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2006年9月 3日 (日)

【補助線】PM研修に必要な条件

pmstyleでは、研修に必要な条件として

【条件1】経験を意味づけ、経験に弾みをつける

【条件2】研修をスタンドアロンで完結させず、プロジェクトマネージャーとしてのアサインに連動させる

【条件3】研修をトップマター(事業部)だと認識する

の3つを掲げ、これに基づいて研修をデザインしている。

条件2は制度上実現困難な企業が多いが、残りの2つの条件はやろうと思えばできる。特に、条件1は重要だ。

経験が重要だというのは多くの人が言うが、経験はしっぱなしでは意味がない。難しい言葉でいえば概念化ができて初めて経験の意味があるし、学習につながる。例えば、失敗したときになぜ失敗したのか、うまく行ったときになぜうまく行ったのかをきちんと分析し、概念化をする。これはレッスンズラーンドの一つであるが、ここで、単にノウハウとして蓄積するだけではなく、理論との結び付けをすることが重要である。プロジェクトマネジャーに対する研修ではこれが最も重要な事項であろう。

それができて初めて、応用力のあるノウハウになるし、また、次の新たな経験につながる。例えば、自分なりに行っている進捗管理が実はEVと同じ原理で行っているというのはよく見かける現象である。

その際に、自分のやり方がEVと結びつけばEVの世界で発見されていること(手法)やノウハウを纏めて使うことができるようになる。そして、それらの手法を自分のやり方に加えることによってさらに、自分のやり方が幅を持つようになる。これが経験を意味づけ、さらに、経験に弾みをつけることだ。

ちなみに上のような条件を考えた弊社のトレーニングはキャリア段階にあわせ、以下の4段階としている。

【ステップ1】
プロジェクトマネジメントの基礎知識を身に付ける

【ステップ2】
プロジェクトマネージャーとしての行動規範を身につける(PMコンピテンシーの獲得)

【ステップ3】
業務の中で遭遇した問題に立ち返り、経験を分析し、必要な知識を補給する

【ステップ4】
業務経験を振り返り、自分のプロジェクトマネージャーとしての特性を知り、自分のスタイルを作っていく

ステップ3、ステップ4の段階においては上に述べたような経験の意味づけと、弾み付けができて初めて研修としての意味が持つことを忘れてはならない。しかし、この指摘をすると、多くの人は、そんな理論を持ち出さなくても分かっているし、できているという態度を取る。もう少し、謙虚にありたいものだ。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。