2009年5月 9日 (土)

コンセプトは大切だ【ほぼ日読書日記 2009年5月8日】

金曜の夜。某社長と一緒に食事をし、ホテルに戻って、本を読み出す。今日は良質の本に3冊も当たった。

まず、最初は清宮さんのアクションラーニングの本。清宮さんは「質問会議」でブレークした風があるが、質問会議の中で、「チーム脳」という言葉が独り立ちしたようだ。新作はチーム脳をテーマにした本。

清宮 普美代『「チーム脳」のつくり方~成果を上げつづけるリーダーの仕事術』、WAVE出版(2009)

マーコードモデルのアクションラーニングの本としては、原書、「質問会議」に続いて3冊目だと思うが、3冊の中でこの本がもっともよいと思う。書き方が「能書き」的なのはアクションラーニングのスキームの問題なので仕方ないと思うが、その中でも、一番説得力があるな。

質問会議はプレゼントしてもらったこともあってその後に何人かに感想を聞いたが、ほとんどの人はアクションラーニングではなく、質問本として参考にしているようだった。それはそれで、同等な効果が得られればよいということだろうが、今度はもっと効果が期待できるかな。

もっとよかったのが、こちらの今、売り出し中の柴田陽子さんの本。

柴田陽子「コンセプトライフ」、サンクチュアリパプリッシング(2009)

どう表現すればよいかちょっと悩む本だが、まあ、自伝。ただ、内面を取り扱う本なので、自伝に意味がある。テーマはコンセプト。コンセプトをうまく考えることで、仕事が大化けしたという話がいくつも書いてある。思いっきり、共感した。

昔、神戸大学の加護野先生が経営戦略の講義でおもしろいことを言われていたのを思い出した。日本型経営というのは情をうまく扱っている卓越した経営だが、それを西洋人にいうと、何を考えて判断をしているかわからないといわれる。このギャップを埋めるのは、ビジョンではなく、コンセプトだ。

この話を彷彿させるエピソード満載の本。

昨日読んだ深澤さんもそうだが、この辺の話も感情が微妙に絡んでくる。昼間、プロデュース能力の佐々木さんと打ち合わせをした中でも、この話が論点になった。佐々木さんは、ファジーだと表現するのだが、これは決してロジックの対極にあるものではない。ロジカルな部分と感情の部分を切り分けて、感情の部分に合理性を追求するのはやめようという話だと思う。

ただし、合理性を放棄しただけでは、コミュニケーションできない。表現は必要である。これが加護野先生のいうコンセプトだと思う。

西洋でこれをうまくやっているのは、EQだと思う。

アクションラーニングはコンセプトを鍛える手法だ。そう捉えるとおもしろい。

っていうか、先月、清宮さんと食事をしたときに、これからはコンセプチュアルな思考が重要だというので意気投合した。特に、学習をする際にはそうだと思う。

日本人は学習が得意なのだ。入り口はたくさんあるし、プロセスを回していくのもうまい。しかし、出口を作れなかった。コンセプチュアルな思考や学習の出口はコンセプトだろう。柴田さんの本は、個人的な経験レベルでこのことを教えてくれる。

長くなってきたがもう一冊。

地頭力の細谷功さんの新作。地頭力で書いている本質の追究を、問題解決として方法論化し、それをプロジェクトマネジメントに応用するという内容。物語風に書いている。

細谷 功「地頭力のココロ 本質を見る思考力を育てる物語」、ソフトバンククリエイティブ(2009)

これから特に、PMBOKの勉強をしようとしている人にお勧めしたい本。形から入らずに、まず、本質から入ることの重要性がよくわかる。まあ、PMPの人がこの本を読んでも、プロジェクトマネジメントで普通に言われていることをストーリー仕立てで書いただけだとしか思わない人が多いと思うが、そうなる前に手にとってほしい本だ。

この本も結局のところ、コンセプトの重要さを述べている本。

ということで、今日の日記はコンセプトワーク3冊でした。

2009年5月 8日 (金)

やりすごしとタメ【ほぼ日読書日記 2009年5月8日】

一人で夕食をとりながら、この本を一気に読む。

深澤真紀「自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術」、光文社(2009)

