【補助線】プロジェクトマネジメントというギミック
PMコンピテンシーの仕事をしているうちに、だんだん、プロジェクトマネジャーに足らないと思われるものがはっきりしてきた。
コアマネジメントスキル
である。
プロジェクトマネジメントというのはどちらかといえば、テクニカルな色彩の濃いマネジメントである。PMBOKはその象徴でもあるが、「ツール」や「技法」に依存する割合が多い。
確かに、建設の仕事だとかを考えてみると、このようなマネジメントは必要なのだと思う。延べ人数で数万~数十万人の人を動かして一つの目標を達成する。このような仕事では今のようなプロジェクトマネジメントの枠組みは不可欠だろう。
一方で、今、盛んにコミュニケーションやネゴシエーションといったヒューマンスキルが注目されるようになってきている。これらに注目が集まる理由をよくよく聞いていると、マネジメントスキルの欠如をヒューマンスキルでカバーしようとしているようだ。正しいかどうかは別にして、この感覚はちょっと違う。
家を建てることに例えてみると、以下のような比喩ができる。
基礎:コアマネジメントスキル
デザイン(機能性):プロジェクトマネジメントスキル
デザイン(快適性):ヒューマンマネジメントスキル
今、行われていることは、基礎工事が悪くて、ドアの立て付けが悪くなったときに、ドア枠をフレックスな構造にしておくことにより隙間風が入らないようにする仕掛けを作っているようなものだ。要するに、「ギミック」なのだ。
もっといえば、コアなマネジメントスキルを持たない人材がもつプロジェクトマネジメントスキルというのもギミックだという気もしなくもない。これは少し言いすぎかな、、、
「ギミック」が悪いどうかは別問題だ。
組織としての評価のポイントは2つある。一つは、その家にどれだけ住み続けるかだ。仮住まいで10年ほど住んだら取り壊してしまうのであれば、それも一つの選択だ。
その際のもう一つのポイントは、コスト。基礎をしっかりするのと、このような「ギミック」を施すためのコストを比較し、「ギミック」の方が安いとすればそれでもいいのかもしれない。
個人のとして評価は言うまでもない。その会社が潰れても生きていかなくてはならない。基礎が大切だ。基礎がしっかりとしていれば、「ギミック」など必要ない。
「ギミック」を身につける前に、本物のマネジメントスキルを身に付けたいものですね。
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