2006年9月30日 (土)

企業統合で学ぶプログラムマネジメント

482226206501 金巻龍一、河合隆信、丸山洋、IBMビジネスコンサルティングサービス「企業統合―あるPCメーカー、成功の舞台裏」、日経BP社(2006)

お奨め度:★★★★1/2

PCメーカがM&Aを行い、契約完了後に、プログラムマネジメントを行うことにより、スピーディーに事業統合をする様子をストーリー形式で書いている。M&Aのストーリーとして読んでも面白いのだが、プログラムマネジメントのストーリーとして読んでみると、非常に学ぶところが多い。

プログラムマネジメントは単に単純なコンカレントだと思われている節もあるが、違う。プログラムマネジメントは、組織間の調整、プロジェクト間の調整にマネジメントフォーカスすることによって、調整要素の多い複雑な仕事をスピーディーに進める手法である。この本を読むと、M&Aのマネジメントプロセスを通してそのことがよく分かる。

実話に基づいているらしいが、これだけスムーズに進めていくには、相当なプロジェクトマネジメントの組織コンピテンシーが必要だろう。そこが逆にIBMの実話を読んでも、あまり参考にならない(つまり、IBMはもともとコンピテンシーが高い)ような気がしないでもない。その点が、読了後にこんなにM&Aがうまく行くのかとふと疑問を持った源泉かもしれない。

2006年9月29日 (金)

プログラムマネジメントカテゴリ設定

プログラムマネジメントというカテゴリーを作りました。

力を入れようと思っています。ときどき、見てください。

https://mat.lekumo.biz/books/cat514754/index.html

プログラムマネジメントに興味を持つ人の必読書!

482224541109 桑嶋健一「不確実性のマネジメント 新薬創出のR&Dの「解」 」、日経BP社(2006)

お奨め度:★★★★

新薬開発の分野はプロジェクトマネジメントに対する関心が高いが、その理由がよく分かる本である。著者は大学の先生だが、よくフィールドワークをしていて、分析、提言とも実践的であり、実務家に有益である。

この本では、製薬会社の競争優位源泉を「go ro no-goの判断」だという仮説を設定し、武田薬品をはじめとする数社のベストプラクティスの調査をし、その仮説検証をしている。この分析の過程で判明したベストプラクティスはまさにプログラムマネジメントのベストプラクティスである。プログラムの中でポートフォリオを使って不確実性への対処をするという発想は、P2Mなどで提案されている手法である。

第4章の産業間の比較も非常に興味深い。問題解決モデルを作って、新薬開発のプラクティスで実施されていることを分析していいる。非常に合理的なプロセスになっていることが分かる。研究所としてみた場合には、(少なくともこの本にある書かれている範囲では)強引な結論を出しているという感じがするが、全体としては説得力があり、プログラムマネジメントの実践を知る上では、非常によい本である。

その意味で、製薬業界の方はもちろんだが、いろいろな業界の人が読む価値のある一冊である。

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2006年9月28日 (木)

ビジネス書の杜アンケート結果のまとめ(1)

88名の方に回答いただきました。本当にありがとうございました。参考に、より皆様のお役に立つものにしていきたいと思います。

遅くなりましたが、とりあえず、結果を整理しました。ご参考ください。感想も書いてあります。

(1)ビジネス書の杜 使用頻度
毎日       5%
2~3日に1回  15%
1週間に1回   23%
1ヶ月に1回   5%
不定期      38%
使用経験なし   14%

【好川の感想】
不定期という方が多いよいです。ただ、毎日、3日に1回という方が20%いらっしゃって感動です!