日経BPのサイトに連載されていたときから気に入って読んでいたが、本としてまとめて読むと、やっぱり、いいわ。

深澤真紀さんというと、草食男子。これも、日経BPのサイトで連載されていたコラムを書籍化した「平成男子図鑑」で登場した単語。草薙クン事件で市民権を得たようだ。草食男子を拡張したようなイメージ。

今度の本は、メンテナンスをキーワードにして、

・自分をすり減らさない
・仕事ですり減らない
・人間関係ですり減らない

という3つのテーマで、計80のコラムが並んでいる。

いわゆる「脱力系」人生論のような気もするが、むしろ、キーワードは「やりすごす」ではないかと思う。

10年以上前に、東京大学の高橋伸夫先生の

高橋 伸夫「できる社員は「やり過ごす」―尻ぬぐい・やり過ごしの凄い働きを発見した」、ネスコ(1996)

を読んだときにすごく衝撃を受け、その通りだと思った。ところが、実際の社会はだんだん、ハリネズミ状態になっている。

そういう目で世の中を見ているせいもあるが、組織の力がだんだん、落ちてきているのはやり過ごしができなくなってきたことと無関係ではないだろう。

結局のところ、タメの議論である。やりすごせないので、組織としてのタメがなくなり、力がなくなる。まさに、深澤さんのいうすり減る状態。メンテナンスというのは、これをなんとかしようよってことだが、タメについても明治大学の斉藤先生がおもしろい本を書かれている。

退屈力がキャリアや人生にタメをつくる

まあ、そういうことなんだろう。

草食男子は深澤さんのあとで、何冊も本がでてきた。今度の本も、続く人がでないかなあ。メンテナンスではキャッチとして弱いか。。。

本田本とか、勝間本のコバンザメ本を作るのもいいが、彼らの本の間に置く箸休め本も作ってほしいなあ。

2009年5月 7日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年5月6日

今日でゴールデンウィークも終わり。いかがでしたでしょうか?5日日記があいたのは、ひょっとすると最長記録かな?

GW中はプライベートで超忙しく、結局、GW中にビジネス書はこの1冊だけだった(本は全部で10冊くらい読んだけど)。

そんな日を過ごしたからというわけでもないが、最近、なんとなくだが時間がゆったり流れているような気がしている。みんながそれなりに腰を据えてやるかというような感じになっているような気配を感じる。こんなときこそ、この本だな。

ホリー・グリーン(早野 依子訳)「「超」1分間マネジャー」、PHP研究所(2009)

当たり!まず、訳がしっかりしている。本の内容も1分間マネジャーを現代流にアレンジしたプラクティスが満載で、特に現場マネジャーには役立つ内容だと思う。

課長の教科書に始まった課長本ブーム、とりあえず、この本でもういいのではないかと思わせるような内容。

詳しくはまた。

2009年5月 1日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月30日

書籍紹介のタメガキをした。

このブログ、今までできるだけ、3ヶ月以内の本を取り上げようとしていたが、4月を契機に、新刊紹介は読書日記だけにして、紹介するのは、本当に金と時間を費やして読む価値があると思った本を紹介しようと思っている。

このブログにきてくれる人へのコミットとして1ヶ月に5冊は必ず紹介記事を書こうと思っているが、今月は29日が終わった時点で1冊だけ。30日、22時過ぎから、一挙に4冊分を書いた。

実は、サボっていたということでもないし、むちゃくちゃ忙しかったわけでもない。何を選ぼうかと迷っていたのでした。

ということで、この4冊。

堅い菜根もよくかめば、滋養となって心身は健やかになる

「プロジェクト」を経営に活かす

「すりあわせ」というパラダイム

前提に気づき、視点や行動を変える

まあ、いっぺんに書くと、読む方は迷惑だろうなと思うけど、まあ、書かないよりいいかってことで、、、

さて、今日はコンサルティング計画と企画の作業をしていたので、「仕事として」本をたくさん読んだ。まず、これ。

キム・キャメロン、ロバート・クイン(中島豊監訳)「組織文化を変える」、ファーストプレス(2009)

さすがによくまとまっている。過去15年くらいに、組織文化変革のフレームワーク作りなどの仕事で、いろいろと苦労して読んだ本に書いてあったことが、コンパクトに、かつ、結構わかりやすく書いてある。

