【10周年】第1回はプロジェクトマネジメントをもっとクリエイティブにしたい変革リーダーのためのワークショップ
PM養成マガジン編集長の好川哲人です。
10周年記念セミナーの第1回(開催決定)のセッション(開催決定)では、野村恭彦(のむら・たかひこ)さんをファシリテータにお迎えして、ゲームストーミングの体得ワークショップを行います。
野村さんは、国際大学GLOCOM主幹研究員「イノベーション行動科学」プロジェクトリーダー、富士ゼロックス株式会社 KDI(ナレッジ・ダイナミクス・イニシアティブ) シニア マネジャー、K.I.T.虎ノ門大学院ビジネスアーキテクト専攻 客員教授を併任されており、イノベーションマネジメントに深い知見をお持ちの方です。
今日は、このセッションへの理解を深めて戴く目的で、ゲームストーミングとはどんなものなのかを
・ゲームストーミングとは何か
・ゲームストーミングというビジネスプロセス
・ゲームストーミングのプロジェクトでの使い方
・野村 恭彦さんからのメッセージ
という順で、ご紹介したいと思います。
◆ゲームストーミングとは何か
ゲームストーミングとは
ゲームのアルゴリズムと視覚的効果および効用を利用してグループワークを促進させる手法・技術・行為の総称
と定義されています。簡単にいえば、ゲームを活用してチームワークやチームによる意思決定を行う手法のことです。
ゲームというと、テレビゲームやケイタイゲームを思う浮かべる人が多いと思いますが、ゲームストーミングでいうゲームはもう少し、一般的な概念です。ゲームストーミングでいう、ゲームとは
・ゲーム空間
・境界(時間的な境界と空間的な境界)
・ルール
・道具
・ゴール
の要素があり、
1.想像
2.構築
3.開幕
4.探索
5.閉幕
という展開がされる活動のことです。もっと詳しく知りたい方は、野村さんが監訳されているゲームストーミングの解説書
Dave Gray、Sunni Brown、James Macanufo(野村 恭彦監訳、武舎 広幸、武舎 るみ訳)
「ゲームストーミング ─会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム」、
オライリージャパン(2011)
をご覧ください。
ゲームをこのように定義をすると、プロジェクトそのものがゲームであると解釈することもできますが、ゲームストーミングでいうゲームは、もう少し、小さな活動です。
こちらにDave Gray、Sunni Brown、James Macanufoの書籍で紹介されていますゲームのタイトルの一覧があります。
【PM養成マガジン・10周年】ゲームストーミング~ゲーム一覧
全部で87のゲームが準備されています。
◆ゲームストーミングというビジネスプロセス
ゲームストーミングは、ビジネスプロセスに相当するものです。つまり、プロジェクトマネジメントにゲームストーミングを適用しようとすれば、
立上げ→計画→実行→監視・コントロール→終結
の代わりに、
開幕→探索→閉幕
というプロセスを実施し、その中でゲームを使ってプロジェクトを進めていくことになります。
なのですが、プロセスとして
立上げ→計画→実行→監視コントロール→終結
というプロセスはそのままにして、それぞれにふさわしいゲームを行いながら、プロジェクトを進めていくという活用方法もアリです。その場合、ゲームとの関係は
開幕:立上げ、計画
探索:計画、実行、監視・コントロール
閉幕:終結
と置き換えるとスムーズに使えます。
◆ゲームストーミングのプロジェクトでの使い方
好川は、プロジェクトマネジャーとしても、コンサルタントとしても、プロジェクトでゲームを活用するのが好きな人です。
たとえば、進捗会議も毎回、同じような報告をしているだけでは形骸化するので、よくゲームを取り入れます。取り入れ方としては、その日にアジェンダしたいことに合せて、ゲームを選び、使います。実は、ゲームというかどうかは別にして、この種のチームアクティビティは研修講師向けにガイドブックが数多くに出版されていますので、そこからゲームを探してきて、実施してみるのです(ただし、日本ではほどんどありません)。
たとえば、顧客との関係を考え直した方がいいなと思う局面があれば、
Pain-Gain Map(損得マップ)
~顧客の損得感情を理解するゲーム
といったゲームを行います。たとえば、計画変更を行う進捗会議では、
The Blind Side(盲点)
~盲点がないかを多面的に検証するゲーム
を行います。そんな感じです。
また、PMstyleが提唱しているアジャイルプロジェクトマネジメントでも、ゲームをプラクティスとして活用しています。現在、プラクティスは43個ありますが、ゲームストーミングのゲームとオーバーラップしているものが20個以上あります。
以上のように、ゲームストーミングはプロジェクトマネジメントと非常に親和性の高いものであり、かつ、プロジェクトの進め方を画期的に変える可能性を秘めています。野村さんからゲームストーミングについて学ぶ機会は少ないと思いますので、この機会にぜひ、ゲームストーミングを体得しませんか!