(2)よく見るカテゴリー
PM、PMO、製品開発マネジメント  38%
仕事術、思考法            20%
技術経営、エンジニアリングマネジメント、イノベーション 1%
リーダーシップ、チームマネジメント、コミュニケーションマネジメント  23%
マネジメント、経営戦略   11%
ヒューマンソフトマネジメントスキル 1%
組織マネジメント、コンピテンシーマネジメント4%
キャリアマネジメント、プロフェッショナル1%

【好川の感想】
プロジェクトマネジメント関係(PM、PMO、製品開発マネジメント)が多いのは、はやり、メルマガと連動しているからでしょう。リーダーシップ、チームマネジメントが多いのが特長か。

(3)増やしてほしいカテゴリー
PM、PMO、製品開発マネジメント 14%
仕事術、思考法 18%
技術経営、エンジニアリングマネジメント、イノベーション 4%
リーダーシップ、チームマネジメント、コミュニケーションマネジメン ト28%
マネジメント、経営戦略 14%
ヒューマンソフトマネジメントスキル 8%
組織マネジメント、コンピテンシーマネジメント 8%
キャリアマネジメント、プロフェッショナル 4%
その他 4%

【好川の感想】
プロジェクトマネジメント関係はそれなりに充足されているようです。リーダーシップ関係の本を増やすのが課題ですね。ただ、リーダーシップはともかく、チームマネジメントの本は少なく、コミュニケーションマネジメントに関してはほとんどないに等しいので、どう対応するか、悩ましいです。はい、、、

ちなみにクロス分析もしているのですが、リーダーシップを一番ほしがっているのは、実は、プロジェクトマネジメントをよく見る人が多いです。プロジェクトマネジャーはあまりリーダーシップに興味を持たないという印象があるのですが、少し、見方が変わりました。はい。

2006年9月12日 (火)

ストレッチした目標を達成するための超実践的方法論

452605689801 近江堅一、寺田哲郎「製造業の高レベル目標管理法―トヨタに学びたければトヨタを忘れろ」、日刊工業新聞社(2006)

お奨め度:★★★★

著者らが実践してきた「O式」と呼ぶパフォーマンスマネジメントの実践活動について述べた本。

「O式」とは、挑戦目標設定・必達法の略で、

 マネジャーが高い目標を設定し、ユニークな施策で目標を必達させる実践活動

である。

著者たちの指摘は極めてユニーク。経営改善の目標に、一般社員が日常管理で行うような低いレベルの目標しか設定していないのは損失だという問題意識で、どのようにそれを実現するかを示している。

「O式」の構成要素は

・管理者の自覚

・挑戦目標

・挑戦目標を達成するためのユニークな施策の出し方

・時間創出法

・基礎資料の作成

・実施計画の作成

で、それぞれに、著者たちのユニークな発想が詰まっている。それをすべて解説した一冊。

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2006年9月11日 (月)

ぴったりサイズのプロジェクトマネジメント

479811080901 カーティス・R・クック(中西全二訳)「実務で役立つプロジェクトマネジメント」、翔泳社(2006)

お奨め度:★★★

Just Enough Project Management: The Indispensable Four-Step Process for Managing Any Project Better, Faster, Cheaper

の翻訳書。

007144540401 タイトルの通り、プロジェクトマネジメントの最低限の知識を解説した本。ただし、その範囲でのテンプレートやチェックリストが掲載されている。また、シングルプロジェクトだけではなく、マルチプロジェクトマネジメントにも言及されており、入門書というより、最も「手抜きなプロジェクトマネジメント実践書」といった感じ。

中嶋さんがオビに

ベテランの方の知識、経験の総整理に最適

と書かれているが、この使い方が最も有効な本だと思う。初心者向けになっているが、初心者がこの本を使いこなすのは難しいと思う。

おそらく、初心者がこのようなことをやろうとすると、なぜ、それだけしかしないのかと聞かれたときに答えられないし、ちょっと考える人なら本当にこれだけでよいかと不安になると思う。体験的にプロジェクトマネジメントの本質を知っている人向き。