学者の間で基本文献だと言われているので、もっと小難しいものを想像していたので、原書はもちろん、翻訳がでたあとも敬遠していが、もっと早く読めばよかった。ただし、競合価値観フレームワークの4つのグループは、いわれればそうかなと思うが、これまでの研究をまとめるためのフレームワークっぽい。あまり、頭の整理以外に、役にたちそうにはないなあ。

ってことは、この値段は高いなあ。

で、2冊目。

John Seely Brown、Katalina Groh、Laurence Prusak、Stephen Denning(高橋 正泰、高井 俊次訳)「ストーリーテリングが経営を変える―組織変革の新しい鍵」、同文舘出版(2007)

3~4回目。物語系の企画アイディアがあるときに読むのだが、刺激になる。やはり、語り部は大切だなあ。紹介記事を書こうかなあ。

つぎ。内野先生の本。

内野崇「変革のマネジメント」、生産性出版(2006)

この本も何度となく読んでいる。研究論文なので、そんなに実践的なことが書いてある本ではないが、たいへん、わかりやすく、さらっと大切な知見や研究成果が書かれている。実務家に読んでほしい変革本ナンバーワンである。

変革マネジメントの本といえば、日本ではスコラコンサルティングの柴田 昌治さんの

柴田 昌治「なぜ会社は変われないのか―危機突破の風土改革ドラマ」、日本経済新聞社(1998)

海外だと、ジョン・コッター先生の

ジョン・コッター(梅津 祐良訳)「変革するリーダーシップ―競争勝利の推進者たち」、ダイヤモンド社(1991)

と定番的な本が目白押しなのだが、この分野、リーダーシップ論に匹敵するくらい、裾野が広い。多くのビジネス書には、その一部にその分野での変革マネジメントの話が出てくる。

そういう意味で体系化するという仕事は大変意味があると思うのだが、独自のフレームワークで体系化したこの本は役立つ。高い本だが、コンサルタントや社内業務改善などのミッションの人は一冊持っておくとよい。

なんか、紹介記事みたいになったが、もう一冊読んだ。

中島 克也「変革を定着させる行動原理のマネジメント―人と組織の慣性をいかに打破するか」、ダイヤモンド社(2008)

この本は、買ったときにさっと読んで微妙だなと思ったけど、結構、アマゾンで評価されているので、ずっともう一度しっかりと読み込みたかったのだが、やっとかなった。最初に読んだときの感想とあまり変わらない。たいへんに意義深い本だと思う。紹介記事を書く。

以上、仕事中。

寝る前に、小出監督の本を読む。感銘を受けた。

小出 義雄「育成力」、中央公論新社(2009)

コーチングが自然に行われるようになってきて、結局、コーチは人としての魅力がないとだめだろうと痛感している。自省をこめて。。。

いい本です。すべてのコーチに読ませたい!

2009年4月30日 (木)

前提に気づき、視点や行動を変える

4062820536 清水 勝彦「その前提が間違いです。」、講談社(2007)

お奨め度:★★★★★

「考える」ために必要な、正しい前提、現実を踏まえた起点を、いろいろなケースで検証しながら、かつ、マネジメントや戦略についての気づきを与える本。

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「すりあわせ」というパラダイム

4478007993山本 修一郎「次世代プロジェクトリーダーのためのすりあわせの技術」、ダイヤモンド社(2009)

お奨め度:★★★★

今年になって、すりあわせをテーマにした本が2冊出版された。

そのうちの一冊がこの本。この本は、新規ビジネス開発をテーマに、その中核となるシステムの開発を行う様子を物語仕立てで描いたもので、その中で「すりあわせ家」が専門家の対立や協同をうまく調整しながらプロジェクトを成功に導いていくというもの。

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「プロジェクト」を経営に活かす

4833418967 鈴木 成裕「実践「経営プロジェクト」講座―会社の未来づくりに、取り組む人のための実践テキスト」、プレジデント社(2008)

おすすめ度:★★★★★

偶然、書店で見つけて、一気に読んだ。こんな本があるとは知らなかった。

「プロジェクト」を経営でどのように活用し、それを成功させるには、どのようなマネジメント、組織、リーダーシップ、人材が必要かをタイトルの通り、実践的に説明している。

現代経営技術研究所というコンサルティング会社の経営者が、これまでに行ってきた数百の経営プロジェクトに基づき執筆した書籍で、研修テキストとして活用することを目的に書かれたようだが、単独の書籍としても十分に役立つ説明がされており、いわゆるテキスト本ではない。