◆野村 恭彦さんからのメッセージ
最後に、野村さんからの皆様へのメッセージです。
このセミナーにご参加戴いたいのは、システム企画・開発、商品企画・開発、組織開発、経営企画など、あらゆるプロジェクトマネジメントを
「もっとクリエイティブにしたい」
と考えている変革リーダーの皆さまです。
ゲームストーミングに出ている87の手法の一部を体得すれば、会議のムードをがらっと変え、チームはホットになり、プロジェクトは困難に立ち向かうことができるでしょう。お待ちしています。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【PM養成マガジン10周年記念セミナー】
第1回 ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法
日時:2012年02月11日(土) 13:30-16:30(13:00受付開始)
場所:カタリストBA(東京都世田谷区)
講師:野村 恭彦(のむら・たかひこ)氏(国際大学GLOCOM)
詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/pm_magazine10_1.htm
主催 PM養成マガジン(運営:PMstyle)
3PDUを発行します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【カリキュラム】
13:30-14:00 プレゼンテーション:
テーマ:「仕事を効率的プロセスから創造的ゲームに変える」
14:00-15:00 ゲームストーミング体験(1)
テーマ:「プロジェクト推進の課題は何か?」
ゲーム(1):3-12-3 ブレインストーミング (3-12-3 Brainstorming)
ゲーム(2):アンチプロブレム (The Anti-Problem)
レビュー
15:00-16:00 ゲームストーミング体験(2)
テーマ:「ユーザ中心のプロジェクトに変えるには?」
ゲーム(3):ボディストーミング (Bodystorming)
ゲーム(4):共感図法 (Empathy Map)
レビュー
16:00-16:30 クロージング
ゲーム(5):思い出の壁 (Memory Wall)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
なお、お得な6セッション一括の申し込みもあります。ご検討ください。
「プロジェクトマネジメントを深化させるもの
~センスのよいプロジェクトマネジャーになるための6つのスタイル」
【セッション一覧】
<ゲームストーミング>ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法
講師:野村恭彦氏(国際大学GLOCOM)
日時:2012年2月11日
<システム思考>システム思考は私たちに何をもたらすか?
講師:小田理一郎氏((有)チェンジ・エージェント)
日時:2012年4月9日
<デザイン思考>未来のユーザー要求を創出する方法としてのデザイン思考
講師:棚橋弘季氏((株)コプロシステム)
日時:2012年6月9日
<リフレクション>プロジェクトの経験から学ぶ力をつける
講師:嶋田至氏、広瀬義浩氏(LLCチーム経営)
日時:2012年8月4日
<ユーザ主体>ユーザ主体開発~組織学習とプロジェクトマネジメントの推進
講師:谷島宣之氏(日経BPビジョナリー経営研究所)
日時:2012年10月17日
<オープンリーダーシップ>ソーシャル時代のオープンリーダーシップ戦略
講師:阪本啓一氏((株)JOYWOW)
日時:2012年12月8日
コメント