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2009年8月 8日 (土)

【補助線】プロジェクトマネジメントの目的を実現する三位一体プロジェクトマネジメント

◆プロジェクトマネジメントの目的はQCDSの目標達成だけか?

語られて尽くしているようで、実は以外に語られていないのではないだろうか?以前、一度、このような記事を書いたら、考える意味が分からないというコメントを貰ったことがあるが、何をやるにしても、目的を持ってやることは前提であり、その意味でなぜ、考えるかという議論は意味がない。

さて、語られているいると考える人は

 プロジェクトを成功させること
  →成功の定義はプロジェクトごとのQCDに対する目標の達成

という方が多い。これが間違っているとは思わないが、本当にこれだけが、プロジェクトマネジメントを行う目的だろうかという疑問はある。

QCDの目標の達成というのは、ある意味で現場の目的に過ぎない。ある意味でと書いているのは、そのようなQCDに対する要求(制約)はそもそもは経営的な要求から出てきているわけだから、これが経営的な目的であることは間違いない。

が問題は、これは、目的として十分条件なのかという点。おそらく、多くのプロジェクトにおいてQCDの目標達成は現場が考える目的で、必要条件の一つに過ぎないのではないだろうか。

ちょっと脱線するが、これを必要十分条件だと考えていると、プロジェクトマネジメントなど行う必要があるのかという議論になりがちである。確かに、QCDの目標達成だけを目的とするのであれば、プロジェクト全体のことを考えなくても、開発マネジメント、プロセスマネジメントだけで十分に足りることは多いのも事実だ。

◆プロジェクトマネジメントを行う目的

もう一度、話を戻す。では、プロジェクトマネジメントを行うほかの目的にはどのようなものがあるのだろうか?必要十分条件を求めることは難しいと思うが、

・顧客を幸せにする
・売上を上げ、財務上の責任を果たす
・戦略上の目的を実現する
・リソース活用を最適化する

といったことがあるのは明らかだ。他にもあるかもしれないが、これだけで考えてみてもQCDの目標達成だけで代替することは難しいのも明らかだ。

一方で、プロジェクトマネジャーからすれば、「プロジェクトマネジメントをやるからにはこのくらいはきちんとしてよね」と言われてなんとか納得できるのは、顧客を幸せにすることと、売上を上げることくらいではないだろうか。後は自分の仕事ではないと思うのが自然だ。

◆プロジェクトマネジャーの目的が達成できるにはマネジャーの力が必要

では、他はどうするのか?これは、マネジャーが実現するしかない。

スーパープロジェクトマネジャーでない限り、組織が一体になってプロジェクトマネジメントに取り組み、マネジャーもそこでしかるべき役割を果たすこと以外にこのようなプロジェクトマネジメントの目的を達成することはできないと断言できる。

われわれはこのようなプロジェクトマネジメントに対する組織的な取り組みを「三位一体型プロジェクトマネジメント」と呼んでいる。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。