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堅い菜根もよくかめば、滋養となって心身は健やかになる

4820717421 王 福振編集(漆嶋 稔訳)「菜根譚 心を磨く一〇〇の智慧」、日本能率協会マネジメントセンター(2009)

お奨め度:★★★★★

菜根譚は「堅い菜根もよくかめば、滋養となって心身は健やかになる」。そのような意味で、名付けられた処世訓であり、400年にわたって、中国に限らず、日本などでも読み継がれてきた。

菜根譚には2種類ある。ひとつは、明朝末期に書かれた「前集」、「後集」からのなる2巻本。これをもとに、加賀前田藩の儒者である林瑜が刊行したもの。もう一つは、清朝時代に出された1巻本で、「修省」、「応酬」、「評議」、「間適」、および、清朝の菜根譚から抜粋をした「概論」の5部からなる本である。この本は、両者から、内容を厳選して抜粋したものになっている。

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2009年4月28日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月27日

良くも悪くも藤巻流だ。

藤巻 幸夫「藤巻流 実践・巻き込み術」、講談社(2009)

勝間本が売れるのと、藤巻本が売れるのは基本的に一緒の理由ではないかと思う。誰も同じになれるとは思わないが、少しでも近づければ2千円くらいの投資は惜しくないということなのだろう。

似てるのは、よく考えないで読むと、できるように思えることだろう。この本もその典型。でも、実際にこれをやろうとすると思いっきり苦労すると思う。まあ、誰もがデパートを一流ブランドにしたり、傾いたアパレルメーカを立て直すことができるわけではないので、当たり前か、、、

勝間本はともかく、藤巻本は考えずに読んで、勢いで書いてあることをやってみるという読み方もある。この本なんか、とくにそうかもしれない。

読んでいておもしろいことに気づいた。巻き込みは「関西人」に向いている。っていうか、小難しい話は別にして、関西人はこの本で藤巻さんがいっているようなことをやっている。東京生まれ、上智大学出身という藤巻さんがやるところに価値があるのだろうか?

やっぱり、印象に残るは「私」をつけてしゃべれということだ。これは、また、紹介記事で触れたい。

2009年4月26日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月26日

今日は提案書を2件書いただけであとは読書。何冊か、ゆっくり読み直したかった本を読み直す。そのあとで、新刊を2冊。

ジャック・ミッチェルといえば、ハグ本として世界的大ベストセラーになった「Hug Your Customers」で有名な実業家である。この本の邦訳はなぜか、

ジャック・ミッチェル(小川 敏子訳)「94%の顧客が「大満足」と言ってくれる私の究極のサービス」、日本経済新聞社(2004)

というタイトル。この本は本当によい本だが、今度は、顧客だけではなく、従業員にもハグしなさいという本が話題になっている。そのタイトルも「Hug Your Peoples」。やっと翻訳された。

ジャック・ミッチェル(小川 敏子訳)「顧客も社員も「大満足」と言ってくれる5つの原則」、日本経済新聞社(2004)

CS、ESを分離して考えることはできないが、きりくちはいろいろ。この本は基本的にはESについて述べた本だが、ジャック・ミッチェルだとESはこうなるのかと思わせるところが随所にあって、最後までわくわくしながら読めるポジティブ本。紹介記事、書くぞ!

もう、一冊。こちらはネガティブ本。

ドナルド・キーオ(山岡 洋一訳)「ビジネスで失敗する人の10の法則」、日本経済新聞出版社(2009)

ドナルド・キーオも著名な経営者。バフェット、ウェルチ、ゲイツが尊敬する経営者だそうだ。10個の法則の解説を読んで、当たり前だと思うこと、なるほどなあと思わせることが多いが、日本ではそれはありと思う部分もある。紹介記事は書かないかもしれないが、紹介記事を書けばそのときに書く。

2009年4月25日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月24日

昨日、今年度のテーマとして結構気合いを入れている「プロジェクト憲章」のセミナーを開催。この準備に集中していて、本を読まなかったので、久しぶりの日記。

今日は東京・某社でプロジェクト監査。

インタビューとか、プロジェクト計画書、マネジメントログの精査など、結構、頭が疲れる活動で、終わったらぐったり。

京都に戻る新幹線の中で、ある本を読んで元気になった。これ。

堀内 浩二「必ず最善の答えが見つかる クリエイティブ・チョイス」、日本実業出版社 (2009)

