2月5日に触れた本のコメントはまだ。2~3回読み直したが、まだ、よくわからない部分がある。深い。
さて、今日はまず、これ。取り上げられている方の一人から頂戴した。
福沢 恵子監修、日本能率協会マネジメントセンター編「私の仕事道 トップ女性10人のジグザグキャリアから学ぶ!」、日本能率協会マネジメントセンター(2009)
とりあえず、送ってくれた人の話を読んで、あと何編か読んでいるうちに、うんざりしてきて、最後まで読めなかった。僕はそもそも、「私の履歴書」をあまりおもしろいと感じない人なのでそのせいかもしれないし、ジェンダーダイバーシティをそんなに重要な課題だと思っていないのでそのせいかもしれない。
がんばれ、女性って感じの本だが、日本には意外と、男性が女性をどうみているかを書いた本が少ない。訳本だと結構ある。ビジネス書の杜でも何冊か紹介している。たとえば、これ。
パット・ハイム、スーザン・ゴラン(坂東智子訳)「会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)
日本の女性市場に向けて作られた本は、女性に対するかなりステレオタイプな前提のもとに作られているように思える。だが、この本の登場人物のような女性たちが出現しているのだから、そろそろ、ものごとを客観的に眺めてみる時期にきていると思うが、、、
まあ、本としては、ステレオタイプの方が売れるのだろうけど、、、
それから、先週、比較的古い本を貰ったのでそれも読んだ。
岡野 雅行「メシが食いたければ好きなことをやれ!―世界一の職人が教える「自分ブランド」「人づきあい」「心丈夫」の方法」、こう書房(2008)
20代の若者へのメッセージ。思いっきり、岡野節です。同じ内容の本を、30過ぎのライターが書いたら、読んでいるうちにゴミ箱に放りたくなると思うが、やっぱり、岡野さんの本だと思うと、説得力がある。これはプロデュースにつながっていく話だな、きっと。
報告書かきのために、この本を読み直した。
今村 龍之助「ドラッカーとトヨタ式経営―成功する企業には変わらぬ基本原則がある」、ダイヤモンド社(2008)
この本、紹介記事を書いていないが、よい本だ。出た直後に読んだときには、内容はともかく編集の良さに気がつかなかったが、読み直してみるとすごい編集の本だ。書いてあることはほとんどどこかで読んでいることだが、編集だけでインスパイアされているような気がする。そう思うと、そもそも、ドラッカーとトヨタ経営を結びつけるセンスがすごいなあ。
実は第50回のプレゼントがまだ、準備できていないので、第50回は飛ばして、第51回を先にやることにした。51回は結構、僕好みの本で、
山下 貴史「3分でわかるラテラル・シンキングの基本」、日本実業出版社(2008)
http://pmstyle.jp/honpo/present/20090207.htm
実質的に今回が50回なので、ちょっと振り返り。まずは、我ながらよく続いていると思う。結構、面倒な割には、あまり、見返りはない活動。まあ、読んでほしい本をセレクトして、出版社や著者に交渉しながらプレゼントをしているので、それなりにおもしろいからやっている部分はある。著者とも知り合いになれるし。
特記すべきことは、この中からセミナーが生まれて行っていること。ダントツに人気セミナーになったのは、第3回の加藤さんの
ファシリテーション・グラフィック』~議論を「見える化」する技法
今まで、5回セミナーをやって、4回目までは常にキャンセル待ちが出た。5回目は景気低迷のためか、4~5席空いてしまったが、また、来年度も実施予定。
このほか、第7回の岡野さん
Microsoft Projectでマスターするプロジェクトマネジメント 実践の極意
第8回の浦さん
失敗する前に読む プロジェクトマネジメント導入法
第15回の峯本さん
プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル-プロジェクトマネージャーの論理と知覚を磨く5つの極意
第26回の仲村さん
PMO構築事例・実践法―プロジェクト・マネジメント・オフィス
第29回の高嶋さん
影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル
第32回の中村さん
ITプロジェクトを失敗させる方法
第46回の水野さん
事例でわかる! ブランド戦略【実践】講座
第47回の清宮さん
質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?
