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2014年9月30日 (火)

【ブックレビュー】コミットする力 いつもの仕事をスペシャルな冒険に変える

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ジョン・ヤンツ(高橋 璃子訳)「コミットする力 いつもの仕事をスペシャルな冒険に変える」、阪急コミュニケーションズ(2014)

単行本><Kindle版

カリスマコンサルティング、ジョン・ヤンツがコミットメントについて書いた一冊。コミットメントとは

「責任を持って関わること」

であるが、この本ではジョン・ヤンツらしく、魂だといい

仕事に愛する意気込み、力強い文化、相乗効果を生み出すコミュニティなどさまざまな要素が絡みあう全体的なムードのようなもの

だとしている。

ジョン・ヤンツはコミットメントに絡み合う要素を

・目的:なぜ働くのか
・集中:内なる自分を発見する
・具体化:夢をビジネスに進化させる
・共有:すぐれたリーダーはすぐれた語り手である
・メンバー:社員のパフォーマンスを最大限に引き出す
・計画と実行:計画を制するものは仕事を制する
・成長:仕事は成長の場である
・コミュニティ:すぐれたビジネスは人をつなげる
・ストーリー:誰もが主役になりたがっている
・拡大:世の中に価値を広めよう

と分類して、それぞれについてコミットメントを高めるポイントを整理している。

この手の内容は、リーダーシップとか、チームとか、イノベーション、プロジェクトマネジメント、エンゲイジメント、組織開発とか、いろいろな切り口から書かれ、共通部分が多いわけだが、コミットメントという切り口が一番すんなりと入ってくるし、範囲が広いような気がする。

読んでいてふと思ったのは、それぞれの要素やそのポイントについて抑制的に書かれている。目的至上でも、計画至上でも、成長至上でも、コミュニティ至上でも、ストーリー至上でもない。むしろ、バランスこそが大切であるように感じる。これは非常に興味深く、コミットの本質なのではないかと思う。

理由はコミットメントという概念が、チームや顧客を始め、すべてのステークホルダーをまとめて考えることができるからだと思う。たとえば、ビジョンや目的の共有とプラニングを排他的に語る分野があるが、それではステークホルダー全体をうまくまとめることはできず、補完することが大切である。

これがコミットメントという概念の威力なのだろう。そのように考えたときにまとめとして挙げられているコミットメントを引き出すポイント

・覚悟を決めよう
・仕事を自分の夢につなげよう
・大きな目的を掲げよう
・力強いストーリーを語ろう
・生きた戦略を立てよう
・社員の力を引き出そう
・最高の顧客体験を生み出そう

という7つは過不足のないものだと思えてくる。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。