知識や情報との対話をしながら、編集で自分のロジックを作るというのは大変、難しいことだと思う。

これを極めているのはやはり、松岡正剛さんの「セイゴウ知文術」なる方法だと思う。この方法に基づき展開されている「千夜千冊」は芸術的だとさえ思える。

堀内さんもスタイルは違うが、この世界を目指しているように見える。そんな目で見ると、前作の

堀内 浩二「リストのチカラ」、ゴマブックス(2008)

からずいぶん、進化しているように思う。また、前作に比べると、言っていることも共感できる部分が多い。ベースはクリティカルシンキングのように見えるが、事例やフレームの使い方が効果的で、「クリエイティブチョイス」として読める。

この本で、少し、元気になり、もう一冊、読み出す。

小笠原 泰、重久 朋子「日本型イノベーションのすすめ」、日本経済新聞出版社 (2009)

最初はまじめに読んでいたが、途中でつらくなって、半分くらいは事例だけ、拾い読み。かいてあることは、結構、そうだそうだと思いながら読み進んでいったのだが、途中で何を言いたいのかわからなくなった。

こういう本を書くなら、もう少し概念化のフレームをきちんとしてほしいなと思う。まあ、こういう概念化の方法が日本的であるといえば、いえなくもないかも。

フレーミングとして自己概念の違いから論じているのは、大いに共感できる。今日は疲れていたので、もう一度、ちゃんと読み直してみようと思う。

2009年4月21日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月20日

今月ももう20日か。ほとんど、紹介記事かけない。焦るなあ、、、今月は、月末、連休なのでまっ、いいか。

さて、今日は、ちょっと訳あって、仕事で2冊のマインドマップ本に目を通す。

塚原 美樹「マインドマップ戦略入門―視覚で身につける35のフレームワーク」、ダイヤモンド社(2009)

高橋 政史「マインドマップ問題解決―「らくがき」で劇的に身につくロジカルシンキング」、ダイヤモンド社(2009)

いいね、どんどんこのシリーズ出してほしい。とくに、問題解決の方はよい本。マインドマップの可能性を広げるよい本だと思う。

システムシンキングを書いた高橋さんが、マインドマップを発散のツールだと言っていたが、この本を読むと、一応、収束のメカニズムも作れるように思う。ただ、自然ではない。

っていうか、脳の活動って、メタファできるような自然なものではない。昔、ニューロコンピューティングの研究を多少していたが、非線形現象はよくわからないのだから、そのあたりは、これからなんだろう。

5冊くらいは目を通した本があると思うので、そろそろ、マインドマップ記事を書くか。

仕事が一段落したところで、

手塚利男「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか たった一人からでも始められる「職場活性化」の方法」、ナナ・コーポレート・コミュニケーション(2009)

を読む。「対話」がキーワードだということらしいが、あまりピンとこなかった。ただ、内容は具体的で本当によい本だ。詳しくは、紹介記事でということで。

2009年4月19日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月18日

今日は、汐留のヴィラフォンテーヌ汐留で個人向けのセミナーを行った。

MBAプロジェクトマネジメント

とりあえず、今日のところは、なんだろうということで、昔からのお客様に来ていただき、気持ちよく終了。

京都に戻る新幹線で2冊。

小林 昌平、大石 太郎、小峯 隆生「「ハッタリ」力 30歳からでも間に合う人生再起動の教科書」、講談社(2009)

このテーマは僕はずっと昔から関心があり、よく本も読んでいる。この本を手にとっておやっと思ったのが、ベストプラクティスのラインナップ。

白洲次郎、黒澤明、開高健、伊丹十三、岡本太郎、司馬遼太郎、小渕恵三

なんと最後に、小渕恵三元総理が入っている出はないか。すばらしい!