そして、第48回の國貞さんも3月にセミナーをやっていただく予定。
悩めるマネジャーのためのマネジメント・バイブル
など、書籍をベースにしたセミナーをやらせて戴いた。本当にみなさん、ありがとうございました。
成功したものも、もう一つだったものもあるが、今後もこの流れは続けていきたいと思っている。
今後ともよろしくお願いいたします!
メインの並びの記事を「書籍紹介」から、「ほぼ日 読書日記」、「お知らせ」に変えました。
これにともない、「お知らせ」として毎月、月初に、前月に書いた紹介記事のインデックスを掲載することにしました。
1月に紹介した書籍は以下の6点でした。
田中 ウルヴェ 京「立ち止まってもすぐに前進できる 「打たれ強い心」のつくり方」、日本実業出版社(2008)
https://mat.lekumo.biz/books/2009/01/post-88fc.html
お奨め度:★★★★
高橋 宣行「真クリエイティブ体質 観察・洞察で磨く発想力」、PHP研究所(2008)
https://mat.lekumo.biz/books/2009/01/post-1acf.html
お奨め度:★★★★1/2
本田 直之「レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略」、東洋経済新報社(2009)
https://mat.lekumo.biz/books/2009/01/post-d9b5.html
お奨め度:★★★★1/2
國貞克則「悩めるマネジャーのためのマネジメント・バイブル」、東洋経済新報社、(2008)
お薦め度:★★★★★
https://mat.lekumo.biz/books/2009/01/post-df42.html
楡 周平「プラチナタウン」、祥伝社(2008)
お勧め度:★★★★
https://mat.lekumo.biz/books/2009/01/post-1889.html
サミュエル・スマイルズ(竹内均訳)「自助論」、三笠書房(2003)
お薦め度:★★★★1/2
https://mat.lekumo.biz/books/2009/01/post-c82b.html
う~ん、、、
一昨年の10月か11月に、岸良さんと講演会で一緒になり、今度、金井先生と「過剰管理」の本を書くんですよと話しかけられて、「お~!」と思った。しばらくして、金井先生からプロマネの本を書くというメールを戴いた。金井先生も楽しみにされていたので、僕も楽しみにしていた。
岸良さんの問題解決の本がダイヤモンドから出たときとか、金井先生監訳の「サーバントリーダーシップ」、「幸之助論」などの本が出たときとか、この本のことを思い出し、心待ちにしていた。
やっと出た!多摩センターで、アポの時間調整に啓文堂書店に入って、発見!
金井 壽宏、岸良 裕司「過剰管理の処方箋 自然にみんながやる気!になる」、かんき出版(2009)
手にとって、さっとみて、がっかりした。混ざっていない。勝手に岸良さんが料理、金井先生がワインというマリアージュを予想していたのだが、それは当たっていた。
でも、内容は、かなり、よく作り込まれたムックという感じ。ただ、2人の卓越したオピニオンリーダーの本なので、ムックとはいっても読み応えがある。期待しすぎていたのかもしれない。普通に読めばよい本だし、プロマネの本としてみれば、今までにはなかった画期的な本だと思う。
惜しいのは、昨今の不況で時代背景がずれてしまったこと。僕が岸良さんから話を聞いたときには、なんてすばらしいテーマだろうと思って、このテーマに関して僕なりの意見をメルマガに書いたりもした。が、今、この本を読んでもなるほどと思うが、むちゃくちゃ重要な問題だとは実感できない。そんなことを言っている場合ではないという感が否めない。
まあ、長く読み継がれれば、景気が回復し、重要な問題になってくるテーマだろう。
ということで、多少、がっかりした僕の目に一冊の本が入ってきた。この本屋はいったい、どういう本屋なのだ。この本をこんな棚に並べるとは!ものの道理がわかりすぎ!
そのあと、いろいろと仕事を済ませて、急ぎの原稿をほったらかして、3時間その本に没頭!メッチャ感動!
まだ、消化できていないので、紹介は明日。お楽しみに!
