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2007年12月

2007年12月 7日 (金)

PMサプリ102:すぐれたリーダーは自分が知る必要があることを言わせる

すぐれたリーダーは自分が聞きたいことではなく、自分が知る必要があることを言うように人々に奨励する(ジョン・マクスウェル、リーダーシップコンサルタント)

【効用】
・PM体質改善
  リーダーシップ発揮
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】
◆ジョン・マクスウェルについて
◆傍観者が作るコミュニケーションマネジメント計画
◆プロジェクトマネジメントの業績を理解しているか
◆プロジェクトでマネジメントで業績を上げるには何が必要か?

このサプリを服用したい方はこちら

2007年12月 5日 (水)

【補助線】プロジェクトマネジャーの現場力

◆昔の日本企業の現場は本当に強かったのか?

「現場力」という言葉がある。正確な定義があるわけではないと思うが、「現場が強い」、「現場で会社が成り立っている」などの言霊のある言葉だ。

戦後の高度成長の中で、日本企業は一般的に現場力により成長してきたと認識されている。おそらくこれは、明確な戦略がない中で、現場が方向性を決め、それを次々に実行していくことにより、成長してきたことを指していると思われる。

この背景になるのが、「よいものを作れば売れる」という神話である。ここで、考えておかなくてはならないのは、高度成長期は本当に現場が強かったのかということだ。少なくともこの時代の日本人は勤勉だったし、工夫をする心にも富んでいた。これは間違いないと思う。その意味で現場が強いというのであれば、それは正しいだろう。この点については後でもう一度、触れたい。

◆戦略経営における現場力

その日本にも、戦略に基づく経営という考え方が取り入れられるようになってきたのは、おそらく90年代の前半である。この時期は、バブルの崩壊とともも、右肩上がりの成長も停滞し、それまでのようにみんなが同じことをやっていたのでは、全員が立ち行かなくなるという危機感がでてきた時期だ。まず、立ち上がったのは製造業だ。現在、エクセレントカンパニーの地位を確立している企業は間違いなくこの時代に戦略的な経営に移行している。そして、やはり、「強い現場」、「現場力」が成功のキーワードになっている企業が多い。今のエクセレントカンパニーの戦略の3大成功要因は、情報技術、金融技術と現場力だろう。そして、日本の企業は現場力を競争優位源泉とする企業が多い。

では、戦略経営の中での現場力とはなんだろうか?戦略経営の中では、高度成長期のような現場の自由度はない。その中で、現場力が強いとはどういうことか。

現場力は、「あるべき姿」=ビジョンに対して、策定された戦略を微調整しながら業務を進めていく能力である。あるいはこのために、現場で起こる問題(あるべき姿と現状のギャップ)を能動的に発見し、解決する力である。

◆リアルタイム経営のためにはプロジェクトの現場力が不可欠

戦略経営においては、戦略の精度を上げるためにだんだんモニタリングのスパンが短くなってくる。今は最低でも四半期で戦略を見直し、軌道修正をしている企業が多い。ただし、現実問題として考えると四半期というスパンが限界だろう。

そこで注目されているのが、プロジェクト経営とプロジェクトマネジメントなのだ。四半期より短いサイクルで戦略の修正をするためには、開発や販売などの業務をプロジェクト化し、現場としてのプロジェクトにその軌道修正の役割をゆだねるしかない。プロジェクトマネジメントの要素にはアカウンタビリティの確保があり、修正行動への介入は難しいとしてもモニタリングは可能であることも経営としては好都合である。現場の状況を見ながら、次のクオーターの戦略計画の微調整を行うことが可能になるからだ。

このように考えてみると、プロジェクトに要求されるのは、立ち上げ時の計画通りに行うことではない。自ら、プロジェクト環境を察知し、それに合わせてプロジェクトの計画を変えていくことである。この適応能力こそがプロジェクトマネジャーに求められる現場力である。

◆プロジェクトマネジャーに求められる現場力

では、現場力を持つためにプロジェクトマネジャーに求められるものは何か?以下の5つである。

(1)経営ビジョンの共有
(2)戦略の理解と把握
(3)戦略の計画への落とし込み
(4)ビジョンに照らし合わせた計画の問題点の発見
(5)計画調整による戦略の微調整

特にプロジェクトマネジャーの方にはよく考えてみてほしいのだが、これはある程度の経営的意思決定を行う仕事なのだ。

つまり、プロジェクトにおいてはプロジェクトのメンバーまで戦略実行の一端を担っているという意識が必要であり、メンバーにそれを指導していくのはいうまでもなくプロジェクトマネジャーの仕事である。

2007年12月 4日 (火)

バイオライト

【送料無料】バイオライトエオン(BIOLITE EON)/ホワイト


バイオライトシリーズはヤマギワと林原生物化学研究所が共同開発した目の疲れを和らげるデスクライトとして発表以来ユーザーの高い信頼を得てきましたが、その光の機能をそのままに、エクゼクティブのデスクにふさわしい、ハイレベルなデザイン性と機能をもった作品となりました。

