« 【プロジェクトマネジメントをコンセプチュアルにしよう!】第10回(最終回) プロジェクトマネジャーとしてのコンセプチュアルスキルを高めるには | メイン | 【イノベーション戦略ノート:057】質的効率を追求し、イノベーションを行う »

2014年10月27日 (月)

【イノベーション戦略ノート:056】イノベーションをデザインする

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆イノベーションをデザインする

Design1

イノベーションはデザインできるかという議論がある。「イノベーション・イニシアチブ」的な立場からいえば、イノベーションはデザインできるし、デザインされるべきである。

といっても、これから1年間で新しい〇〇技術を開発し、3年後にこれこれのスペックの製品を開発しますといったイノベーションのデザインはできるわけではない。これは誰が認識するところだろう(そう認識しない企業のトップもいるが)。

このことから、しばしばイノベーションは計画的に行うことはできない。トップがコミットメントして、自由にやらせるべきだという話になるのだが、これも間違いだ。金に糸目はつけない、時間も問わない、わが社の今後10年を支える創造的な技術や製品をつくってくれなどいう話はほぼありえない。

この議論の折り合いどころがデザインである。


◆何をデザインするのか

ではイノベーションのデザインというのは、何のデザインか。

イノベーション活動のデザインだといってもいいし、イノベーションプロジェクトのデザインだといってもいい。イノベーションアーキテクチャーのデザインだとも言える。

言い方はなんでいいが、イノベーションはデザインされなくてはならない。


◆デザインで明確にすること

ではデザインするとはどういう行為か。大きく分けると2つのことを明確にすることである。一つ目はマニフェスト。ここでは

・イノベーションの必要性
・重点分野
・イノベーションへの決意
・アイデアの検討をする確約
・ポジティブなスタンスの表明
・提案されたアイデアの管理・評価方法
・従業員への要望

といったことが明確にされなければならない。

二つ目はアークテクチャー。ここでは

アーキテクト:プログラムマネジャー
ビジョン:そのイノベーションによってどのような影響(インパクト)を生み出したいか
ゴール:インパクトを得るためにどのような価値を生み出したいか
制約:そのイノベーションの活動を行うための制約条件(お金、時間など)
評価:価値の評価方法
シナリオ:イノベーションが成功するまでのシナリオ(複数)
レジリエンス:試みが失敗したときの立て直しの方法
システム化アプローチ:インパクトを事業展開するアプローチ

といったことが明確を明確にしなくてはならない。


◆イノベーション・イニチアチブとプロジェクト・イニチアチブ

このようなデザインに基づく取り組みをイノベーション・イニシアチブと呼び、前回述べたようにこれらは戦略イニシアチブの一環として行われる。

重要なことは、実際の作業と活動は別物だということだ。このようなデザインの下で、自由にイノベーションを生み出す作業を行う。思ったように価値や影響を生み出せない場合には、シナリオに則り、次に進むことで試行錯誤を繰り返す。これがイノベーションという活動である。

そして、PMstyleでは広い意味でのイノベーション活動のデザインのフレームワークとして、プロジェクト・イニシアチブという概念を提唱している。


◆関連セミナー

プロジェクト・イニシアチブのセミナーを開催します。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆プロジェクト・イニシアチブの基本               ◆7PDU's
  日時・場所:(東京)2014年 11月 06日(木)  10:00-18:00(9:40受付開始)
            銀座ビジネスセンター(アクセス) (東京都中央区)
        (大阪)2014年 12月 15日(月)  10:00-18:00(9:40受付開始)
            大阪市中央公会堂(アクセス) (大阪市北区)
  講師:好川哲人(エムアンドティ・コンサルティング)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/initiative.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  【カリキュラム】
   1.プロジェクトイニシアチブとは
   2.プロジェクトデザインの手法と実践
   (1)プロジェクトのデザインとは
   (2)プロジェクトデザインのプロセス
   (3)デザインの手法
   3.プログラムとポートフォリオ
   4.さまざまなイニシアチブの進め方
   5.デザイン思考とプロジェクトイニシアチブ 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

コメント

コメントを投稿

PMstyle 2024年11月~2025年3月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Googleメニュー

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google

最近のトラックバック

Powered by Six Apart

プロフィール

フォトアルバム

好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。