その意味で、★★★としているが、経験のある人が読む本として限定すれば、★★★★。

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PMBOKの原点を知る

487268567901  188041030301プロジェクトマネジメント協会(PMI東京支部訳)「プロジェクトマネジメント プリンシプル - 変革の時代を生き抜くための人と組織の挑戦」、アイテック(2006)

お奨め度:★★★1/2

10年前に米国PMIが纏めたPMの名著
The Principles of Project Management

をついにPMI東京の有志の方が翻訳し、日本でも出版された。一説によると、PMBOKガイドを意識して、PMBOKガイドのプアな部分を重点的に書かれたという本。

PMBOKの功罪はさまざまで、トータルすると圧倒的に功が大きい。その中で、罪の部分で最も大きいのは、プロジェクトマネジメントを矮小化している点だ。これはPMBOK自体の問題というよりも、PMBOKガイドの書き方による部分も大きいが、本来、プロジェクトマネジメントはプロジェクトだけの活動ではなく、組織全体の活動である。

それがプロジェクトチームを中心にした説明をしているので、すべてがプロジェクトマネジャーやプロジェクトマネジメントチームのタスクだと誤解されている傾向が強い。

決してそんなことはなく、プロジェクトマネジメントを有効に実施するためにはこの整理から始める必要がある。その原点を整理するには最高の本である。まさに原理である。

僕がこの本の原書を読んだのは6~7年前だが、当時感じたことと較べて感じたことが2つある。

一つは、当時、目からウロコのなんと素晴らしい本だと思ったが、今はこのレベルの本は何冊かある(残念ながら、和書ではないが)。もう一つは、経営学(マネジメント論)で議論されるようになってきたことが相当多いことだ。

いずれも、プロジェクトマネジメントが世の中に普及し、進歩してきたことによるものと思われるが、これらはこの本の価値を損なうものではない。

ただし、一つだけ苦言がある。この内容の本を日本で3500円で出されると高い。この点が★一つ減。値段が気にならない人には、この本は★★★★1/2 である。

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2006年9月10日 (日)

カリスマホストの書いたベタなマネジメント論

457529905701 芳晶せいじ「人とカネはこうして掴め! 夜王塾」、双葉社(2006)

お奨め度:★★★★1/2

芳晶せいじさんは、マスコミにもよく登場するカリスマホストである。その芳晶せいじさんのマネジメント論。事業のマネジメント、チームのマネジメント、顧客のマネジメント、人のマネジメントなど、マネジメント全般にわたり、「ベタ」なマネジメント論が展開されている。素晴らしい本!

何よりも素晴らしいのは、ベタである点。今の20代の人たちに、マネジメントを伝えようとすれば、このくらいベタに語っていかなければ伝わらないのだろうなと思う。

それを行動できている点が、何もよりも芳晶せいじさんの素晴らしい点ではないかと思う。今の日本人を語るときに一つのキーワードは「ハングリー精神の欠如」である。言い換えると、自己実現への欲求がなくなっている。

それが残っているのがこの業界だと思う。その意味で、この本に学ぶことは多い。ぜひ、読んでみてほしい。人生が変わるかもしれない。

また、ホストのマネジメントの本質についてはこちらの記事も読んでみてほしい。

2006年9月 8日 (金)

和して同ぜず

449244329001 T.W. カン「日本企業改革開放論―中国人の上司とうまくやれますか」、東京経済新報社(2006)

お奨め度:★★★1/2

全体的なできはどうかなと思うが、第3章の同質型チームワークと多様型チームワークの指摘は非常に面白い。

著者は、アジアでビジネスを展開するに必要なのは、「和を以って尊しとなす」ではなく、「和して同ぜす」であるという。中国は個人主義だとよく言われるが、欧米と較べると和を重視する。これは韓国にも言えることだ。欧米が徹底的な個人主義であるのに対して、中国や韓国は中間にある。

これはチームワークに顕著に現れる。日本は同質型のチームワークを重んじ、中国や韓国は欧米と同じ多様型のチームワークを重んじる。

米国と中国を較べたときに、中国に親和性を感じるのはこのあたりだろう。

著者は日本型を今後、維持するのは難しいだろうと指摘している。その上で、欧米型を目指すか、アジア型を目指すかが問題だと指摘する。

この問題を、歴史的視点や、国際経営の視点から議論している。結論はアジアとうまくやるには、「和して同せず」のスタンスが必要だという。確かに、日本らしさを生かし、国際社会に適応していく方法かもしれない。

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2006年9月 6日 (水)

マネジメントを勉強しよう!

