2009年1月 1日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年1月1日(特別版)

本年もよろしくお願いいたします。

いきなりですが、日記の2009年第一弾は、2008年、ビジネス書の杜のデータをみた感想です。総括というほど、立派なものではなりませんが、3つほど、あります。ベスト10はこちらにありますので、お読みください。

ひとつ目。このブログはプロジェクトマネジャーのための書籍紹介サイトとして開始しましたが、2006年くらいからこの枠を取り除き、「考え抜くビジネスパースン」のためのビジネス書の紹介サイトを意識した内容に変えてきました。書籍の選定も変わっているのですが、2008年はプロジェクトマネジメント関係の本のベスト10入りは2位の峯本展夫さんの「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル」、3位のサニー・ベーカーさんの「世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント」2冊だけになりました。峯本さんの本はプロフェッショナルマネジャー仕様、サニー・ベーカーさんの本はビジネスマン仕様とテーストの違う2冊ですが、いずれもプロジェクトマネジメントの専門家向けの本ではありません。その意味では10冊すべてビジネスパースン向けの本がそろったといってもよいでしょう。

2008年はPMBOKが改版の年だったとか、プロジェクトマネジメント本の出版が少なかったなどの事情もあるとは思いますが、とりあえず、トランジションは成功したのではないかと思っています。今後はこの方向でアクセスを増やしていければと思っています。

2つ目。おそらく他の書籍紹介サイトではベスト10にも入らない書籍が並んでいるのではないかと思います。また、ベスト10の中で、5冊は昨年発売された本だというのも特徴だと思います。

メジャーなメルマガやブログと比べるとアクセス数、アフェリエイト数とも足元にも及びませんが、売れそうな本ではなく、読んでほしい本を紹介しているからだと自負しています。一言でいえば
 答えではなく示唆を与える本を重視する
ことを方針にしています。ある出版社の編集の方から「弊社の本をよく取り上げてもらっている」と言われたことがありますが、ひいきではなく、その出版社には明らかにそういう本が多いからです。実際には、答えを与えるハウツー本にも、たとえば、日本実業出版社のようにほれぼれするような作りこみをしている出版社もあるので、本を愛する者としては取り上げたい気持ちがなくはないのですが、この方針は僕の仕事観でもあるので、今後も変えないつもりです。
ということで、出版社のプロモーションに乗らないアウトローブログにも関わらずこのブログを影響力のあるブログのひとつだと認めてくださる編集者の方も増え、読者プレゼントの企画にも多くの方がコメントをくださるなど快くご協力戴いているのはうれしい限りです。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

3つ目は、11月から「ほぼ日 読書日記」をはじめました。もともとは、書籍紹介の記事を書く時間が取れず、タイトルだけでも紹介しておこうと思って始めたのですが、これに予想以上のアクセスがあり、その効果もあってブログのアクセス数が倍増しました。これに伴い、アフェリエイトの数も12月は2008年1~11月の平均の2倍近くになりました。改めて数は力というのを思い知りました。今までも、ベストセラーを取り上げればSEO対策にもなってアクセス数が上がる傾向にありましたが、そちらには行きませんでした。今後も読んでほしい本だけを紹介するという姿勢は変わりません。引き続き、ご愛顧をお願いします。

2008年12月31日 (水)

日本のこころ

4863100388 茂木 健一郎「クオリア立国論」、ウェッジ(2008)

お薦め度:★★★★1/2

「クオリアとは人間が心の中で感じるさまざまな質感」のことだそうだ。「抜けるような青空、ヴァイオリンの音色など、意識の中であるものとして把握されているものはすべてクオリアであるといっても過言ではない」と著者は説明する。この本は、記号的な消費の時代は終わってクオリアの消費の時代が来たことを背景に、クオリアで立国していこうと主張する。

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【ほぼ日 読書日記】2008年12月31日

要約力と名のつく本3冊目。以前読んだのは以下の2冊

轡田 隆史「要約力」、主婦の友社(2005)
和田 秀樹「要約力」、かんき出版(2003)

今日、読んだのは

本間 正人、浮島 由美子「できる人の要約力」、中経出版(2008)

なんか、魅力のあるテーマなんだろう。しかし、今回の本もあまりピンとこなかった。確かに要約という行為に何かのエッセンス(本質)が含まれているようには思う。それが何かをきちんと伝えてくれる本に出会わない。今年の最後に読んだ本としては残念。