デザインは有機的な作品で知られる英国のデザイナー、ロス・ラブグローブ。「永遠(地質学の単位で10億年)」を意味する「EON」と名付けられた美しい曲線をもつ作品です。

■優雅な動作



使用する際にはベースのスイッチを押すとアーム(灯具)が起き上がりながら点灯します。
アームの起き上がりスピードは約3秒。上がりはじめは早く最後はゆっくりと定位置に立ち上がります。

■非対称配光



電球はローボルトハロゲン50Wを採用。従来のミニクリプトンランプの製品よりランプ寿命が長く、2500時間を確保。
また灯具の反射板は、非対称な光を放射。机の横方向から照射する事で紙面の反射光を横に逃がし、クリアな視野をつくりだします。

■スムーズな回転



ベース部分のターンテーブル機構がアームの水平方向の回転を可能にします。
またベース中央には「Design by Ross Lovegrove」の文字があります。

■美しいデザイン



閉じ姿はデスクスタンドというより、まるで彫刻作品のよう。凛とした美しいデザインとなっています。

●GY6.35 12V50W×1(低内圧型)
●高・470 巾・φ200 奥・430mm 2.0Kg
●プラスチック アルミダイキャスト塗装仕上 鋼
●直流点灯方式
※意匠登録出願中
※バイオライトは林原生物化学研究所とヤマギワの共同開発商品です。

加湿器

【送料無料】アマダナ(amadana)ハイブリッド加湿器「FH-209」ホワイト 【代引き手数料無料】

アマダナよりお部屋全体を加湿するハイブリッド式加湿器の登場です。乾燥している時は温風気化式運転、設定湿度になると気化式運転に切り替えてくれるため、加湿しすぎや電気代のムダを抑えます。お好みにより切り替えられる4つの運転モード、静音設計、アロマトレーなど機能も満載。日本伝統建具である格子戸をモチーフとしたたたずまいに加え、14畳まで対応可能なため、様々な空間や幅広いシーンでお使いいただけます。


【補助線】現場力とは

ここ数年、「現場力」という概念が注目されている。定義は人によってさまざまだが、大阪大学のコミュニケーションデザインセンターで中央アメリカのエスノグラフィーを専門にされている教授は、現場力を

実践の現場で人が協働する時に育まれ、伝達することが可能な技能であり、またそれと不可分な対人関係的能力などの総称

と定義した上で、

現場力は、現場にある物理的な力だけでも、個人に備わる能力だけでもない。その両方の性質を有するものである。言い換えると、現場力は、現場にあるのでも、個人にあるのではなく、現場と個人がマッチした場に現れる、人間の具体的な技能ないしは具体的な能力のことである

と指摘している。

ビジネスの場でも、「現場力を鍛える」という本を著作され、現場力に関する深い考察を行われている早稲田大学の遠藤功教授をはじめ、いろいろな現場力の定義があるが、おおむね広い意味では、この池田先生の定義の範囲に収まっている。

池田先生の定義のポイントは、現場力を現場にある物理的な力(ビジネスでいえば、たとえばオペレーションや仕組み)と個人がマッチしたときにあらわれる「ダイナミック」な能力だと捉えている点にある。つまり、現場力はスキルではなく、コンピテンシー(行動力)である。この点がポイントだ。

したがって、我々も、この定義の上で、プロジェクトマネジャーの現場力について考えてみたい。

2007年12月 3日 (月)

【補助線】PMOが標準を提示する意味

◆何のために標準化するのか

前回、問題提起だけしたが、みなさんの結論は出ただろうか?

前回述べたように、標準とは、メソドロジーが適切に適用されるためのルールである。目的とは、なぜ、わざわざ、そのようなルールを作りたいのか?という問題に他ならない。

論理的な答えは簡単だ。標準を作る目的は

 組織としてプロジェクトの成功を予測すること

に他ならない。標準は、組織としてのプロジェクトマネジメントの共通的なアプローチであり、メトリクスとして指標化されたり、あるいはマネジメントプロセスとして具体化され、それが標準としてドキュメント化される。

つまり、標準として決められたメトリクスを守り、決められたプロセス通りにメソドロジーを実施すれば、プロジェクトの成功は保証されるというのが標準なのだ。

◆PMOが標準を提示する意味

もっと正確にいえば、プロジェクトマネジメントの標準はプロジェクトの成功を保証するわけではなく、プロジェクトマネジメントの成功を保証するだけだ。そして、プロジェクトマネジメントの成功がプロジェクトの成功を生み出す。この因果関係が成り立つためには、メソドロジーが正しい(妥当な)ものであることが必要である。

たとえば、PMOが標準を示すということは、PMOとしてその通りにやればプロジェクトの成功を保証することに他ならない。それができるから、プロジェクトマネジメントのオーナーシップを持ちうるのだ。

しかし、現実にそう言われてみてももう一つピンとこないだろう。というよりも、プロジェクトを確実に成功させる方法などないとみんなが思っているといった方がよいかもしれない。では、何が適切ではないのか?メソドロジーなのか、標準なのか?