479801307201中野明「ポケット図解 ピーター・ドラッカーの「マネジメント論」がわかる本」、秀和システム(2006)

お奨め度:★★★1/2

3~4年前に、総合法令出版の「通勤大学MBA」シリーズが一世を風靡した。

グローバルタスクフォース「通勤大学MBA1 マネジメント」、総合法令出版(2002)

4893467530

二匹目のどじょうというわけでもないのだろうが、同じようなテーストで、軽く勉強できるマネジメントシリーズが登場。

通勤大学MBAの方は、例えば、大学で経営学の勉強をして、基礎を理解している人が、より専門的な知識をTips的につけるのに適している。

秀和の図解シリーズは、学者やコンサルタントに焦点を当てて、その人の理論をオリジナルの書籍を簡単にポイント解説する感覚で書かれている。その分、背景から理論まで一通り分かるので、初めて勉強する人には向いているように思う。良いのは、オリジナル本の対応ページが明記されている点。例えば、この本だと、ドラッカーの“エッセンシャル版”マネジメント 基本と原則』(ダイヤモンド社)の対応ページが明記されている。

ドラッカーにしろ、ポーターにしろ、理論はいろいろな人が紹介する機会が多いので、断片的には知られているが、実は、オリジナルの書籍を読むとそんなに簡単に理解できるものではない。そこで、まず、このシリーズを読んでポイントを理解し、その上で、興味がわけば原典に当たるとかなり楽に読めるのではないかと思う。その意味でお奨め。

とりあえず、良いなと思ったものを何冊か上げておく。

479801402801中野明「ポケット図解 チャン・キムとモボルニュの「ブルー・オーシャン戦略」がわかる本―競争のない未開拓市場を創る!」秀和システム(2006) お奨め度:★★★★

479801210609 中野明「マイケル.E.ポーターの「競争の戦略」がわかる本―ポケット図解」、秀和システム(2006)  お奨め度:★★★

479801293901 宮崎哲也「ポケット図解 フィリップ・コトラーの「マーケティング論」がわかる本」、秀和システム(2006)お奨め度:★★★

479801219x09中野明「エリヤフ・ゴールドラットの「制約理論」がわかる本 ポケット図解」、秀和システム(2006) お奨め度:★★★

2006年9月 4日 (月)

顧客品質のバイブル

447837520801 クリス・ディノーヴィ、J.D.パワーIV世(蓮見南海男訳)「J.D.パワー 顧客満足のすべて」、ダイヤモンド社(2006)

お奨め度:★★★★1/2

J.D.パワー・アンド・アソシエイツは企業に関する膨大な知識を蓄積してきた顧客満足度調査の世界的機関である。その調査機関が満を持したという感じで出してきた本。

内容的には、顧客満足度と企業の収益性の関係、顧客満足度に影響する要因などを明らかにし、その調査に基づいて、顧客満足度の向上の方策について、極めて具体的な議論を重ねている。

特に品質を顧客が決めるという主張は重要である。

実例では、顧客満足度を高め、収益と顧客の支持、両方を獲得したさまざまな企業の例が紹介されている。

この本の興味深い点は、顧客満足度が顧客ロイヤリティに直結するわけではないことを多くの証拠に基づいて示している点。

マーケティング関係者もそうだが、品質マネジャーに読んでほしい本だ。

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2006年8月29日 (火)