要約するとはどういうことかすらもあまりきちんと書いていないように思う。結局、そこかな。

2008年12月26日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月26日

多くの企業は今日で本年の業務は終了。今日は何回も挨拶をした。

誰かが、今年はビジネス書は勝間・小宮・茂木の年だったと言っていた。僕も何冊か読んでいるはずだが、正直、印象に残っているものがない。

と思っていたら、最後の最後に、すばらしい本に出会った。本年のビジネス書を締めくくるにふさわしいかもしれない。

茂木 健一郎「クオリア立国論」、ウェッジ(2008)

まだ、今年が終わったわけではないが、このブログの今年のスタートはこの本だった。

リクルートワークス編集部「おもてなしの源流 日本の伝統にサービスの本質を探る」、英治出版(2007)

この本は上質さの創造のために「主客一体」というすばらしいコンセプトを与えてくれたが、茂木さんのこの本も文化の追求という視点を与えてくれている。この本を今年最後の書籍紹介にしよう。

2008年12月25日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月25日

「あれ?ずいぶん、装丁が変わったな」と思って本屋で手にとった。

「1分間アントレプレナー 黄金の起業法則」

よく見ると、日本実業出版社の文字が、、、。見事な「日実仕様」になってしまった、、、、

ケン・ブランチャード、ドン・ハトソン 、イーサン・ウィリス(鈴木 智草訳)「1分間アントレプレナー 黄金の起業法則」、日本実業出版社

4478350094

これが4478360847

に変わったときには、「おっ、変わった」と思ったけど、何も違和感は感じなかった。でも、これが

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に変わってすごい違和感を感じている。シリーズのイメージが変わってしまった、、、ロゴもついている。これはオリジナルのロゴか?

そういえばこ4594038522ういうのもあった。こっちとどちらが近いかな。

 

クリスマスの約束を見ながら書いているので、ちょっと遊んでみましたが、内容は悪くない。かなり、いいです。

社会起業家にも響きそうな内容。このシリーズ、内容を紹介してしまうと実も蓋もないので、ここまでということで。

もう、一冊。イノセンスの石川光久さんの自伝。

石川 光久「現場力革命」、KKベストセラーズ(2008)

石川さんの発想や体験、特に押井学監督との関係が詳しく書かれており、とても興味深く読める。はっとした言葉がある。監督を起用するという言葉。やっぱり、プロデューサーって偉いんだよなあ。がんばれ、ミドル!あなたたちは監督(プロジェクトマネジャー)を使っている。偉いんだ!

ってところで、仕事ネタでもう一冊。

野島 美保「人はなぜ形のないものを買うのか」、エヌティティ出版(2008)

この本、僕はむちゃくちゃ面白かった。サービスマーケティングはこういう視点でもう一度、検証しなおしてみるといい。答えはまっきりしないが、示唆に富む。

ただ、デジタルコンテンツをいかに売るかというテーマの本としては、なんとなく物足らない。まあ、そっちには興味が薄いのでいいですが、、、

プロデューススキルの全貌が明らかに!

4820717332 佐々木 直彦「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」、日本能率協会マネジメントセンター(2008)

お薦め度:★★★★★

この本には誕生ストーリーがある。この本は、佐々木氏が1999年に日本能率協会マネジメントセンターから依頼され、一旦挫折したそうだ。同時期に、偶然、PHP研究所から同じ依頼があったが断った。ところが、PHP研究所でオファーした編集者の方がいつのまにか日本能率協会マネジメントセンターに転籍され、それを知った佐々木さんが日本能率協会マネジメントセンターに再チャレンジを持ち込んだというのだ。そして、最初から数えて10年かかり、やっと世の中にでてきたそうである。

そのストーリーを読んで、「これだけの本を作るにはやっぱり10年はかかるよな」と思わせるくらいよくできた本である。

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2008年12月24日 (水)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月24日

本日の発売です。素敵なクリスマスプレゼント、ありがとうございます!

