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2009年7月27日 (月)

【補助線】計画論~3種類の計画

◆3種類の計画

業務の計画は組織によって、名称や、段階など、さまざまであるので、一般論を論じることは難しいが、計画の本質的な役割を見ると、おおよそ、以下の3つに集約できると思われる。

・構想計画
・基本計画
・実施計画

の3つである。

◆構想計画

構想計画は、戦略計画や事業計画を実現するという視点から、その業務の目的(ビジョン)を設定し、いくつかの進行シナリオを明確にすることを目的とした計画である。構想計画の目的は、戦略計画や事業計画の中で整合性のある予算枠を確保することである。

ここで予算と言う言葉は、コストではないので注意しておいてほしい。出(コスト)と入(売上)を併せたものが予算である。

業務的には、戦略計画や、事業計画のプロセスで、現場を管理する組織マネジャーが構想計画を作り、それを、経営層が事業計画、経営計画に組み込んでいく形態が多い。

ただし、プロジェクト業務のような非定常的な仕事については、事業計画では予算枠だけとっておき、実際にその仕事が発生するタイミングで構想計画を作ることもある。

構想計画は基本的には仕事の戦略的、事業的な位置づけを明確にするものだが、今日的には経営リスク、事業リスクへの対応計画が求められることもある。

◆基本計画

基本計画は、構想計画に基づいて立案される計画で、スケジュールや予算、要員投入や、仕事の成果について具体的に目標化される。

この段階でリスクについても十分に検討され、場合によっては実施の詳細までシミュレーションした上で、これであれば間違いなくできるというところまで計画する。予算については、基本計画により確定する。経営的には予算の確定が基本計画の最大の目的になる。

基本計画はその業務担当のリーダーが作ることが多く、計画の評価は構想計画を作った組織マネジャーにより行われることが多い。

当該業務のリスクは基本計画の中で徹底的に分析され、十分な対応が行われることが前提になっている。これによって、リスクについては、実施計画では、基本計画中で、実施計画に持ち越されたものだけを監視する計画をすればよいことになる。

基本計画評価の視点は、構想計画への整合性と、経済性と実現性である。

◆実施計画

そして、基本計画をオペレーションの計画に落とす。これが実施計画と呼ばれるものである。この計画は基本計画を具体的にどのような段取り、どのような役務、どのような調達で行うかを決定し、進捗状況のフォローアップの対象になるものである。

実施計画を作るのは、オペレーションを実行するリーダーであり、計画評価の視点は、計画内容の正確さに置かれることが多い。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。