◆PMBOKの価値

ここでPMBOKを導入することの意味が出てくる。PMBOKは膨大なプラクティス集である。つまり、うまくいったプロジェクトでやっているプロジェクトマネジメントのやり方を、9つの知識領域に分けて、プロセスとプロセスを実行するための手法ということで整理したのがPMBOKである。

ということは、常識的に考えて、メソドロジーには問題はないと考えられる。現に、そう考えるからPMBOKを導入しているともいえる。ということは、うまくいかないとすれば、それは標準の問題だということになり、ついては、PMBOKを導入することは、導入先の組織のプロジェクトの特性に合わせて、PMBOKに適用に当たって標準を策定するという作業を行うことを意味する。

◆現実的な標準化の考え方

実は、これがなかなかできない。つまり、メソドロジーを導入するのは簡単である。しかし、標準を策定するのは至難の技である。

そこで、よく行われるのが、アカウンタビリティというよりも、透明性、可視性を高めるために共通的なアプローチを決めるという方法である。この方法は、プロジェクトや問題を可視化することによって、PMOや上司組織、あるいは組織全体が知恵を集結することによってプロジェクトをうまく進めていこうという発想に基づいている。このようなアプローチを標準とみなすべきかどうかは別にして、

 組織が常にプロジェクトにかかわっておくことにより、成功を予測できる

といえ、標準の目的を達成するひとつの考え方であることは確かだ。

◆なぜ、標準に対する抵抗があるのか

最後にこの問題について一言触れておきたい。ここまでの議論ではっきりしたと思う。

その標準通りにやったときに、プロジェクトが成功するということが保証されていないからだ。

ただし、プロジェクトマネジメントがマネジメントである以上、万人が納得するメソドロジーなり、標準を発見するのは難しいだろう。

そうすると、標準化のプロセスそのものについて考えなおす必要がある。それが、プロジェクトマネジメントの成熟度を上げることにもなっていく。

【補助線】トラブルプロジェクトを安定化することの難しさと重要性

◆なぜ、失敗すると、どんどん、はまるのか

先週末にフィギュアスケートのNHK杯のフリーをみていたら、ショートプログラムの上位選手が次々に失敗していた。失敗する様子を見ていると、失敗したものを立て直すのは難しいものだとつくづく感じる。

演技の最初の時期に失敗すると、そのあとのプランがきちんと実行できなくなってくる。理屈の上では、プラン通りに演技しないとどんどん状況が悪くなるというのは分かっているし、もう失敗するわけにいかないという気持ちが先立つのだろう。きっとあとの演技をより完璧にこなそうとする気持ちと、力が入るので事態がより悪くなる。

解説の荒川静香さんは盛んに「忘れて」とか「平静になって」とか言っているが、それが難しいのだろう。

多分に心理的な話だと思うが、この話はプロジェクトにおいても、そのまま、当てはまる。プロジェクトが深刻なトラブルに陥ったときに、冷静に進めていくというのは難しい。一般的な話でいえば、理由は組織の「眼」にある。組織がどう評価するかは別にして、多くのプロジェクトマネジャーは組織の「眼」を必要以上に意識する。上司だ。

◆はまるパターン

組織の眼を気にし始めたプロジェクトマネジャーがはまるパターンは2つある。一つは、何とかしないといけないとあせり、目先の状況がよく見えるような対応をすることだ。たとえば、要員を追加するといった策はこの典型であることが多い。

もう一つは上位組織にゆだねてしまう。つまり、上位組織の指示を受け入れることによって、その場をしのぐという行動に出る。その場をしのぐという言い方をしたのは、多くの場合、不適切な判断であっても受け入れてしまうことが多いからだ。本質的には上と同じ。とりあえず、受け入れればそれ以上評価が下がることはないという錯覚に陥るのだ。

◆あせりは伝染する

話は競馬に移る。地方競馬からのJRAに転入してきて大活躍をしているベテラン安藤勝己騎手がJRAのスター騎手である武豊騎手について「ジョッキーが心の中に勝ちたいと思うと、その思いが馬に伝わって、馬も力んでしまい、最後に効いてくる。彼はそれがたくさん勝てる理由だろう」と評価しているという記事をスポーツ雑誌で読んだ。

この心理もプロジェクトに当てはまる。プロジェクトマネジャーが焦ってなんとかしようと思ってしまうと、騎手と馬の関係のように口に出して何も言わなくてもチームに伝染する。チームメンバーが焦ってしまう。これによって、品質などのミスが出てくる。このパターンは多い。

◆いったん、断ち切り、プロジェクトを落ち着かせることが重要

著者はよくプロジェクトを失敗しないようにやるのではなく、成功させるように考えるべしと言っているが、トラブルの時に失敗しないようにすると逆効果であることが多い。スケートの例の如く、トータルで失敗しない(つじつまを合わせる)ためには、何とかして取り返さなくてはならないと思ってしまうのだ。トラブルが起こったら、まず、チームやステークホルダも含めて冷静になることを目指す必要がある。そのためには、まずはプロジェクトを落ち着かせることだ。これが安定化である。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。