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2013年1月29日 (火)

<持論アクティビティ>27名の持論の概要紹介(その3:最終回)

Jiron持論の概要紹介の第3回として、9名の持論の概要を紹介する。今回で最終回になる。番号は前2回(18名)からの通し番号になっている。(イタリックは持論からの抜粋部分

<持論アクティビティ>27名の持論の概要紹介(その1)

<持論アクティビティ>27名の持論の概要紹介(その2)

持論の読み方については、第1回の記事を参考にしてほしい。



【19】副島千鶴「継続的にチームに最高のパフォーマンスを発揮させるために忘れてはいけない3つのこと」

副島さんの持論は、

継続的にチームに最高のパフォーマンスを発揮させる

というものだ。このためには、3つの重要なポイントがある。一つ目はチームワークを最大化することで、そのためには

お互いの得意分野と役割を全員に理解させ、その理解の通りに行動させること

が重要である。二つ目は、

役割を理解し行動することで、異なる能力を持ったメンバー同士が能力を発揮し合えるようになること

である。そして、三つ目は

役割を理解させ行動させるために忘れてはいけないことは、whatだけでなくwhy「何のために」とhow「どのように」を「伝え続ける」こと!

である。そのためには、

・「何のために」その役割が必要かを伝えること!

・役割を通して何を「どのように」実施して欲しいかを伝えること!

・プロジェクトを通して「伝え続けること」

が大切である。

【20】高島徹「プロジェクトの成功は、環境作りから」

高島さんは、プロジェクトリーダーの立場というより、コンサルタントとしてプロジェクトに関わる立場から、

プロジェクトリーダーが仕事をしやすい環境を整えることが大切

という持論を持たれている。

そして、そのための具体的な活動として、

・ステークホルダー間での意識合わせをきちんと行う。
プロジェクトがスタートしたあとは、プロジェクトリーダーの悩みを聞き、障害を排除し、話し合いを円滑にすすめる。

・プロジェクトリーダーにすべてお任せ!ではなく、動きやすいようにサポートをしてあげること。

の2点を挙げている。


【21】中村耕治「自分の経験から考えたプロジェクト成功のための一文」

中村耕治さんの持論は

明確な目標と期限を掲げ、メンバーやメンターと意見を交わしあい、プロジェクトの成功を信じて明るく突き進む

というものだ。この持論にたどりついたのは、リーダーとしてプロジェクトがうまくいったときには、

・目標がわかりやすくメンバーの賛同を得ることができた

・メンバーのモチベーションの維持や向上に努めた

・適切なアドバイザー(メンター)の確保した

・先延ばしできない明確な期限を設定したを封じ込めた

・メンバーの精神面のケアを心がけた

・自分がプロジェクトの成功を信じていた

といった行動をしていたという経験によるものだ。


【22】中村文彦「プロジェクトの目的を対話により共鳴化すべし」

中村文彦さんの持論は

プロジェクトからより高い価値やwin-win関係を生み出すには、関係者がプロジェクトの目的を深く理解し、共有化を越えた共鳴化を生み出すことが必要

というものである。そのために、中村さんは

・プロジェクトの立ち上げ時等に、目的について対話により話し合う「場」を設ける。

・この場には、できるだけ多くのステークホルダーが参加する。

・共有したプロジェクトの目的は、文面や図、絵等で表出化し、プロジェクトの進行中も常に確認する。

・利害関係に対立が発生した際は、この表出化された目的に立ち戻って、できるかぎりwin-winになるような解決策を創造する。

といった取り組みが必要だとしている。


【23】西智明「コミュニケーションを実践、促進、管理せよ」

西さんは、

コミュニケーションを実践、促進、管理せよ

という持論を持たれている。

そのために、

・「フランクな関係"も"築く」
それぞれの性格、特性や、私がいつも重要視するのは「ひととなり」をしっかり把握すること

・「定期的に一同に会する」
日次や週次などの定例会議は「コミュニケーションを実践、促進、管理」する
ために活用できる。

が重要だと述べている。

【24】帆足秀樹「そのプロジェクトに惚れられるか、否か」

帆足さんは、プロジェクトを成功させるには、

このプロジェクトに惚れてもらえるかどうかが鍵

だと考えている。そのためには、

・プロジェクトを自分の色に染める

・次に自分がマネージャーでなければならない理由は何かを考える

・プロジェクトにメンバーが何人確保できるか

の3つが重要であると述べている。


【25】矢野喜樹「ステークホルダーの力を結集するために」

矢野さんは、

プロジェクトの目標が明確であり、上位層/プロジェクトメンバー含めて共有されていなければならない。

という持論を持っている。

そして、そのためには

・組織の目標とも整合できるプロジェクト目標を設定する。

・組織の上位層の合意を取り付け、物理的・精神的なサポートを受ける体制を構築する。

・プロジェクトリーダー自らが目標に向けてコミットし(まず自分が納得していること)、メンバーにその意義を深く理解させる。

が必要だと考えている。


【26】山田篤「ヒトの観点から捉えたプロジェクトマネジメント」

山田さんは、

成果を出すためには、選ばれたプロジェクトメンバーの人心を掌握することが何にも増して重要である

と考えている。そして、その観点から3つのポイントを持論として述べている。

・「納得感」と「コミットメント」
プロジェクトメンバーの納得感・当事者意識を尊重することが重要である。

・「モチベーションの維持」と「賞賛」
プロジェクト成功のためには、メンバーの当初の高いモチベーションを維持・向上させることが重要である。

・「信頼関係」と「権限移譲」
協力してプロジェクト目標を達成するためには、プロジェクトマネージャーとプロジェクト構成員との間の信頼関係を築き上げることが重要である


【27】羽生悦朗「PMに期待するもの:大前提は?」

羽生さんは、今回の参加者の中では異色の存在で、「見せる保育」ではなく「見える保育」というコンセプトの保育に取り組んでいる。持論は、「プロジェクトの持ち方に対する考え」という視点から、持論を述べている。その持論は

結果、メンバーのスキルが上がれば成功

というものだ。

余談になるが、羽生さんの主張は

見せる保育(真の顧客というより保護者という顧客の満足度を高める保育)に走っている保育では、テレビ映りの良い状況・保護者に喜ばれる状況を見せるために、子どもの心を無視して、教える、教え込む、反復練習、訓練することに走りがちだが、子どもの心に寄り添い、子どもの思いを類推しながら、その場にあった対応と私の思いを返していく見える保育をしていくべき

だというものだが、これは子どもだけではなく、プロジェクトマネジャーの育成にとっても非常に示唆に富む指摘のように思う。

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コメント

サラリーマンののち乳幼児の保育の世界に入ってから32年になります。この世界に入った当時は民間と異なる意識、感覚に戸惑ったものでした。それが最近になって、どっぷりと浸りしみついた保育バカ「いい意味もあります」になっていました。それが、世間の風を少しでも感じようと、「PMのための持論ワークショップ」に参加させていただいた動機です。
お前のそんな思いのために集まったのではないとおしかりを受けそうですが、日本の最前線で活躍されている皆様の持論を読ませていただいて、このような一人一人の持論があって、日本が動いているんだとあらためて感動しています。この概要紹介で、好川さんが書いてくださった文章を見て、異なる視点からまとめていただいたことを感謝いたします。今は保育バカで、この世界を通してしか物事を語れませんが、良かったら、今後ともよろしくお願いいたします。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。