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2013年3月18日 (月)

【プロジェクト活用講座】第1回 改めて考える 「プロジェクトとは何か」

Project1_2 ◆プロジェクトの定義

プロジェクトという言葉はあまり明確に定義されていないが、どこの会社でも、あちこちにプロジェクトという言葉が飛び交っているような時代になってきた。

「プロジェクトとは何か」という問いを真剣に考えてみた人はそんなに多くないのではないかと思う。仕事というくらいの感覚で、気軽に使われている。

PMBOK(R)で定義されているではないかという意見もあると思う。PMBOK(R)では

・新規性:何か新しい要素がある
・有期性:最初と終わりが明確である
・段階的詳細化:業務の進行とともにさまざまなことが決まってくる

の3つの特徴を持つ活動がプロジェクトだと定義されている。この定義はプロジェクトマネジメントの視点からの定義であり、プロジェクトの一面をとらえているが、これですべての人が納得するような類のものではない。

◆プロジェクトのキーワード

そもそも、何を指すものなのかもあまりはっきりしない。仕事を指す場合もあれば、チームを指す場合もある、あるいは、仕事とチームを併せた活動を指す場合もある。

それがどのような性格のものかと言う場合、

・ビジョンやミッションを実現する
・想いを遂げる
・目的を達成する
・計画を練る
・ビジョンを共有するチーム
・リスクをとって挑戦する

といった言葉がキーワードになっていることが多い。

◆プロジェクトの新規性は目的か、結果か

PMBOK(R)のプロジェクトの定義はマネジメントの視点からの定義であると述べたが、その中でポイントになっているのは「新規性」である。納期はどんな仕事でもあるので、新規性のあることがプロジェクトの特徴であると思っている人が多い。

特に技術者は「新しいこと」に惹かれる。すぐに、新しい技術、誰もやっていない技術をやろうという話になる。これが新規性にこだわる理由にもなっているように見える。

しかし、これは本末転倒である。新しいからプロジェクトでやるわけではない。ビジョン、簡単にいえば「やりたいこと」を実現するのがプロジェクトである。

◆プロジェクトの前提

た だし、ここに一つ、大きな前提がある。それは、プロジェクトリーダーやプロジェクトメンバーがやりたいことというのは、もっとも大きな意味では自分たちの 組織を成長させることだという前提だ。この前提を無視し、「どうせ、会社は分かってくれないから自分たちで、、、」などと言い出すと話がおかしくなる。

プロジェクト活動の立上がりの流れとして一般的なのは

テーマの提案(事業計画)
→組織としてこういうプロジェクトをやってほしいと表明(プロジェクトリクエスト)
→こういうプロジェクトをやりたいと提案する(プロジェクトプロポーザル)
→組織として提案を承認してチャーターを発行する
→プロジェクトが計画を作って実行する

と いうものである。つまり、組織を成長させたいという強い想いを持って、提案をするということが大前提だ。もちろん、金も人もリソースには限りがあるし、経 営レベルのコンティジェンシーにも限りがあるので、提案は受け入れられるとは限らない。でも、何とか実現したい。これが想いというものだ。

◆技術的新規性は目的になるか

技術的に新しいことをやることこそ想いだという人もいると思う。一昔前であれば、新しい技術を開発し、それを使って何か商品を作ろうといった活動を平気でしていた。

こういう考え方はだんだん通用しにくくなっている。因果関係が変わっていて、求められているのは新しい利便性を与える商品やサービスである。開発されるべきは技術ではなく、商品やサービスである。

もちろん、そこで新しい技術が必要になる可能性は極めて高い。

このような活動の中で、プロジェクトの重要性は高まっている。プロジェクトとして「多様性」のある人が集まり、いろいろな立場からアイデアを出すことこそが、新しい商品やサービスの開発につながっていく。

◆なぜ、プロジェクトで仕事をするのか

視座を変えて、なぜ、プロジェクトで仕事をしたいのかと考えてみると、このあたりの事情がよりはっきりと見えてくる。

かつて経営の考え方はできることをやって稼ぐことだった。規模の経済性の時代だ。生産のための設備を導入し、設備を使って仕事をする組織を作る。そして、できることを探し、商品を開発し、生産をして稼ぐ。

ところが、市場の多様化が進み、大量生産が時代遅れとなってくると、できるものを作るという発想では経営が成り立たなくなってきた。市場が必要なものを作ることが求められるようになった。そして、ライフサイクルも短くなった。

さらに最近では、市場や顧客・ユーザが必要なものを探し、それを提供することを求められるようになってきている。

二番目、あるいは三番目では、求められているものを作れるという保証はない。しかし、提供しなければ市場や顧客から見捨てられる。だから、プロジェクトでリスクをとりながらやっていくのだ。

こ こで興味深いのは、三番目のケースでは、やはり、プロジェクトの想いが重要になってくる。三番目のケースを「正解探し」のようなとらえ方をしている人が少 なくないが、正解はない。探すのではなく、開発するのだ。言い換えると、プロジェクトが想いを持って開発する商品やソリューションを、市場の正解だと思わ せるわけだ。これがプロジェクトで行うことのもっとも重要な意味である。

◆この連載について

この連載は、いわゆ るITプロジェクトのように発生的にプロジェクトができ、それを何とかうまくやり遂げなくてはならないという発想ではなく、プロジェクトという考え方を 使って如何にやりたいことをやるかという発想で、プロジェクトの活用方法やプロジェクトマネジメントのあり方について考えていきたいと思っている。

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。