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2010年3月20日 (土)

PMサプリ212:上司をマネジメントする

上司をマネジメントする(ジョン・コッター、ハーバード・ビジネススクール松下幸之助記念講座名誉教授)

◆Managing Your Boss
◆戦略経営では上司の「無能さ」の責任を引き受けるのは部下
◆有能な人はどのような上司であっても成果を上げている
◆プロジェクトマネジャーの上司への不満度70%
◆上司の変化を望むよりマネジメントの方が現実的

【解説】
プロジェクトマネジメントの普及しない原因に、「上司が理解・協力してくれない」というのがあります。たとえば、プロジェクトマネジメントを導入しているほとんどの組織では、プロジェクトマネジメント計画書を作って組織の承認を受けた上でプロジェクト作業に着手するという制度をとっています。しかし、上司は忙しいからすぐにはレビューできないと言い、暗に先行着手を認めたり、あるいは、完全なものでなくてもとりあえず出せば良い的な対応をしたりします。おそらく、上のようなルールを決めている企業で、厳密に運用しているところは10社に1~2社ではないかと思います。

この問題の本質はどこにあるのでしょうか?上司の中で、計画のレビューをするという作業の優先順位が低いことです。そのさらに深い原因は上司のプロジェクトマネジメントスキルの低さかもしれません。

このような場合、いくら上司の非を指摘しても無駄です。多くの場合、上司には上司の価値感があり、信念を持って行動しています。かといって、プロジェクトマネジメントを人事評価の対象に入れることは一般には困難です。プロジェクトマネジメントは目的ではなく、手段だからです。このような場合には、プロジェクトマネジャー自身が上司をうまく動かすしか方法はありません。

プロジェクトマネジメントの実施に限らず、このように上司が自分のやりたいことのネックになることは珍しいことではありません。そのような場合には、上司を理解し、自分のやりたいこととの折り合いをつけた上で、自分の考えを押し通していく必要があります。これが上司をマネジメントすることです。

しかし、このような状況で、「それは上司の問題」といって、自分のできる範囲でしかやろうとしないプロジェクトマネジャーが少なくないのも事実です。実は、そのようなプロジェクトマネジャーもメンバーからみれば、「無能な」上司で、マネジメントの対象になっているわけです。

この点に気付き、上司をマネジメントできるプロジェクトマネジャーになってほしい。そんな思いを持って書いたサプリです。


【効用】
・PM体質改善
  計画力アップ、創造力アップ、問題解決能力向上、自己統制力アップ、
  リスク管理力アップ
・PM力向上
  チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。