4862760406 ロバート・グリーンリーフ(金井壽宏監訳、金井真弓訳)「サーバントリーダーシップ」、英治出版(2008)

2008年12月23日 (火)

キャリアステージのあるべき姿とその実践

4270004401 新 将命「伝説の外資トップが説く リーダーの教科書」、ランダムハウス講談社(2008)

お薦め度:★★★★★

100%共感できるリーダー論。リーダーは何をすべきかというよりも、どうあるべきかを中心にして、その実践が具体的に述べられている。今年読んだリーダーものでは間違いなくベスト1。また、これまでに読んだリーダー論の中でも間違いなくベスト3に入る本。

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【ほぼ日 読書日記】2008年12月22日

23時くらいから読書。前にこの日記にスピリチュアルのことを書いたら、知人の澤田さんという方がセレンディピティというキーワードを教えてくださった。ちょっと違うイメージで捉えていたので、とりあえず、勉強を決意。2冊買っておいた本を一挙に読む。

宮永博史「成功者の絶対法則 セレンディピティ」、祥伝社(2008)

まあ、よくこれだけ事例を集めたなというのが読後の感想。雑然としているが、これをセレンディピティという概念の表現のためにやっているとしたら、たいした編集力だ。セレンディピティを「やってくる」と称し、「気まぐれな小人さん」だと比喩しているのは共感。

読んでいてふと気になったのは、この本は事例を飛ばして読んでみると面白いのではないかということ。もう一度、読むときにはこれもやってみることにしよう。

沢泉 重一「偶然からモノを見つけだす能力―「セレンディピティ」の活かし方」、角川書店(2002)

こちらは入門書。語源とか、いろいろと基本事項が書いてあって役にたつ。が、そんなに深くないので、タイトルに対しては期待はずれ。宮永先生の本のほうが面白そうだったので、後回しにしたのが失敗。沢泉さんの本を最初に読めば、宮永先生の本の感じ方も違っていたかもしれない。

セレンディピティという話は現場指向の日本人は大好きだというのは良く分かる。ただ、マネジメントの中に組み込んでいかないと単なる現場の話で終わってしまう。それは組織文化なのかもしれないし、仕組みなのかもしれない。あるいは人材育成なのかもしれないし、ナレッジマネジメントなのかもしれない。

このあたりの議論を尽くすべきだと思うが、技術系の人が注目している概念のようなので、そういう体系化は難しいのだろうなあ。これこぞ、日本型のMOTに格好のテーマだと思うが、、、

最後に紹介してくださった澤田さんへのメッセージ。

この話は科学的な話だと思います。実験計画法の発想の原点にはこのような話があって、それをさらに合理化するにはどうしたらよいかと考えたときに、アルゴリズムではなく、マインドセットを変えようというのが、セレンディピティという話だと理解しました。これ自体は面白い話だと思いますが、スピリチャルには結びついていかないのではないかと思います。ただ、小人のメタファがあるように、そこに何らかの精神性があるのかもしれません。その点も含めて、今後も興味を持ってみていきたい分野です。

2008年12月22日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月21日

今日は日曜日でとりあえず仕事は必要最小限にし、夕方からたまっていた編集稽古をし、そのあとこの本をじっくり読んだ。杉山先生の新刊。

舞田 竜宣、 杉山 尚子「行動分析学マネジメント」、日本経済新聞社(2008)

最近、行動分析学を応用した自己啓発本が増えているが、いつかはこの本を読んでほしいと思うし、今までの杉山先生の本に比べるとマネジメントに焦点が当たっている。この是非については、紹介記事を書くときに意見を述べたいと思うが、最初、出版社を見たときに日経だったのでえっと思った。内容を読んで納得したが、ビジネス書として価値のある本であるのは間違いない。

もう一冊。前から読みたいと思っていた吉本の木村政雄さん(元常務)の客観力。

木村 政雄「客観力-自分の才能をマネジメントする方法」、祥伝社(2008)

オンリーワンコンセプトが世の中にはびこってきたのは、SMAPの「世界に一つだけの花」のヒットの影響が大きいと思う。オンリーワンというのはベストワンに勝る素晴らしいものだと思うが、多くの人が勘違いしているのは、自分が評価するものではないことである。

ところがこの議論には、

自分だけのものなので、所詮他人にはわからないし、自分が評価(満足)すればいい

という落とし穴がある。これはレトリック以外の何物でもない。コンサルタントには、昔から、自称コンサルタントという人種がいるし、どんな領域でも自称プロフェッショナルがいるものだ。オンリーワンを標榜している人にも、これと同じような人が少なくない。

この議論に終止符を打ってくれる本。「個性」と「おれがおれが」は違うと一喝。オンリーワンを語る資格があるのは、自分を客観視できる人だけだということを愛情を持って語ってくれる本。素晴らしい!

