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2007年2月 2日 (金)

【補助線】第8の習慣

第8の習慣

5年来、プロジェクトマネジャーのPMコンピテンシー(行動特性)として

第1:プロジェクトの目的を常に考える
第2:ステークホルダと共通認識を作る
第3:チームを成長させる
第4:常にゴールまでの道筋を示す
第5:リスクを楽しむ
第6:顧客視点で品質を考える
第7:主体的に行動する

を言ってきた。これは、いろいろな仕事や取材の中で、1000人くらいの「できる」プロジェクトマネジャーにお会いして、調査したり、インタビューしたり、分析する中で創り上げてきたコンピテンシーモデルである。

いわばこれが、好川の「ひとつ上のプロマネ。」像である。

昨日、PMAJで佐藤義男さんが主宰される「プロジェクトマネジャー成功の条件」というベンチマーキングのSIGのミーティングに参加して議論しているときにも改めて感じたのだが、そろそろ、第8の習慣というのが必要になっているのではないかと思う。

昨日の議論でも話題になったが、プロジェクトの成功を語るときに組織、特にプロジェクトスポンサーとPMOの存在や能力が無視できない現実がある。同じプロジェクトマネジャーが同じような難易度のプロジェクトに向かうときに、組織の対応でうまくいったり、行かなかったりするケースが出ているというのだ。僕も同じ事例を把握している。

組織成熟度という考え方への関心も高まってきているし、これからは組織でプロジェクトをサポートする時代だということだろう。

が、ことはそう簡単ではない。僕はプロジェクトマネジャーという「ひと」に注目してみているせいもあって、少し違った感想がある。それは、仕組みがあっても、PMOがあってもそれをプロジェクトマネジメントにうまく活用できるかどうかはプロジェクトマネジャーの資質の問題だというものである。

「巻き込む」という言葉があるが、これだ。活用できるかできないかの違いは、習慣7で言っていることに近く、主体性の問題である。つまり、プロジェクトで自分なりの絵を書いて、その中にスポンサーやPMOを位置づけられるかどうかである。

その位置づけは、「レバレッジ(梃子)」でなくてはならない。つまり、十分にできないことがあってそれを補ってもらうのではなく、巻き込むことによって、より高い目標を目指す。このようなスタンスが必要である。

そこで、第8の習慣として

第8:組織をレバレッジとして使う

を追加することにした。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。