分たちの責任ではない」と正論を言っていればいいのかというと、それは別の問題です。

顧客が対応しなければスケジュールが遅れるのはやむなしというのは、ベンダー側のロジックに過ぎないからです。もし、このロジックを外して考えるのなら、顧客に対するベンダーの対応はかなり変わってくると思われます。

Win-Winの関係とはロジックを合わせる関係です。それについてドラッカーがおもしろいことを言っています。合理性に注目しろということで。今回のサプリはこのようの問題意識で書いたものです。


【効用】
・PM体質改善
  アカウンタビリティ向上、顧客感度アップ、顧客説得力アップ、
  バランス感覚の洗練
・PM力向上
  プロ意識の向上、実行力向上
・トラブル緩和
 モチベーション向上

 

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。