2008年12月20日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月19日

やっぱり、武沢さんはすごい。メルマガで、名古屋駅で目の前で自分の本を立ち読みして、選んで買ったという一部始終を目撃したというエピソードを読んで、アマゾンを見たところ、25人の書評がついていた。

発売から2週間で25人のレビューがつくというのもすごいが、なんと25人とも★★★★★。好き嫌いがはっきり分かれるタイプの人なので、まあ、早々に読んでレビューを書くからにはこんなものだろうと思いつつ、本日、新幹線の待ち時間があったので僕も東京駅の書店で購入。

金曜日の最終で帰京(←京都に帰るという意味!!)の疲れが吹っ飛んだ!好き嫌いのレベルを超えて面白いし、社長には社員に話をする格好のネタ本。僕も★★★★★で紹介記事を書くことを宣言しておこう。

武沢 信行「使える!社長の四字熟語100選 経営に効く! 」、こう書房(2008)

で、感動したあとで、勢いでもう一冊。セコムの飯田亮最高顧問の本を読む。

飯田 亮「打てば必ず響く人―一流の仕事人になる「ビジネス金言集」」、三笠書房(2008)

言葉を選び、それにビジネスマン、経営者としての心構えの持論をつけていく、武沢本と同じようなテーストの本。書かれていることそのものは、飯田さんの本の方が卓越しているように思うのだが、本としては武沢さんの本のほうが面白い。想定読者の違いもあると思うが、編集力の差のような気がする。

今週、お会いしたある人から、「好川さんはなぜ経営者ものの本を読んでいるのか」と聞かれた。質問の意図が分からなかったのでその場では明確に答えなかったが、

「中小、中堅企業の経営者のお相手をするには、自身が優れた経営者である必要があるから」

というのがお答え。武沢さんもそうだが、飯田さんも尊敬する経営者だ。もっとも尊敬するのは松下幸之助だが、成功した会社の社長の中にはビジネスに成功した経営者と、経営に成功した経営者がいる。後者はビジネスの成功はもちろん、含まれる。

この視点で大体分けられるのだが、実はもっとも興味深いのはこの視点で分けられない人。これが僕にとっては魅力的な経営者だ。その典型はスチーブ・ジョブスだ。日本だと、まずは松下幸之助翁、セコムの飯田さんや、ヨーカドーの鈴木さんなどが思い浮かぶ。ただ、幸之助はもちろん、飯田さんや鈴木さんの作った画期的な経営スタイルは今ではすでに一般に受け入れられている。このタイプは米国だとたとえば、ビル・ゲイツやマイケル・デルだと思う。

その点でジョブスというのは、エクセントリクなのか、時代を常に先行して変容していっているのかよく分からないが、器が違うような気がする。来年のMacWorldに出ないというのでAppleの株が下がったそうだが、体調が心配だ。

2008年12月17日 (水)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月17日

児玉先生の新作。「人望」をスキルとして捉えるというのは、児玉先生の独特のロジック。これ自体も相当面白いと思うが、「石の上にも10年」には痛く共感。3年で一人前になれるのは趣味の領域を出ないと断言。年をとってきたせいかもしれないが、3年は3年に過ぎないと強く思う今日この頃。児玉先生はこの話の例にイチローを引き合いに出しているが、イチローの座右の銘は「継続は力なり」だ。

児玉光雄「人望の正体 ~スキルとしての人心掌握術~」、晋遊舎(2008)

ビジネス書ではないが、この本を読んだ。

小池 龍之介「偽善入門―浮世をサバイバルする善悪マニュアル」、サンガ(2008)

実は、きっかけは大阪の本屋で偶然見つけたこの本。

小池 龍之介「煩悩フリーの働き方。」、ベストセラーズ(2008)

読んではまった。今日、夕食のあとで本屋に行ってほかの本はないかと探していたら見つけたのが「偽善入門」。著者は「月読寺」の住職。「家出空間」というすばらしいサイトの運営をしている。まあ、変り種だが、好感持てる。

もう一冊。

佐々木 直彦「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」、日本能率協会マネジメント出版情報事業(2008)

かけそうでかけないテーマなのだろう。佐々木 直彦さんは同じシリーズで、この本と一緒に新装版が出た

佐々木 直彦「コンサルティング能力 新装版 相手の問題解決と夢実現を助ける6つの力」、日本能率協会マネジメント出版情報事業(2008)

は比較的普遍的なコンサルティング論だが、これと比べると、象の一部しか語っていないというか、あくまでも著者が考えるプロデュース論のような気がする。

そのくらい難しいテーマということか。本としては面白い。これはいずれ、紹介記事を書く。

長くなってしまった。おやすみなさい。

2008年12月16日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月15日

大阪の某企業でPM養成講座セッションを行い、その後、東京に移動。車中で2冊の本を読んだ。

渡辺 康幸「自ら育つ力 早稲田駅伝チーム復活への道」、日本能率協会マネジメント 出版情報事業(2008)

