サプリ271:スポンサーの不明なプロジェクトは失敗確率が高い
プロジェクトスポンサーが誰かわからないプロジェクトは失敗の確率が高い (橋本忠夫、多摩大学大学院教授)
【成分】
◆80%の時間をコミュニケーションに費やすというが、、、
◆ステークホルダとの調整はプロジェクトマネジャーの本務ではない
◆生産性を上げることこそ、本務
◆プロジェクトスポンサーが明確であれば成功確率が上がる
◆プロジェクトスポンサーのスキル
【解説】
プロジェクトマネジメントのコンサルティングを手掛けるようになって、ずっと疑問に思っていることがあります。
それは、プロジェクトステークホルダへの対応は、プロジェクトマネジャーの仕事だろうかということです。もちろん、対応する内容や、組織によって多少の違いはあるわけですが、基本的にはプロジェクトマネジャーの仕事ではないと考えています。
しかし、プロジェクトマネジメントの普及が進むにつれて、プロジェクトマネジャーの仕事の中でも重要な仕事だという認識が生まれつつあります。
なぜだろうかと考えたときに、思いあたるのは、
プロジェクトマネジメント=プロジェクトマネジャーの仕事
という単純な方程式でプロジェクトマネジメントを見ていることに行き当たります。
確かにプロジェクトマネジメントの中でステークホルダマネジメントは、だんだん重要なマネジメントになってきていますので、この方程式で考えれば、そのような認識になるわけです。
いや、当社では「組織的プロジェクトマネジメント」をしているから違うという反論が聞こえてきそうですが、今、議論しているのは、PMBOKガイドに書かれている範囲のプロジェクトマネジメントのことです。プログラムやポートフォリオまでを含めて、プロジェクトマネジメントといっているわけではありません。
PMBOKはプロジェクトマネジャーが実施しなくてはならないプロセスだけではなく、プロジェクトスポンサーが実施しなくてはならないプロセスについても書かれています。区分はあまりはっきりとは示されていませんが、たとえば、プロジェクト憲章はプロジェクトスポンサーが作成するものですし、IT業界ではコストマネジメントは全般的にプロジェクトスポンサーがやっている組織が少なくありません。
そして、ステークホルダマネジメントもプロジェクトスポンサーの行うべきプロジェクトマネジメントないかと思うわけです。
もちろん、誰が行ってもいいわけですが、目的は「プロジェクトを成功させること」であり、そのためには誰が何をすればよいかという議論です。特に、プロジェクトマネジャーが時間を費やしているステークホルダコミュニケーションはこの議論が重要です。本務ではないからで、こんなことを時間を取るのなら、成功のためにすべきことはあるだろうと思うわけです。もちろん、誰かがやらなくてはプロジェクトの成功はおぼつきませんので、そういうプロジェクトスポンサーが行うという前提ですが。
そんな問題意識を持って書いたサプリです。
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