余談だが、「はったり」という言葉のイメージがよくないが、広辞苑でこの言葉を引くと

 1.なぐること。喧嘩をしかけておどすこと。
 2.大胆に粗放にことを行うこと。実状よりも誇大に言ったり、ふるまった
   りすること。

とある。1.はともかく、2.はそんなに悪い意味ではないと思うのだが。

いろいろと言葉を引いていたら、「外連味」という言葉が目についた。この言葉はうまい、言葉だなあ。問題は、その解説に

はったりやごまかし

とある。はったりとごまかしは違うと思っていたのだが、こういう言葉の使い方をされるんだ、むう~。

このネタは別途、「ひとつ上のプロマネ。」ブログに書くことにする。ということで、もう一冊。

ヘムルート・マウハー(岸 伸久訳)「マネジメント・バイブル」、ファーストプレス(2009)

本屋でさっとみたときには、なんだ、この本はと思った。美しくない。構成の理由がわからない。著者はネスレをグローバル企業に育てた実務家なので、独自の経営持論だと思って読み始めた。

違った。オビにあるとおり、これは教科書といえるくらい体系化された本であり、その体系に彼の経営観があるように思えた。

これは紹介記事、書きます。

2009年4月18日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月17日

今日から、新しい書籍のプレゼントを開始。今回は、チームマネジメントをテーマにしたこちらの本。

石川 和幸「チームマネジメントがうまくいく成功のしかけ」、中経出版(2009)

さて、本日読んだ本。

マックス・デプリーの「Leadership is an art」の新訳版が出た。前書きを読んでいて、サーバントリーダーシップという言葉が出てくる。

マックス・デプリー(依田卓巳)「響き合うリーダーシップ」、海と月社(2009)

以前、「リーダーシップの真髄」として出版された本書を読んだときにちょうど、金井先生のゼミで勉強していたころで、金井先生の話と相俟って、なんとなく新しい方向性を示している本だと思った(当時は、著者がハーマンミラーの後継者だという方が僕には関心事だったが、、、)

今、読んで見ると、普通のことが書いてあるように感じるのは、はやり、先見の明ということなのだろう。今回の邦題になっている「響き合う」っていいと思う。

もう一冊。

安藤 雅彦「スローシンキング」、サンマーク出版(2009)

あまり読みやすい本ではないが、書いていることには結構、共感を覚える。だいたい、「スロー」なんとか系の本は、違うところを目指そうというノリのものが多いが、この本は目指すところは同じ。そこがよい。

2009年4月17日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月16日

香取一昭さんと久しぶりに会う。香取さんのマルチタレントぶりは相変わらずで、今度はこんな本を出された。

香取 一昭、大川 恒「決めない会議―たったこれだけで、創造的な場になる10の法則」、ビジネス社(2009)

会議本はハウツーもののイメージがついて回るが、この本は決してハウツー本ではない。コンセプチャルな本である。AI、OST、ワールドカフェ、フューチャーサーチなどについて簡潔に解説されている。

このあたりの対話的な問題解決アプローチは、イノベーター、アーリーアダプターの時期は終わり、アーリーマジョリティが登場する時期にさしかかっているような気がするので、こういう本がでるタイミングとしてはよいと思う。

この分野、最近でいえば、清宮さんの「質問会議」のように簡単にかつ、エッセンスだけ押さえて1冊にしたが出版されて結構売れている。

願わくば、ワールドカフェや、OSTで、質問会議的なレベルの本を作ってほしいなあ。

2009年4月16日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月15日

この日記で取り上げたある著者の方から、紹介記事をはやく書けという催促を受けた。そのうち、書きますので、お待ち下さい。現在、キューは20冊くらい。月1~2冊は、すぐに紹介したいと思う本があるので、月に捌けるのは4~5冊。気長にお待ち下さい。

まあ、新刊紹介をするブログは山ほどあるので、棚に戻ったあとで、紹介する人がいてもいいでしょう。

さて、ちょっと気になるシリーズが登場。

リクルートワークス研究所は、人と組織の研究所で、ユニークな研究で有名。「Works」という雑誌の定期刊行もしていて、こちらも他の雑誌で見られないような特集が並ぶ。

いろいろな意味で、リクルートでなければ、できないような展開だが、今度は、プレジデントと組んで、研究者の研究を書籍にして出すという試みをはじめたようだ。「ワークス人と組織選書」。

とりあえず、配本があったのは、

笠井恵美「サービス・プロフェッショナル」、プレジデント社(2009)
谷口智彦「見どころのある部下」支援法」、プレジデント社(2009)
豊田義博「戦略的「愛社精神」のススメ」、プレジデント社(2009)