早稲田の伝説のランナー渡辺康幸さんの著書。明確なポリシーを持ち、非常に頭のよい人であることが良く分かる本。数々のエピソードも面白いものばかり。スポーツマンでマネジメントに大きな影響を与えている日本人というとやはり、ラグビーの平尾誠二氏が真っ先に出てくる。たとえば、この本で語っていることはすごい!稀代のエディター・松岡正剛氏に引き出されている部分もたぶんにあると思うが、持っているから語れるというものだろう。

平尾 誠二、松岡 正剛「イメージとマネージ―リーダーシップとゲームメイクの戦略的指針」、集英社(2008)

この本を読んでいて渡辺康幸氏にはこのレベルのものを感じた。その意味では、編集もよい本だ。

もう一冊、

竹内一正「スティーブ・ジョブズ 人を動かす神ーなぜ、人は彼に心を奪われるのか?」、経済界(2008)

この本、竹内さんのジョブスものの中では一番面白かった(ほかが面白くないという意味ではない)。ジョブスは恐ろしく多面性のある人物で、編集によってすごくイメージが違う人物だと思う。この切り口は非常に面白い。

2008年12月15日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月14日

久しぶりに新さんの本を読んだ。

新 将命「伝説の外資トップが説く リーダーの教科書」、ランダムハウス講談社(2008)

相変わらず刺さる。読後に頭の整理をしながら思い出してみるとそんなに独特の話をされているわけではないが、読んでいる最中は引き込まれる。刺激になって思考がスパークするように感じる。このあたりが人を動かす原動力なんだろうな。こういうのが編集力なのかもしれない。

明日発行するPMstyle+にブルーオーシャン戦略の記事を書いたが、新さんのマネジメントスタイルそのものがブルーオーシャンなのかもしれないなとふと思う。

明日のセミナーの雑談ねた仕込みで、

清水勝彦「その前提が間違いです。」、講談社(2007)

を読む。何度読んでも面白いし、納得。

2008年12月14日 (日)

企画 企画 企画

447977128x 指南役「「考え方」の考え方 すぐれた企画は30秒で伝わる」、大和書房(2008)

お奨め度:★★★★★

副題の「30秒で伝わる」というコピーにピンときた人には、この本はあまり前のことが指南役さんの独特の語り口調で書いてあるだけの本かもしれない。でも、ピンとこなかった人は、ぜひ読んでほしい一冊。

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【ほぼ日 読書日記】2008年12月13日

毎年、この時期になると、休日を使って、本の整理をする。

いつも、とりあえず、本屋やアマゾンで気になる本は買うので、年間に500~1000冊くらいは買っていると思う。自身や会社の図書館的な一面もあり、必ずしも読むために買うわけではない。そのうち仕事で使うだろうという本もかなり買っている。下手したらそっちの方が多いかもしれない。

そんなことで、読もうと思って買った本を、何かの拍子で読み残していることがあるのだ。それを年末にまとめて整理し、読破する。そもそも、日常的に本の情報をどう整理をしているかはそのうち、この日記でも明かす。日記には書かなかったが、「情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス) 」、

の奥野宣之さんの新作で、

奥野宣之「読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング」、ナナ・コーポレート・コミュニケーション(2008)

を読んだが、僕の方がうまいのではないかとひそかに思っている。ただ、こんな本にまとめるだけの才覚は僕にはないな。

というわけで、今日は、「専門バカにならないシリーズ」セミナーの運営をやっていたので、その間に数冊読もうと思って持参したが、読んだのは結局この1冊だけだった。

「フォーチュン」編集部(桜田直美訳)「シークレットアドバイス-世界トップの企業家&CEOが明かした「私の働き方」」、幸福の科学出版(2008)

結構、刺さる本だが、アドバイスを取り上げている人たちについて、それなりの知識がないと読んでも面白くないのではないかと思う。とはいっても、表紙に写真が並んでいるのが、ピーター・ドラッカー、スティーブ・ジョブス、ビル・ゲイツ、リチャード・ブランソン、ジャック・ウェルチとくれば、全く知らない人はこんな本など、手にもしないだろう。

それはともかく、お正月にでも、ゆっくりとした気持ちで人物像に想像を膨らませながら、読んでみることをお奨めする。

夜、京都に戻る新幹線の中で、

林 美和子、肥田 安弥女「「定性調査」がわかる本―定性調査の実務に関わるすべての人達に向けて」、同友館(2008)

