【補助線】プロジェクトの成功を定義するための5つの質問
1.プロジェクトのミッションは何か
2.プロジェクトのステークホルダは誰か
3.ステークホルダにとっての価値は何か
4.プロジェクトにとっての成果は何か
5.プロジェクトの計画は何か
非常にシンプルな5つの質問である。
プロジェクトをはじめるに当たっては、この5つの質問に答えるだけの洞察をすることが必要である。
もう少し、詳細化しておこう。
1-1.プロジェクトが今、ミッションだと考えているものは何か
1-2.プロジェクトを実施する契機になった直面する問題は何か
1-3.プロジェクトを実施することによって生まれる機会は何か
1-4.プロジェクトがミッションだと考えているものを見直す必要はあるか
2-1.プロジェクトの顧客となるステークホルダは誰か
2-2.プロジェクトのパートナーとなるステークホルダは誰か
2-3.プロジェクトのステークホルダはどのように変化しつつあるか
3-1.プロジェクトの顧客となるステークホルダにとっての価値は何か
3-2.プロジェクトのパートナーとなるステークホルダにとっての価値は何か
3-3.ステークホルダに学ぶべきことは何か
3-4.どのようにしてステークホルダに学ぶか
4-1.プロジェクトは成果をどのように定義しているか
4-2.成果をあげるための準備をしているか
4-3.何を強化し、何を捨てるか
5-1.プロジェクトのミッションを変えるべきか
5-2.プロジェクトの目標は何か
これは、ドラッカーのNPOマネジメントに対する5つの質問を参考にして、以前、作ったものである。プロジェクトは当然だがノンプロフィットではない。ただ、経営から与えられた位置づけはコストセンターである。組織はコストセンターに対してコストカットを求めるが、プロジェクトのやっている仕事の重みを考えると安易にコストカットを考えるべきでないことは明らかだ。
これは、例えば、PMBOKのコストマネジメントのあり方を考えると明らかである。重要なことはコストを削減することではなく、予算通りにやることなのである。極論がすれば、コストをカットできるのであれば成果物の品質を上げるべきなのだ。
そこで、考えたのがNPOと同じような存在であるべきではないかということであり、2000年くらいに唯一NPOの経営書として存在していたのが、
P・F. ドラッカー、G.J. スターン(田中 弥生訳)「非営利組織の成果重視マネジメント―NPO・行政・公益法人のための「自己評価手法」」、ダイヤモンド社(2000)
であり、この本で、マネジメントが常に問われるべきだというのが、
われわれのミッションは何か
われわれの顧客は誰か
顧客にとっての価値は何か
われわれにとっての成果は何か
われわれの計画は何か
の5つの質問で、これをプロジェクト版にしたのが、冒頭に紹介したものである。私たちはプロジェクト憲章を作る際、あるいはプロジェクトワークショップの際にこの5つの質問について徹底的に議論し、プロジェクト関係者で共有することを推奨している。
昨年、リーダー・トゥー・リーダー財団(旧ピーター・F・ドラッカーNPO財団)がドラッカーの5つの質問を本として出版し、最近、これは上田惇生先生の手によって翻訳された。
ぜひ、一度、読んで見てほしい。
◆セミナーのご案内
来年度から、この辺りをベースにしたプロジェクト憲章のセミナーを行うことにした。
〓【開催概要】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆プロジェクト憲章の作り方、書き方、活かし方◆6PDU取得可能
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【カリキュラム】
1.プロジェクト憲章とは
2.プロジェクト憲章のベストプラクティス
3.プロジェクト憲章を作るための5つの質問
4.プロジェクト憲章を作成する
5.プロジェクト憲章作成演習(ケース演習)
6.プロジェクト憲章の活用方法
7.まとめ~プロジェクト憲章とリーダーシップ
(オプション)
8.プロジェクト憲章作成演習(個人演習)
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