シナリオを問題解決に活かす

453231289201 高杉尚孝「問題解決のセオリー―論理的思考・分析からシナリオプランニングまで」、日本経済新聞社出版局(2006)

お奨め度:★★★★

問題発見→課題設定→解決案抽出→代替案評価→実行

の問題解決プロセスのフレームワークに、問題のタイプを分類し、各フェーズでのツールを紹介している。

問題のタイプは

原状回復型問題

潜在型問題

理想追求型問題

であり、第一部では、それそれに対して、実践的な進め方が解説されている。

第二部では、これらの問題解決の際のポイントとして、意思決定を取り上げ、シナリオによる意思決定について詳しく解説している。シナリオの作成手順、シナリオに基づいた代替案の作り方、解決策の選択手順が非常に分かりやすい解説されており、おそらく、日本語で読めるシナリオプラニングの本の中では最も読みやすいのではないかと思う。

第三部はフレームワークであるが、このパートは特に特徴はない。ただ、コンパクトにロジカルシンキングがまとめてあるので、さっと読んで理解するにはもってこいだ。

プロジェクトマネジャーなら特に第二部を中心にこの本を一冊読んでおくといろいろな局面で役立つだろう。

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2006年8月20日 (日)

2007カレンダー~自然派なら、これ

383271582701 National Geographic - Landscapes 2007 Calendar

お奨め度:★★★★★

デザイン性:★★★★★

実用性:★★★

毎年、使っているカレンダー、その2。

National Geographic のポスターカレンダー。12ヶ月、毎月、めくるのが楽しい。見ていると、爽快な気分になる。これをかけるのは、ベッドルームがお奨め。

National Geographic は10種類以上のバラエティがあるが、2007年分で気に入っているのがこれ。

383271594001 National Geographic Wonders of Nature 2007 Calendar

それからこれもいい。

383271620301 National Geographic Rainforest 2007 Calendar

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2007カレンダー~かっこよさを求めるなら、これ

383271592401 Architecture 2007

お奨め度:★★★★★

デザイン性:★★★★★

実用性:★★

毎年使っているカレンダー、その1。

98 x 34 の巨大カレンダー。建築物のアーキテクチャーをモチーフにし、世界中のすばらしいアーキテクチャーの建物の写真。

本当にアーキテクチャーの特徴を表現するのに、この縦横比がよい。とくに、1mという長さはすばらしい!

このカレンダーを壁にかけていると、なんか、デザイナーになったような気分になれるかも。

2007カレンダー~水平線や地平線で雄大な気持ちになる

381706722401_2 Reisen zum Horizont 2007

お奨め度:★★★★★

デザイン性:★★★★★

実用性:★★★

こちらはArchitecture 2007 Calendarと対照的な、横長カレンダー。モチーフは水平線や地平線。つまり、horizon。

このカレンダーももう、ずいぶん、長く使っている。

このカレンダー、かけておく場所を考えて買ったほうがよいとアドバイスをしておこう。

職人をビジネスにする

482720238901

480611760909 岡野雅行「俺が、つくる!」、中経出版(2003)

お奨め度:★★★★1/2

岡野雅行「人のやらないことをやれ!―世界一の技術を誇る下町の金型プレス職人、その経営哲学と生き方指南」、ぱる出版(2006)

お奨め度:★★★★

岡野工業の岡野社長は、最も有名な中小企業経営者の1人だ。岡野工業はプレス業であるが、プレスで常識を超えた商品をどんどん作り出して一躍有名になった。

岡野工業は中小企業としてもそんなに大きな企業ではない。いわば、職人の企業である。日本でソフトウエア開発業に従事しており、米国に憧れる人のワークスタイルが岡野工業のワークスタイルにある。プレス業はソフトウエアと異なり、典型的な設備産業であることを考えると、ソフトウエアで実現するよりははるかに難しいし、職人としての腕が必要。そこが、岡野社長のすごさである。