本日はビジネス書の杜Award2008セミナー。こちらにレポート。
終わったあとで、佐々木さんと佐々木さんの知り合いの方2名と会食。ホテルに戻って、大好きな山口 智司の本を読む。
山口 智司「アウトロー経営者の履歴書―時代を創った社長たちの物語」、彩図社(2009)
この2~3ヶ月に読んだ本の中で、一番おもしろかった。山口 智司さんは視点がおもしろい。彼のアウトローシリーズを読んでいると、アウトローこそ、時代の先端をいくようなイメージを持ってしまうので不思議。
彼のアウトローというのはエキセントリックに近いのかもしれない。
ビジネス書の杜Award2008セミナーを開催しました。講師は
「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」
の著者の佐々木直彦さん。
例年、結構当日欠席の方がいらっしゃるので、それを見込んで今年は定員40名に対して45名の申し込みを受けましたが、結局、欠席は2名だけで、急遽、会場の住友汐留ビルにあるリブロ書店に本を買いに走る場面もありました。
この本を出版されたJMAMで、この本を世に出すきっかけを作られた方や、「プロデュース」をされた編集の方もいらっしゃっており、佐々木さんが話の中で紹介されるなど、佐々木ワールドという雰囲気でもありました。
強烈におもしろかった。っていうか、はまったというべきか。一気読み。小泉純一郎と麻生太郎はどちらがこわいか。この議論につきると思う。
田中 和彦「威厳の技術 上司編 (幻冬舎新書) 」、幻冬舎(2009)
日本人は形から入るというのは、守破離という思想でよく説明されるが、形からはいってよいものとそうでないものはある。
そうでないものの一つは、リーダーシップをはじめとする対人影響系の行動。守破離というのはもともと内面的な深まりを意味することなので、ある意味で当たり前か。
この本の中でも指摘しているが、「やさしい」上司、親しみのある上司というのが時代の流れである。ただし、このスタイルの突破は「優しいけど、尊敬され、命令以外の形で統制できる」ということだ。サーバントリーダーシップのような議論はあるが、統制を抜きにしては危機になると組織は成り立たない。表にでなくても、サスティナブルな組織であるための条件に統制というのは必ず必要だ。
やさしくなって部下からなめられているようでは話にならない。僕が会社に入った頃と比べると、なめられ度は比較にならない。
がんばれ、上司!
こういう話を体系化するというのは、ひょっとするとコンサルタントやトレーナーの夢かもしれない。
ケリー・パターソン、ジョセフ・グレニー、デヴィッド・マクスフィールド、ロン・マクミラン、アル・スウィツラー(千田 彰、本多 佳苗訳)「インフルエンサーたちの伝えて動かす技術」、PHP研究所(2009)
ただ、行き着く先はそんなに多様ではないように思える。
アラン・コーエンとデビッド・ブラッドフォードの「影響力の法則」と結果としての行動がそんなに違うわけではないように感じる。事例を読んでいると、通じる部分が多い。
アラン・コーエン、デビッド・ブラッドフォード(高嶋 薫、高嶋 成豪訳)「影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル」、税務経理協会(2007)
結局のところ、人間というのは比較的に思ったような行動をするということなのだろう。心理学のウンチクにみんなが興味を持つというのもそういうことなのだろう。
ただ、1対1の関係と、集団の中での関係性は大きく異なる。システムが生まれたときに、その中で行動をする人間の思考は異なる。
影響力をプロセスでとらえているアラン・コーエンに対して、この本はシステムとしてとらえていることだ。この本のすごいところはそこまで踏み込んだ議論をしていることだ。その意味で、すばらしい本だと思う。
今日から2月。2月のスタートはマイクロソフトものから。
マイクロソフトの分析はクスマノ先生の「マイクロソフトシークレット」をはじめとして、いくつもの良書がある。その中で強調されるのは、技術(標準)戦略や技術、プロジェクトマネジメントである。たとえば、最近、出版された本でよくできているなと思ったのが、これ。
トム佐藤「マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方」、新潮社(2009)