1冊20分と限定して、1時間でできる限り、読んだ。

人に勧めるのは難しい本だが、松岡正剛流の2R(リスク&リスペクト)の精神で読むのであれば良い本。

この中の1冊だけは、もう一度、読み直してみようと思っている。なんでしょう?読んだら、紹介記事を書きます。

2009年4月13日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月13日

最終ののぞみで京都から東京に移動。もう本屋が閉まっていたので、キオスクで新書を2冊買い込む。

まずは松岡正剛さんの本から読み出す。

松岡正剛「多読術」、筑摩書房 (2009)

本にリスクがつきまとうというのは名言だなあ。このブログを読んでくださっている人から何度か、何でそんなにたくさんの本を読むんですか?と聞かれることがある。

一応コンサルタントという商売をしているわけで、ビジネス書という限定でいえば、「効用」を求めて読むのが普通だと思うが、ビジネス書だって、ジャンルを問わずに読めば、効用があるとは限らない。やっぱり、松岡さんのいうように、知らないことを知りたいから読むという感覚が強い。

どうも書籍ブログなるものが出てきて、世の中的に、この感覚が薄れているのが残念だ。と、僕がいうのもアレか。

ただ、僕は紹介記事は書いても、書籍ブログとか、メルマガは絶対に読まない。ディレクトリとしても参考にしない。

って、ある出版社の人に言ったら、「土井さんとか、松山さんの話をしているじゃないですか」と突っ込まれた(苦笑)

そう、僕は本を読み終わったらgoogleで検索し、書評とか紹介記事を見つけたら片っ端から読む。これがまた、楽しい。感じ方が違うし、ツボも違う。これがまた、本を読むのと同じような楽しみがある。

結局、本を読む楽しみは、知らないことを知る楽しみであり、当り/外れのリスクがあることじゃないかと思う。

さすが、松岡さんはいいこというなあと思いながら読んでいたら、新富士を過ぎてしまった。次の本にかかる。

岡本薫「世間さまが許さない!―「日本的モラリズム」対「自由と民主主義」」、筑摩書房(2009)

「世間さま」というモラルの共有を前提にした社会についての考察。今年読んだ本の中で、もっともおもしろかった。読書傾向として僕はこういう本にはまる傾向があるが、これこそ、知らない世界を見せてくれる本。

旅に喩えれば、東京に住んでいて、中央線で通勤している人が、高尾山で感動するっていうような感じかな。日常の中のサプライズという感覚。京都ではないな。

読書を旅だと思える人にはお勧め。

2009年4月12日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月12日

ここまで割り切って本を作るというのはある意味ですごい。

杉山 浩一「図解入門ビジネス 最新リーダーシップの基本と実践がよーくわかる本」、秀和システム(2009)

こういう書き方をすると皮肉っぽく読めるかもしれないが、そうではない。説明は簡単ながらもきちんとしているし、一つ一つの項目に確かに実践につながる知識も含まれているように思う。その意味でもしっかりとした本であるし、これでその気になってやってみて、いろいろと気づくというのは、貴重な体験だと思う。

少なくとも今までにはないタイプかもしれない。

グロービスのMBAシリーズの中に

グロービス・マネジメント・インスティテュート(大中忠夫監修) 「MBAリーダーシップ」、ダイヤモンド社 (2006)

というリーダーの行動技術に焦点を当て、理論との関係を説く本があるのだが、強いていえばこの本に近い。しかし、杉山さんの本はもっと割り切っている。リーダーシップTIPSである。

さて、休みに読もうと思っていた本を3冊読む。3冊ともビジネス書といえなくもないが、2冊は範疇が違うような気もするので、書名の紹介にとどめる。2冊とも★5つ。

市川 力「探究する力」、知の探究社(2009)
西水 美恵子「国をつくるという仕事」、英治出版 (2009)

両方とも深い感動を覚える。

もう一冊は、この本。この本はなかなかの力作である。こちらは成果主義は原理的に間違っていると言った社会の本質に触れた提言もしている。

増田 悦佐「格差社会論はウソである」、PHP研究所(2009)

エリック・スティーブン レイモンドの「伽藍とバザール」を引き合いにだし、日本は欧米が向かおうとしているバザール型の社会だと指摘。格差社会論を、バザール型の社会を維持し続けることができなくなってきた今の知的エリートが、自らの権威を維持し続けるためのレトリックだと斬っている。僕も何となくだが、そのようなうさんくささを感じており、データに基づいてこの議論を展開している本書に拍手。

