魅力要因を生み出す「デザイン思考」
PM養成マガジン10周年記念セミナーの第3回のテーマは「デザイン思考」です。この記事では、なぜ、デザイン思考をプログラムにいれたのかについて、お話したいと思います。
狩野紀昭先生が提唱された顧客の要求事項のレベルを示す「kanoモデル」というモデルがあります。日本だけではなく、海外の書籍でも取り上げられるような有名なモデルです。
kanoモデルによると、顧客要求事項には3つのレベルがあります。
(1)不満要因
(2)満足要因
(3)魅力要因
の3つです。不満足要因は、整わないと顧客の不満が起こるような要因です。商品やシステムの品質などが該当します。整えば、顧客は当たり前だと思うだけで、満足するまでには至りません。
満足要因は、整えば顧客が満足する要因です。一般的に顧客の要求というのは、顧客のヒヤリングをしたり、顧客の声などで収集するため、満足要因を指すことが多くなります。
問題は、満足要因を追い求める先に何があるかです。日本の中小企業は非常に技術力が高く、メーカの求める高品質、高機能な部品を提供し、メーカの国際競争力を支えてきました。しかし、一方で、部品の調達コストは確実に削減され、ある時期からほどんど儲からなくなってきました。
顧客満足を追いかけるだけでは、確実にこういうことが起こります。では、どうすればよいのか。
中小企業の例で言えば、今でも儲かっているのは、メーカの要求以上の部品を開発し、自社の独自技術を身につけている企業です。このような企業はメーカに対して、メーカの発想を超えた提案ができ、取引のイニシャティブをとれるから儲かるわけです。
このような要因を狩野先生は、「魅力要因」と呼ばれています。つまり、顧客やユーザとの間に、持続的な関係を作るには魅力要因が欠かせません。
魅力要因を持つ商品を作るのと、満足要因しかない商品を作るのに、技術力の差があるかといえば、そんなことはありません。満足要因を整えるには、顧客の大抵の要求に応えなくてはならないわけで、並大抵の技術力ではありません。
では、何が違うのでしょうか。顧客の潜在的なニーズを読み取ることができるかどうかの違いです。
もうお分かりいただけたと思いますが、魅力要因を整えていくには、デザイン思考を活用し、顧客の潜在的なニーズを読み取ることが近道、あるいは唯一の道なのです。
今、どのような分野でも求められているのは、魅力要因を生み出すことです。特に、上に書いてきた中小企業とオーバーラップするのは、IT企業で、IT企業にはデザイン思考が不可欠です。
多くの企業が声を揃えてイノベーションと叫んでいる正体はこれです。その原動力となる、デザイン思考について、学び、体験してみませんか?
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆開催決定☆━
【PM養成マガジン10周年記念セミナー】
第3回 未来のユーザー要求を創出する方法としてのデザイン思考
日時:2012年06月09日(土) 13:30-16:30(13:00受付開始)
場所:カタリストBA(東京都世田谷区)
講師:棚橋弘季 (株)コプロシステム 商品計画研究所シニアコンサルタント
詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/pm_magazine10_3.htm
主催 PM養成マガジン(運営:PMstyle)
3PDUを発行します。
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【カリキュラム】
・講義
・ワークショップ1 行動観察
・ワークショップ2 観察結果に基づく分析~ブレインストーミング
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(好川哲人・PMstyleプロデューサー)
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