標準を巡る技術競争、戦略を非常にうまくまとめられており、興味深く読み進めていける。いままでありそうでなかった本だが、まあ、マイクロソフトの一般的なイメージを表している本だともいえる。
しかし、このようなイメージを一新する本が登場。
アンナ・ローリー(斉藤裕一訳)「リーダー・セラピー マイクロソフトの強さの秘密」、阪急コミュニケーションズ(2009)
リーダーシップ開発で世界中で、その取り組みがもっとも著名な企業はGEだと思うが、マイクロソフトにもGE顔負けの実態がある。
人材育成の担当の人はもちろんだが、IT系の企業のマネジャーは読んでみるといいだろう。事業をする、そして事業を育てるということがどういうことかよくわかるだろう。
ある意味で、技術だけで勝ち続けることができるのなら、こんなに楽なことはない。しかし、少なくとも21世紀になってからのマイクロソフトは技術的にはそんなに評価されていない。っていうか、ある意味でマイクロソフトのこれまでの歴史は技術的な評価で構成されてきたものではないような気がする。常にアップルと比較され、後塵を拝してきた歴史だ。
そこをカバーするのはマネジメントだというのが定説だ。特に、プロジェクトマネジメントを含む、プロダクトマネジメントだという認識が高い。たとえば、ビジネス書の杜の2006年のAwardに選んだこの本などは完全にそういうトーンで書かれている。
スコット・バークン(村上 雅章訳)「アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法」、オライリー・ジャパン(2006)
アンナ・ローリーの本を読むと、マネジメントとしてマイクロソフトがやってきたことは何だったのかがよくわかる。大きくイメージが変わる。
そして、この2冊を読み合わせると、プロジェクトマネジメントの成熟のために組織がすべきことは何かを思い知らされる。この点については、また、記事に書く。
タメ日記に効用?この人も早稲田だ。ローランド・ベルガー会長、早稲田大学教授遠藤功さんの現場力の新刊。
遠藤 功「現場力復権―現場力を「計画」で終わらせないために」、東洋経済新報社(2009)
現場力ブームを引き起こした方。そのきっかけになった本はこれ。
遠藤 功「現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件」、東洋経済新報社(2004)
この本はたいへんなインパクトだった。買ったあとですぐに2~3回繰り返して読んだ。その後も時々、読んでいる。遠藤さんはこの本のあとも何冊も、現場力に関する本を書かれているが、どうもこの本の焼き直しのような感じであまり面白くなかった。
が、やっと本家の後継が出てきたという感じだ。やはり、ケースを中心に書かれており、どちからというとなぜ、うまく行かないかを分析されている。読み応えがある。
遠藤さんといえば「現場力を鍛える」という感じだが、僕が一番、評価している本はグロービスのMBAシリーズとして出版されているこの本。
グロービス「MBAオペレーション戦略」、ダイヤモンド社(2001)
紹介しようと思ってアマゾンをみたら、ボロボロの評価ですなあ。
この分野はこの10年間くらい、すごく進歩しているところなので、ケースが古いというのは仕方ないとしても、この本が「浅い」なとと批判されるところに、今回の新刊で議論されている問題点の本質があるような気がするが、、、
う~、ついに1日以上遅れてしまった。29日の日記!?
こういう本がある。
ロバート・ケリー(牧野 昇訳)「指導力革命―リーダーシップからフォロワーシップへ」、プレジデント社(1993)
フォロワーシップをうたった本で、バイブル的な存在になっている。日本でも当代きってのオピニオンリーダーであった牧野昇さんが翻訳されたので話題になった。僕と同年代の方だとお読みになった方も多いかもしれない。
この本の原題は「Power of Followership」)である。本をみたときに、リーダーシップの勉強をかじりかけていた僕は、このタイトルはないだろうと思った記憶がある。リーダーシップとフォロワーシップは対比するものではないと思った。今でもそう思っている。先日、「一つ上のプロマネブログ」にこんな記事を書いたが、リーダーシップとフォロワーシップではミメロギアにはならない。
と思っていたのだが、同じタイトルの本が出てきた。なんと!!