【ほぼ日 読書日記】2009年4月11日

22時過ぎに事務所のある宇治市のとなりの城陽市にある「上方温泉一休京都本館」という日帰り温泉に行った。温泉から出てしばらく休憩。万城目学の「プリンセス・トヨトミ」を読み出したら、おもしろい!やっぱ、天才。100ページくらいまで読み進んだところで、ツレが帰ろうというので後ろ髪を引かれつつ帰路に。

ビジネス書は読むことが目的なのでかなりスピードが早いが、それ以外は意外と遅い。万城目学も1時間くらいで100ページってかんじだ。

帰りに事件。宇治川ラインと呼ばれる国道を通ったのだが、ローリング族がうじゃうじゃ。老眼が出てきてむちゃくちゃな運転はしないようにしているのだが、少しだけ燃えた。

さて、今日は午前中は業務をしていたが、午後は、思索タイム。

今年になってから盛んに、システム工学的なプロジェクトマネジメントではできないプロジェクトに関する情報発信をしているが、2~3ヶ月前に読んで気になっていたこの本を今日、再び、読んだ。

奥山 清行「伝統の逆襲―日本の技が世界ブランドになる日」、祥伝社(2007)

どうも、職人と現場の切り分けがうまくできない。この本の中には、何かメッセージがあるのだが、うまく読み取れない。なんだろう。。。

全然、関係ないのだが、疲れてきたので別のことを考え出した。

西村克彦「「わかる」のしくみ」、新曜社(1997)

会社に入って3年目からやめるまでのほぼ、5年間、いろいろな形で、ずっと認知科学の研究開発をやっていた。基本というよりも、認知科学を機械の設計にどう応用するかとかいった話。その中で、わかるというのはさんざん議論したのだが、いまだによくわからない。

最近の問題意識としては、「わかったつもり」をどう回避するかという問題がある。企業教育がわかったつもりにすることに力を入れすぎているように思うからだ。

・事例研究
・フレームワーク

などすべてこの方向のものだな。

こういう手法を使うと、盛んに腑に「落ちる」といっているが、どうも、この三分の二くらいは、わかった気になっているだけのような気がして仕方ない。

ある大学の先生にその相談をしていたら、この本を薦められた。読んだ。読み切れていないが、いくつか参考になった。何度か読む価値はありそう。ただ、この本で指摘していることを本当に研修プログラムに反映できるかどうかは別。

できないとすれば、研修は所詮研修、わかった気にすればよいと割り切るしかないかな。

全然、関係ないが、最近、仕組みという言葉が、言ったモン勝ちみたいな大安売りされている。これが仕組みかっていうようなものを平気で仕組みだといっている。言うのは勝手だが。仕組みというのはそんなに軽いものではないと思うのだが、、、

その意味でも、この本は仕組みに興味がある人は読んでみる価値がある。

仕事を終わって夕食のあとで、この本をぱらぱらとめくる。

アエラ編集部「プロ力 仕事の肖像」、朝日新聞出版(2009)

伊勢崎賢治さんの記事を読みたかったんだが、一番、おもしろかったのは、女優の山口智子さんの話。ファンだというのもあるが、共感した。その前の記事が、勝間和代さんという並びも際立たせているように思った。

2009年4月10日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年4月10日

セミナー教材で使う事例になるのではないかと思って、読み始めたら、思いっきりはまってしまって、そんな目的はすっ飛ばして完読!おもしろい!スポーツマネジメントに関わらない人も読む価値のある一級品のマネジメント解説書である。野球に興味のある人であれば、マネジメントの勉強のために読むことをお奨めする。楽しめて、勉強になる。

小寺 昇二「実践スポーツビジネスマネジメント―劇的に収益力を高めるターンアラウンドモデル」、日本経済新聞出版社 (2009)

もちろん、紹介記事を書く。

仕事の終わったあとで、この本を読む。

ハイラム・スミス、竹村 富士徳(フランクリンコヴィージャパン訳)「勝利のタイム・マネジメント―古代ローマのグラディエーターに学ぶ」、キングベアー出版(2009)

ハイラム・スミスは世界でもっとも有名なタイムマネジメントのスキームを考案した人だが、この本はライフワークバランスをかなり意識して、どのような意識やツールを持てばよいかを、古代ローマのグラディエーターをメタファに解説している。まあ、よくも悪くも、コヴィーだ。

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