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2007年1月 8日 (月)

【補助線】プロジェクトは山登りか?

マーケティングコンサルタントの阪本啓一さんが、メールマガジン電脳市場本舗~Marketing Surfin'で、「マネジメントの3D」ということを言われている。3Dとは

「意思決定(Decision Making)」

「デザイン(Design)」

「実行(Do)」

の3つのDであり、マネジメントにはこの3Dが重要だというのが阪本さんの考えだ。

そして、阪本さんは「エベレストに登る」のと、会社経営をすることはどちらが難しいかという問題提起をする。

<エベレストに登る>

・意思決定=エベレストに登ることを決めるTerm

・デザイン=ルートや使う道具を決める

・実行=実際に登る

ところが会社を経営する場合には、そこに山はないので、山を作ることから始めなくてはならない。すると、次のような感じになる。

<会社を経営することの比喩>

・意思決定=山をつくることを決める

・デザイン=どんな山をつくるかを決める

・実行=山をつくり、登る

このように会社経営は登るだけではなく、山をつくるところから始めなくてはならない。だから会社経営の方が難しいというのが阪本さんの考えだ。

このメルマガを読んでいるうちに、僕が今までうまく表現できていなかったことがはっきりした。

プロジェクトというのはどちらなのだろうか?

この比喩でいえば、プロジェクトは山登りであると思っている人が多い。そして、エベレストに登れるか、その辺の山に登れるかがプロジェクトマネジャーの能力であると思っている人も多い。

たしかに、どんな山を作るかは決まっている。山頂が見えていることも多い(最近は、見えないことも多いが)。

しかし、プロジェクトは山登りだと言い切ってしまうと、

 誰が山をつくるのか

という問題が残ってしまう。プロジェクトは経営(戦略)の実行部分である。これは、阪本さんの比喩を使うと、

Management  プロジェクト=山をつくりながら、登る

ということを意味している。

もちろん、つくるという程度はいろいろあると思う。もろい地盤があり、それを固めながら登っていけばよいプロジェクトもあるかもしれないし、ひょっとすると、一から土を盛りながら登っていかなくてはならないプロジェクトもあるかもしれない。

このときに、山を作るのは「経営の責任だ、山ができてから登れといってほしい」と行ってみても何も変わらない。

「普通の優秀なプロマネ」がエベレストに登れる人だとすると、「ひとつ上のプロマネ。」は、経営がデザインした山を創りながら登れる人である。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。