中竹竜二「リーダーシップからフォロワーシップへ」、阪急コミュニケーションズ(2009)
ただし、ロバート・ケリーと同じく、内容はすばらしいと思っているので、いずれくわしく紹介したい。
中竹さんは、このケリーの本を訳した牧野昇さん(故人)と同じ三菱総研の出身で、早稲田のラグビー部監督。ロバート・ケリーの影響を強く受けているように思える内容。指導的立場からのフォロワーシップという視点で書かれているので、プロジェクトマネジャーには大いに参考になると思える。ロバート・ケリーも読んだ方がよいと思うが、絶版、、、
そういえば、この日記で以前、早稲田の陸上部の渡辺 康幸監督の本
「自ら育つ力 早稲田駅伝チーム復活への道」、日本能率協会マネジメント 出版情報事業(2008)
を紹介したが、早稲田史上でもトップレベルだと言われたチームが、東洋大学の1年1人に見事にやられましたなあ、、、勝ったらもっとこの本も売れてただろうけど。
早稲田のラグビー部も今年は8年ぶりに対抗戦で負けた。
やはり、リーダーシップや育成というのは難しいなあ、、、ビジネスと違って短期間で結果が出るので、本作りも難しいよなあ、、、
このブログの読者の大卒率を大学進学率と同じと仮定してフェルミ推定すると、このブログの読者に早稲田の出身の方は300人はいらっしゃると思うので、もう、これ以上書かない(笑
読んだ本の感想は、当日、悪くても翌日の午前中には日記に書こうと決めているのだが、とうとう、こんな時間になってしまった。昨日の日記です。
上司が部下育成にイノベーションをしようとしたときに、部下はどういう態度をとるのだろうか?現場でみている範囲では、人材育成には「プロトコル」がある。
水野 秀則「改善で終わる上司、革新できる上司」、PHP研究所(2009)
つまり、部下は部下で、こう育成されたいという事前期待がある。この事前期待に背くと、上司を非難するところまではいいとしても、それでそっぽを向かれてしまったのではどうしようもない。
そんなことを思った。書いていることはきわめてまっとうだと思うし、僕は好きだが。
先週末からプロジェクトマネジメントのメルマガのネタ作りに、英語の本を3冊読破。
さすがにこの分野だと単語に困ることはあまりないが、やはりパフォーマンスは悪い。3冊読むのに結局、15時間くらいかかっている。
これが日記が停滞したというか、それ以外の本を読んでいない原因。
せっかくだからタイトルだけ紹介しておこう。
Aaron J. Shenhar, Dragan Milosevic, Dov Dvir, Hans Thamhain"Linking Project Management to Business Strategy",Project Management Inst(2007)
Aaron J. Shenhar, Dov Dvir"Reinventing Reinventing Project Management: The Diamond Approach to Successful Growth & Innovation",Harvard Business School Pr(2007)
Parviz F. Rad"Charting a Path to Project Management Sophistication",Project Management Excellence,(2007)
ということで、今日から復帰。
一冊目は、共著者の一人から戴いた本を日中の移動中に電車の中で細切れに読む。
石井 淳蔵、清水 信年、西川 英彦、吉田 満梨、水越 康介、栗木 契「ビジネス三國志―マーケティングに活かす複合競争分析」、プレジデント社(2009)
着眼点がおもしろい。よくこれだけケースを探したなという感じ。ただ、とってつけた感がなくもない。セグメントの定義の問題だ。どれがと書くと、多少まずいので、書かない。ただ、いずれの論文(?)もエピソードを丁寧に拾っているので、読み物としては文句なくおもしろい。ケースの石井先生の面目躍如といったところか。
はい、ケースといえばこの本がすばらしい。
ハワード・ビーハー、ジャネット・ゴールドスタイン(関美和訳)「スターバックスを世界一にするために守り続けてきた大切な原則」、日本経済新聞社(2009)
スターバックスものは洋物、日本物を問わず、外れがない。この本もよい。共感できる。
スターバックスものは、ジョセフ・ミケーリのグリーンエプロンブックの本で出尽くしているのかと思えば、まだまだ、奥があるようだ。
ジョセフ・ミケーリ(月沢李歌子訳)「スターバックス5つの成功法則と「グリーンエプロンブック」の精神」、ブックマン社(2007)
