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2014年1月28日 (火)

≪サプリ394≫どこで稼ぐかを見極める

何を売るかの前に、どこで稼ぐかを見極める(冨山和彦、経営共創基盤CEO)

Supple【成分】
◆どこで付加価値を出すか
◆プロジェクトではライフサイクルで考える
◆どこで儲けるかをプロジェクトの立ち上げで見極める
◆バリューチェーン全体で薄く儲けるという発想はリスクが大きい

【効用】
・PM体質改善
  アカウンタビリティ向上、顧客感度アップ、顧客説得力アップ、バランス感覚の洗練、
・PM力向上
  プロ意識の向上、ステークホルダをコントロールする力の向上
・トラブル緩和
  不要なトラブルの回避

このサプリの購入はこちらから!1か月分、500円です。

【解説】

イベントのインプットに、日本の製造業に関する本を何冊か読み、その中で感じたことが、良いものを作っても売れるとは限らないとかいっていますが、実は、売れても儲かるとは限らない状況にあるということでした。

日本型のボトムアップの経営は

(品質の)良い製品を作る   →製品が顧客の支持を受け、たくさん売れる     →儲かる

という発想で行われています。その中で、一番目のロジックに破たんがあるのではないか、顧客の声が聞こえてないのではないかと言われるようになってきたのがこの10年です。それで、いろいろな業界は顧客の声の収集と製品反映に力を入れ出したわけですが、売れても儲からない。昨年は円安効果で利益が出てきましたが、本質的に何も変わっているわけではなく、儲かっている企業は新興国市場でうまくやっている企業だけです。

なぜか。

それは儲けようとしていないからだと思われます。たとえば、ITプロジェクトを考えてみると顕著ですが、いかに顧客の要求に沿うものを作るかに腐心しても、儲けることにはあまり興味を示さない。顧客の要求は違うからといって、一品モノ作りを続ける。

この問題は今に始まったことではなく、30年前からある問題ですが、日本の企業(ITベンダーの顧客)はパッケージを嫌がる。ベンダーもこれにつきあう。顧客に情報化投資の予算がふんだんにあった時代はこれで双方が納得するビジネスになっていましたが、今は予算のない顧客の方が強いので、ビジネスとしてはうまみがない。

にも関わらず、儲けることを考えない。同じ体制で、同じやり方で、ちょっとずつ切り詰めてきました。プロジェクトマネジメントによってロスがかなり減ってきたので延命していますが、もうその幅もほとんどないと思われます。

もう、ボトムアップで儲けを積み上げていくことは難しく、プロジェクトを立ち上げるときに、原価率いくらというどんぶりではなく、利益計画をきちんとすべき時代になっています。ドラッカーの言葉でいえば、「価格主導型のコスト管理をせよ」。

今回のサプリはそのような問題意識で書きました。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。