職人をビジネスにする
岡野雅行「俺が、つくる!」、中経出版(2003)
お奨め度:★★★★1/2
岡野雅行「人のやらないことをやれ!―世界一の技術を誇る下町の金型プレス職人、その経営哲学と生き方指南」、ぱる出版(2006)
お奨め度:★★★★
岡野工業の岡野社長は、最も有名な中小企業経営者の1人だ。岡野工業はプレス業であるが、プレスで常識を超えた商品をどんどん作り出して一躍有名になった。
岡野工業は中小企業としてもそんなに大きな企業ではない。いわば、職人の企業である。日本でソフトウエア開発業に従事しており、米国に憧れる人のワークスタイルが岡野工業のワークスタイルにある。プレス業はソフトウエアと異なり、典型的な設備産業であることを考えると、ソフトウエアで実現するよりははるかに難しいし、職人としての腕が必要。そこが、岡野社長のすごさである。
そんな岡野さんが職人をビジネスとしてやっていくためのノウハウ本(仕事術)ともいえるような本を出版した。これが大変面白い。
岡野雅行「世界一の職人が教える仕事がおもしろくなる発想法―結果が出ない人はいない」、青春出版(2006)
お奨め度:★★★★1/2
結果を出すためには、やり方そのものも大切だが、もっと大切なのが企画であるということを岡野社長流の書き方で相当踏み込んで書かれている。
一言でいえば、誰もやらないことを何とかしてやり遂げると、人も金もついてくるという非常にシンプルだが難しいことを言っている。
問題は誰もできないことがやりたいことかどうかだ。まあ、これは価値観の問題だ。岡野社長のように、人のできないことをどうやるかを考えるのが何よりも楽しいと思えるというのが、職人がビジネスに適応していくために最も重要なコンピテンシーかもしれない。
1章 「小さな成功」でアイデアがどんどん広がる
2章 自分にしかできない“発想のタネ”を育てる
3章 “おもしろい人”になれば、仕事はうまくいく
4章 「人・お金・情報」が集まるすごいしかけ
5章 “夢をかなえる”ための失敗をする
6章 「遊びのついで」に三年先の仕事をしよう
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