シナリオを問題解決に活かす
高杉尚孝「問題解決のセオリー―論理的思考・分析からシナリオプランニングまで」、日本経済新聞社出版局(2006)
お奨め度:★★★★
問題発見→課題設定→解決案抽出→代替案評価→実行
の問題解決プロセスのフレームワークに、問題のタイプを分類し、各フェーズでのツールを紹介している。
問題のタイプは
原状回復型問題
潜在型問題
理想追求型問題
であり、第一部では、それそれに対して、実践的な進め方が解説されている。
第二部では、これらの問題解決の際のポイントとして、意思決定を取り上げ、シナリオによる意思決定について詳しく解説している。シナリオの作成手順、シナリオに基づいた代替案の作り方、解決策の選択手順が非常に分かりやすい解説されており、おそらく、日本語で読めるシナリオプラニングの本の中では最も読みやすいのではないかと思う。
第三部はフレームワークであるが、このパートは特に特徴はない。ただ、コンパクトにロジカルシンキングがまとめてあるので、さっと読んで理解するにはもってこいだ。
プロジェクトマネジャーなら特に第二部を中心にこの本を一冊読んでおくといろいろな局面で役立つだろう。
第1部 問題発見から解決策立案へ(問題をいかに捉えるか
原状回復型問題をどう解決するか
潜在型問題をどう解決するか
理想追求型問題をどう解決するか
問題にどう接近するか
代替案の策定と評価の仕方)
第2部 意思決定の質を上げるシナリオ分析(シナリオ分析で不確実性を取り込む
シナリオ作成の手順
シナリオと代替案を合体する
解決策の選択手順)
第3部 問題解決に役立つ分析フレームワーク(論理的な思考をするために
分析の本質に迫る
構造的理解に有益なMECE的フレームワーク
流れのあるMECE的なフレームワーク
MECE的独立変数を軸とした「マトリックス」)
おわりに―プロブレムソルバーは平常心を保つ
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