顧客品質のバイブル
クリス・ディノーヴィ、J.D.パワーIV世(蓮見南海男訳)「J.D.パワー 顧客満足のすべて」、ダイヤモンド社(2006)
お奨め度:★★★★1/2
J.D.パワー・アンド・アソシエイツは企業に関する膨大な知識を蓄積してきた顧客満足度調査の世界的機関である。その調査機関が満を持したという感じで出してきた本。
内容的には、顧客満足度と企業の収益性の関係、顧客満足度に影響する要因などを明らかにし、その調査に基づいて、顧客満足度の向上の方策について、極めて具体的な議論を重ねている。
特に品質を顧客が決めるという主張は重要である。
実例では、顧客満足度を高め、収益と顧客の支持、両方を獲得したさまざまな企業の例が紹介されている。
この本の興味深い点は、顧客満足度が顧客ロイヤリティに直結するわけではないことを多くの証拠に基づいて示している点。
マーケティング関係者もそうだが、品質マネジャーに読んでほしい本だ。
1.顧客満足は利益の源泉
2.意思なきところに道はない
3.顧客ロイヤリティはなぜ重要か
4.業績不振の本当の原因
5.推奨者、無関心者、そして刺客
6.顧客接点は一様ではない
7.期待の先に満足はある
8.約束しすぎが失望を招く
9.トップの意思を伝える
10.業界の常識を破れ
11.人材採用のコツ
12.従業員の判断に任せる
13.災い転じて福となす法
14.コミュニティの形成とファンの育成
15.オンライン経験をコントロールする法
16.本末転倒に注意せよ
17.VOC経営こそ企業成長のカギ
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