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2007年1月11日 (木)

【補助線】マネジメントできないプロジェクトマネジャーたち

ドラッカーが発明したというマネジメント。ドラッカーは

マネジメントをその役割によって定義しなければならない

とし、役割として

 ・組織に特有の使命、目的を果たすこと
 ・働く人を人間的存在として活かす
 ・社会的問題の解決に貢献すること

の3つをマネジメントの役割だと定義した。以来、マネジメントは、さまざまな学者、実務家によってさまざまな形で語られているが、大枠でドラッカーの定義の範囲での議論になっている。

中でも興味深いのは、戦略論のグル(大家)の一人である、ミンツバーグのエスノグラフィー(民族誌学)

456124218x09lzzzzzzzヘンリー・ミンツバーグ(奥村哲史、須貝栄訳)「マネジャーの仕事

である。この本を読んでみても、はやり、マネジメントとは、ドラッカーの定義した役割を果たすためのさまざまな活動だという印象が残る。

ミンツバーグのエスノグラフィーを参考にしつつ、ドラッカーの定義をもう少し、具体化してみると、マネジャーの仕事というのは

 (1)ビジョンを策定し、課題、目標を設定する
 (2)メンバー全員で目標達成のためのプラニングをする
 (3)プラン実行のための組織の運営方法を決める
 (4)メンバーとコミュニケーションをし、一人ひとりの能力を発揮させる
 (5)プロセスマネジメントを強化する
 (6)目標達成に立ちはだかる問題を解決する
 (7)メンバーを評価する

の7つの集約されるのではないかと思う。成果を生み出すためにこれらを効果的に行うのがマネジメントである。

プロジェクトマネジメントはマネジメントである。プロジェクトに対してこれらの7つを行うことが仕事である。プロジェクトマネジャーはプロジェクトを任され、これらの仕事をしなくてはならない。

マネジメントはプロセスではできない。コンピテンシーを以って行うべきものである。しかし、PMBOKの標準プロセスなるものが膨張してくるとともに、プロジェクトマネジャーの中にはプロセスを指向するものが増えている。これが幻想だといわざるを得ない。マネジメントができないプロジェクトマネジャーになる可能性が大きい。

「ひとつ上のプロマネ。」はプロジェクトマネジャーを目指すのではなく、マネジャーを目指さなくてはならない。プロセスではなく、コンピテンシーを指向しなくてはならない。そのような視点を持って自分の能力を開発していかなくてはならない。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。