そんな岡野さんが職人をビジネスとしてやっていくためのノウハウ本(仕事術)ともいえるような本を出版した。これが大変面白い。

441303604201_1岡野雅行「世界一の職人が教える仕事がおもしろくなる発想法―結果が出ない人はいない」、青春出版(2006)

お奨め度:★★★★1/2

結果を出すためには、やり方そのものも大切だが、もっと大切なのが企画であるということを岡野社長流の書き方で相当踏み込んで書かれている。

一言でいえば、誰もやらないことを何とかしてやり遂げると、人も金もついてくるという非常にシンプルだが難しいことを言っている。

問題は誰もできないことがやりたいことかどうかだ。まあ、これは価値観の問題だ。岡野社長のように、人のできないことをどうやるかを考えるのが何よりも楽しいと思えるというのが、職人がビジネスに適応していくために最も重要なコンピテンシーかもしれない。

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2006年8月18日 (金)

戦略マネジャー3点セット

447849022809_1齋藤嘉則「問題解決プロフェッショナル「思考と技術」」、ダイヤモンド社(1997)

バーバラ・ミント「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」、ダイヤモンド社(1999)

447849027909_1
照屋華子、岡田 恵子「ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル」、東洋経済新報社(2001)

「戦略マネジャーの三種の神器」は

449253112209 ・問題解決スキル

 ・論理思考スキル

 ・ビジネスコミュニケーションスキル

である。

この3つについて、上の3冊は、おそらく日本で最初の本であるが、いまだに他の追従を許さない定番本でもある。

改めて紹介の必要もないだろう。アマゾンの書評の数と評価が全てを語っている。

まだ、読んでいない人は、ぜひ!

2006年8月 7日 (月)

(終了)300エントリー達成!アンケートにご協力ください。

Thanks いつも、「ビジネス書の杜」をご活用戴き、ありがとうございます。

「ビジネス書の杜」も皆様に支えられ、エントリー(記事)が300本を超えました。つきましては、今後、より、皆様に活用されるサイトになるように、アンケートを行うことにしました。

アンケートにご回答戴いた方の中から、抽選で10名様にアマゾンギフト券3000円をプレゼントさせて戴きます。

ビジネス書の杜アンケートに回答する  

  88名の方の回答を戴き、終了しました。

  ご協力ありがとうございました。

  アンケート結果は整理出来次第、ブログで紹介します。

アンケート期間:2006年8月7日~20日(24:00まで)

当選者発表:2006年8月21日(当選者の方にはメールでお知らせします)

 抽選の結果、タイプスタンプ順で

 12 20 24 34 39 41 46 63 65 70  の10名の方が当選になりました。

 当選された方には、8月21日中にメールを差し上げますので、

 お楽しみにお待ちください。

今後とも、ビジネス書の杜をよろしくお願い致します。

=====

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本だけではなく、アマゾンで売っているものなら、CD、DVDから、ゲーム、キッチン用品、おもちゃ、電気製品など、何でも買えます。

ヤクザに学ぶプロジェクトマネジメント

448006255601_1 山平重樹「ヤクザに学ぶ組織論」、筑摩書房(2006)

お奨め度:★★★1/2

この種の本をどのように評価するかは難しいところだ。いくら、ヤクザのシノギが経済活動になったといっても、ビジネス組織とヤクザ組織はまったく違うだろう。極端な例で、役に立たない。まずは、こういう評価があるだろう。

一方で、組織としての本質は変わらない。コンプライアンスに目をつぶれば、組織としてうまく行っていることは事実であるので、大いに参考になるという評価もあるだろう。

一ついえることは、山平重樹氏はよく業界を知っており、読み物として非常に面白い。これは間違いない。

実は、ビジネスを睨んだ本はこれが初めてではない。非常に話題になったのはこの本。

434440312601 山平重樹「ヤクザに学ぶ交渉術」、幻冬舎(2002)