にさっと目を通す。いい本だ。マーケティングリサーチだけではなく、たとえば、上流工程を担当するシステムエンジニアとか、ビジネスアナリストの方にもお奨めしたい本。そのうち、きちんとした紹介を書こう。

2008年12月13日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月12日

ちょっとうれしいことがあった。このブログで書籍を紹介しているある本の著者にコンタクトをとったところ、出版社の編集者の紹介でご自身の本を取り上げた日記を読んで戴いていた。巨大書評ブログならともかく、ほそぼそと想いをもってやっているブログとしては、著者から読んでもらうのはうれしいものだ。

さて、本の話。寝る前の読み出してはまってしまった。流し読みをしていたが、途中でリセット。最初から精読をした。面白い!

ロイ・レビスキー、デイビッド・サンダース、ブルース・バリー(高杉尚孝監訳、小西紀嗣訳)「交渉力 最強のバイブル―人間力で成功するベストプラクティス」、マグロウヒルエデュケーション(2008)

交渉力という言葉の本は多数あるし、10冊近く読んで入ると思うが、ダントツに面白い。この本を読んだら、ほかの本は交渉術であって、交渉力ではないと思えてくる。交渉に「力」を生み出すとはなんとすばらしい発想だろう。この本は紹介記事を読むまでもなく、買い。

で、その前に実は一冊の本に目を通した。こちらは流し読みレベルだが、こちらもよい。

447800787x 富士ゼロックスKDI、紺野 登、荻野 進介、(野中 郁次郎+小林陽太郎監修)「サラサラの組織―あなたの会社を気持ちいい組織に変える、七つの知恵」、ダイヤモンド社(2008)

富士ゼロックスKDIが野中先生と紺野先生を担ぎ出して作った宣伝本。といいたいところだが、内容はとても面白い。宣伝本というほど、灰汁もない。富士ゼロックスKDIというのが高度なレベルにあるってことかな。それにしても、このメタファはいいねえ。気に入ったので、「ほぼ日読書日記」初のカバー写真掲載!流行れ!

気が向いたら紹介記事を書く。

2008年12月12日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2008年12月11日

夕食のときに、

飯倉 晴武「神頼み入門」、角川書店(2008)

を読む。たいへん興味深かった。型ばかり注目されるが、意味が分からない限り、型は破れないだろう。

来年はスピリチュアルに少し踏み込んでみようと思うが、切り口を見つけるのが難しそうだなあ。いい本あったら紹介してください!

そのあとで、寝る前に

見城徹「異端者の快楽」、太田出版(2008)

たいへん、面白い本、というより、見城氏のキャラが立っているのか。異端に関して二十歳の原点まで戻るのだから、ある意味、すごい。イノベーションを起こしたい人には大変、参考になるかもしれない。ビジネス書の杜でこういう本も紹介していくかなあ、、、

2008年12月10日 (水)

「一休さん」の思考法

453404478x 山下 貴史「3分でわかるラテラル・シンキングの基本」、日本実業出版社(2008)

お薦め度:★★★★★

「考える」というと論理思考をする人が多い。では、次のような場合にどう考えるだろうか?

「昔、商人が金貸しから借金をし、返せなくなった。借金を返さなければ監獄行きという時代の話だ。金貸しは、商人の美しい娘を狙って取引を申し出た。「空の財布に白と黒の石を1個ずつ入れる。娘に選ばせ、白なら借金を帳消しにしよう。黒なら娘を妻にほしい」という取引だ。娘が取引を拒めば父は監獄行きだなので、同意した。金貸しは庭の小道から石を2つ拾ってきて財布にいれたが、2つとも黒だった。それを目ざとく娘は見つけた。」

このあと娘はどうしたかという問題である。

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【ほぼ日 読書日記】2008年12月9日

クリエイティブ・クラスという言葉を作ったのは、リチャード・フロリダだ。

リチャード・フロリダ(井口典夫訳)「クリエイティブ・クラスの世紀~新時代の国、都市、人材の条件」、ダイヤモンド社(2007)

高橋宣行さんの「真クリエイティブ体質」という本が出た。クリエイティブに対する言葉のちりばめられた本。一挙に読む。

高橋 宣行「真クリエイティブ体質」、PHP研究所(2008)

すてきは本だ。ITやプロジェクトでは要求マネジメントで苦しんでいる。観察、洞察、五感。

なんてすばらしい言葉なのだろう。

PMstyle 2025年1月~6月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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