【補助線】顧客に対応することは義務、それとも権限
PMOマガジンにプロジェクトマネジャーの権限についての記事を書いていて、ちょっと迷ったこと。
それは顧客に直接対応することは権限か、義務か?という点。ベンダーに対応することは明らかに権限のように思うが、顧客に対してはどうかといわれると、権限だと思っている人はほとんどいないし、実際に権限化していないようにも見える。
プロジェクトマネジャーの権限というのは多くの人が言うが、そもそも、義務と権限というのは何かという議論もある。プロジェクトマネジャーの権限とは、プロジェクトを成功させる上でプロジェクトマネジャーに意思決定をさせるべきものである。義務とは組織のガバナンスを維持するために行う仕事である。この話を組織ガバナンス(業務ガバナンス)の議論がごちゃまぜになっているので、話がややこしくなっている。
例えば、調達の決裁を考えてみよう。大雑把にいえば、調達内容に関する意思決定と調達方法に関する意思決定がある。一概には言えないが、調達方法によってプロジェクトの成功に大きな影響があるケースは珍しい。ところが、調達内容の意思決定は成果物に大きな影響があるし、成果物そのものだといえるケースも少なくない。
このような場合、調達内容の決定に関する権限委譲はするが、調達方法に関する権限委譲はしないというのが妥当な線だろう。ところが、このような整理をせずに、調達に関する権限委譲をするかどうかを議論するので話がややこしくなる。
さて、では、顧客に直接対応することは権限か、義務か。僕は権限だと結論したのですが、みなさんはどちらだと思いますか?
お客様がいない場合には、仮想顧客になるステークホルダで考えてみてください。
顧客対応は、メンバー等に委譲して行ってもらうこともあり、義務とは考えにくいと思います。
投稿: 堀 宰一郎 | 2007年3月 6日 (火) 10:08
「顧客対応」をどこまで捕らえるかにもよるかと思いますが、プロジェクト成功のために必要なことと考えると、義務ではないでしょうか。
確かに、委譲することもありますが、それは「顧客対応」の範囲によるのではないかと。
投稿: 星山直規 | 2007年3月 6日 (火) 13:53
顧客の立場で考えてみると、調整する相手に権限がない、または権限を持っている認識がない(会社の代表として来ていない)人との調整は、あまり面白くなく暴論ですが時間の無駄に感じる事が多いです。
義務と考えるか権限と考えるかは、当事者の意識次第の部分が大きいと考えますが、権限の定義を「プロジェクトを成功させる上でプロジェクトマネジャーが意思決定できるもの」(好川殿の定義を少し変更させていただきました)とすると、顧客との調整の必要性、タイミングも含めて、プロジェクトマネージャの権限と考えます。
投稿: 渡辺清幸 | 2007年3月10日 (土) 13:56