ハワード・ビーハーの本は米国でも話題になった本。原書のタイトルは「It's NOT about the coffee」。まさに、コーヒーだけの話ではなく、本人が言っているとおり、人とコーヒーの話だ。
実は、この関係性が大切だったりする。品質だけの問題ではない。トヨタにはトヨタのエンジニアやラインワーカーのイメージがあるから、カローラが売れるのだ。
最初にお知らせ。今日、49回のプレゼント企画ページをアップした。49回は、田中ウルヴェ京さんの本。日実さんの提供。こちら。
昨日の日記にディスカヴァーの干場弓子さんのコメントがあった。どなたかが、ディスカヴァーのブログの小池さん本の記事にビジネス書の杜のことを書いてくださり、それを読まれてこちらの記事にコメントしてくださったということらしい。
ありがとうございました。
さて、本日は東京から島根に出張。途中で大阪にミーティングで立ち寄ったので思わぬ長旅に。ずっと本を読んでいた。
まずカバンから取り出したのは、
リコ・ドゥブランク「情熱仕事力―PASSION for SERVICE」、オータパブリケイションズ (2009)
いい本だなあ。リコ・ドゥブランクのキャリアから最近、日本でもやたらと出ているホテルサービスの本と思いきや、全然違った。どんな分野にも通じるというか、どんな分野でもエクセレンスになるリーダーシップの本だ。
このブログでは取り上げていないが、ニューヨークでユニオン・スクエア・カフェを展開しているダニー・マイヤーの
ダニー・マイヤー(島田 楓子訳)「おもてなしの天才―ニューヨークの風雲児が実践する成功のレシピ」、ダイヤモンド社(2008)
を読んだ時にも感じたのだが、サービス業では今マネジメントの確立の重要性が訴えられているが、逆にマネジメントが卓越したサービスから学ぶことがきわめて多いのではないかと思う。リコ・ドゥブランクとか、ダニー・マイヤーはまさに、マネジメントのメンターである。
次に取り出したのが、この本。
鎌田 浩毅「ブリッジマンの技術」、講談社(2008)
人のフレームワークをつなぐブリッジマンという発想はおもしろい。本としても、例がいろいろと書かれており、引き込まれるように読める。
が、読後にふっと、計画された壮大なレトリックではないかという疑惑が頭に浮かんだ。この疑惑を持ちつつ、そのうち、もう一度読みたい。
で、次に読んだのはこれ。
三谷 宏治「正しく決める力―「大事なコト」から考え、話し、実行する一番シンプルな方法」、ダイヤモンド社(2009)
この本は早いうちに紹介記事を書きたいので、日記では一言だけ。
まことにそのとおり!
で、最後に取り出したのはこの本。途中で松江についてしまった。
期待の翻訳物にも関わらず、到着時間を意識しながら流し読みしたので、もう一度読み直すと思うが、とりあえずご紹介。
スコット・ペイジ(水谷 淳訳)『「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき』、日経BP社(2009)
一様な優秀なチームより、多様性があり能力に劣るチームの方が優れた成果を出せるという事実の発見から、多様性が能力に勝るメカニズムをフィールドワークで確かめた本。日本の組織には結構衝撃の一冊ではないかと思う。適材適所ではないぞ!
ダイバーシティを社会活動だとしか考えていないような経営者にぜひ読ませたい。もう一度精読し、紹介記事を書く。
ジェームズ・スロウィッキー(小高 尚子訳)『「みんなの意見」は案外正しい』、角川書店(2006)
に影響を受けているといっているが、むしろ、ジェームズ・スロウィッキー本とは補完関係にあるような本だ。
いや~、やっと出ました。
Hard facts Dangerous Half-Truths&Total Nonsense
ジェフリー・フェファー、ロバート・サットン(清水 勝彦訳)「事実に基づいた経営―なぜ「当たり前」ができないのか? 」、東洋経済新報社(2009)
なんと訳は清水先生じゃないですか。奇跡の出会い!英語で一度読んでいたが、早速、時間を気にしつつも、熟読してしまった!
それにしても気になるのは、オビの宣伝!?
ジェフリー・フェファー(奥村哲史訳)「影響力のマネジメント」、東洋経済新報社(2008)
清水 勝彦「なぜ新しい戦略はいつも行き詰まるのか? 」、東洋経済新報社(2007)
この2冊はわかる。著者と訳者だ。紹介記事は書いていないが、ジェフリー・フェファーの本は役立つし、清水先生の本はおもしろい。
ジェームズ・フープス(有賀 裕子訳)「経営理論 偽りの系譜―マネジメント思想の巨人たちの功罪」、東洋経済新報社(2006)
えっ!紹介記事はこちらにある。
三品 和広「戦略不全の因果―1013社の明暗はどこで分かれたのか」、東洋経済新報社(2007)
う~ん、、、
長瀬 勝彦「意思決定のマネジメント」、東洋経済新報社(2008)
ここに並ぶのか?