この本の内容もさることながら、アマゾンの書評を見て非常に興味を持った。役に立つ、くだらないという意見が二分されているのだ。

僕自身がどう思ったかというと、ヤクザというのは組(織)を背景にして動いているのだと思っていたが、意外とそうでもないなということ。ビジネスでいえば、ベンチャー企業などはこういう発想でやらないとなかなか、既成ビジネスや大きな企業に対抗できないだろう。

逆に大企業の発想でいけば、品がない、まともな発想ではないという理屈になる。実際に、ベンチャー企業を「ヤクザ呼ばわり」する大企業の社員には、何度となくお目にかかったことがある。

もう一冊、こんな本も出ている。

4344403657 山平重樹「ヤクザに学ぶ指導力」、幻冬舎(2003)

こちらも同じような感じ。

さて、肝心の今回の新書だが、上の2冊は幻冬舎のアウトロー文庫というやや、際物シリーズから出たものであるが、今回は、筑摩新書である。その分、書き方はおとなしく、読み物としてはそんなに面白くない。その分、考察が多くなっており、ちゃんとした組織論の本である。

違う見方をすれば、前の2作は人の行動を問題にしたものに対して、今回は組織なので、その違いもあろう。

しかし、プロジェクトの組織マネジメントをするときに、非常に役に立つ内容である。

プロジェクトマネジメントのコンサルティングをしていると、組織の品格がプロジェクトとしては足かせになっていると感じることがちょくちょくある。「お行儀がよい」というやつ。もう少し、タフなネゴをすればいいのにと思うようなことも少なくない。

ちょうど、今、「テレビで行列のできる法律相談所」をやっていて、「電気屋で16万3千円のテレビを競合店で15万円で売っているとうそをいって、値引きさせたら詐欺になるか」という問題で、意見が真っ二つに割れているが、結局、こういうレベルの交渉をどう考えるかだ。コンプライアンスに問題ありだと考えるか、方便だと考えるか?

法律的な問題はよくわからないが、ビジネスとしてみれば、15万円で売って赤字がでるなら、期末決算期のような特別な状況を除くと、値引き交渉には応じないだろう。仮に何らかの理由で応じたとしても、何らかの利益はあるのだ。それは間違いない。ビジネスとはそういうものだ。そう考えると、必ずしもビジネスエシックスを逸しているとも言い切れない部分がある。あくまでも、CIのレベルの問題だろう。

組織の品格を保ち多少の経済的犠牲はよしとするか、タフなネゴをして何とかしてプロジェクトを成功させるかは自由だ。ただし、両立ができるケースは少ないということはキモに命じておく必要がある。

まあ、死に物狂いで、対面をきにぜすに、しかし、エシックスは保ちながらプロジェクトを薦めていくようなプロジェクトマネジメントをするのであれば、この3冊は、全て役に立つ本だと思う。

2006年8月 5日 (土)

今すぐに返事をくれといわれたら、、、

482074376701 中島一「プロフェッショナルをめざす人のスピード意思決定」、日本能率協会マネジメントセンター(2006)

お奨め度:★★★★

プロジェクトを進めていく中で、意思決定が遅かったという後悔をしたことがない人は珍しいのではないだろうか?意思決定は、マネジメントの基礎中の基礎であるにも関わらず、常に、いろいろな側面から問題になる。特に最近はスピードの問題がよく指摘される。

この本はスピード感のある意思決定を6つのステップで実現する方法について書いている。

6つのステップはそんなに奇抜なものではなく、

1)意思決定のトリガーの確認

2)状況の把握

3)選択目的の確認

4)実行案の作成

5)選択基準の設定と選択

6)リスク評価と対策

の6つである。切れ者マネジャーを頭に思い浮かべる、確かにこの通りにやっているなという納得のステップだ。

書いていることはいわゆる仮説思考である。

仮説思考の本というのはありそうで意外とない。その中では、BCGの内田和成氏の「仮説思考」がお奨め。

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