三品先生も尊敬しているし、この研究もよい研究だと思う。素人に言われたくはないだろうが。長瀬先生の本は難しくてよくわからなかった。
でも、ジェフリー・フェファー、ロバート・サットンはここに並ぶのか、、、ちょっとショック。それにしても、東洋経済はディープなマネジメント書を出している、、、
ということで、テンションの下がらぬうちに、また、読んでしまった。
小池 龍之介「煩悩リセット稽古帖」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2009)
これをビジネス書の杜で紹介するのは気がひけるが、1ヶ月くらい前にこのコーナーで「偽善入門」を紹介したら、なんとこれまでに10冊以上売れているじゃないですか。正確には14冊。うち2冊は誰が買ったかわかっているが、あと12人もいる!!むう~。
ファンの皆様、お待ちかねですよ!
今度はなんとディスカヴァーだ!得意のプロモーションで売りまくってメジャーにしたって!
実は、偽善入門を読んだ日に、もう一冊読んだ本が、Award2008の「プロデュース能力」。この日の日記を読んだプロデュース能力の著者佐々木さんは小池 龍之介さんにはまったらしい(笑)。プロデュース能力は、渋谷、目黒、恵比寿あたりがよく出ているそうだが、小池 龍之介さんというのは月読寺(オフィス?)が世田谷にあるだけあって渋谷系かもしれない。
今度の本、写真が載っているので、表紙を載せておこう!イケメン!?
サービスサイエンスという言葉がある。サービスマネジメントとどこが違うのかと思っていたのだが、この本を読んでよくわかった。これは、サービスエンジニアリングだ。
諏訪 良武(北城 恪太郎監修)「顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント」、ダイヤモンド社(2009)
確かに、サイエンスである。IBMの北城さんが熱心に活動されている理由もわかった。SIサービスにはこっちのサービスマネジメントよりフレームワークの方が向いているのだろう。
ただ、違和感のある部分もある。これだけ体系的が議論をしておきながら、なぜ、品質マネジメントが明確に位置づけられていない点。ある意味で不可解である。
その点も含めて少し勉強してみよう!アマゾンで検索したら、何冊か本もあるようだ。
やっと次のビジネス書の杜書籍プレゼントの対象書籍
田中 ウルヴェ 京「立ち止まってもすぐに前進できる 「打たれ強い心」のつくり方」、日本実業出版社(2008)
を読んだ。スコープが広すぎるなあ。ただ、読み物としては、ふんだんに著者の知識が盛り込まれているし、しっかりと作ってあるので、おもしろく読める。
紹介記事はこちら。
もう1冊。大好きな加藤昌治さんの新作。
加藤 昌治「アイデアパーソン入門」、講談社(2009)
QAを中心に説明を深めていく手法はおもしろい。内容は、深すぎてさっと読んだだけではよくわからなかった。加藤さんの本なので、紹介記事を書くと思うが、もう少し、読み込んでみないとなんともいえない。指南役さんの「考え方の考え方」と比較すると、深いような気もするが、複雑になっているような気もする。
田中 ウルヴェ 京「立ち止まってもすぐに前進できる 「打たれ強い心」のつくり方」、日本実業出版社(2008)
お奨め度:★★★★
「チャンスをピンチに変える打たれ強い心」をつくるをテーマに、シンクロナイズドスイミングのオリンピックメダリストである著者がコーピングをベースにしたメンタルトレーニングの方法についてまとめた一冊。
高橋 宣行「真クリエイティブ体質 観察・洞察で磨く発想力」、PHP研究所(2008)
お奨め度:★★★★1/2
元博報堂の制作部長高橋宣行さんのクリエイティブワーク論。「感じる」が足らないというテーマで、現場で五感で考えることを基本にしたクリエイティブな活動のあり方を論じている。
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